【ビル管過去問】令和6年度 問題160|事業系廃棄物 建築物内廃棄物処理を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第160問

問題

建築物内の事業活動に伴って排出される廃棄物の処理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 生ごみのうち再生利用されないものを一般廃棄物の許可業者に委託して処理する。

(2) プラスチック類のうち再生利用されないものを一般廃棄物の許可業者に委託して処理する。

(3) 古紙を再生利用するために資源回収業者に委託して処理する。

(4) グリース阻集器で阻集される油分を産業廃棄物の許可業者に委託して処理する。

(5) し尿を含まない雑排水槽からのビルピット汚泥を産業廃棄物の許可業者に委託して処理する。

ビル管過去問|事業系廃棄物 建築物内廃棄物処理を解説

この問題は、建築物内で発生する事業系廃棄物が、一般廃棄物と産業廃棄物のどちらに当たるのかを正しく判定できるかを問う問題です。ポイントは、見た目や日常感覚ではなく、廃棄物処理法上の分類で判断することです。事業活動に伴って出る廃棄物は、産業廃棄物に該当するもの以外は事業系一般廃棄物ですが、廃プラスチック類、汚泥、廃油などは代表的な産業廃棄物です。したがって、最も不適当なのは、廃プラスチック類を一般廃棄物の許可業者に委託するとした記述です。環境行政資料や自治体案内でも、事業活動に伴う廃プラスチック類は産業廃棄物、生ごみは事業系一般廃棄物の代表例、し尿を含まないビルピット汚泥は産業廃棄物として整理されています。

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(1) 生ごみのうち再生利用されないものを一般廃棄物の許可業者に委託して処理する。

適切です。事業所から出る生ごみであっても、それが産業廃棄物の類型に当たらなければ、事業系一般廃棄物として扱います。自治体の事業系ごみ案内でも、生ごみは事業系一般廃棄物の代表例として示されています。そのため、再生利用しない生ごみを一般廃棄物の許可業者に委託して処理するという考え方は妥当です。試験では「事業活動に伴うごみだから全部産業廃棄物」と早合点しやすいですが、実際には事業系一般廃棄物という区分があります。

(2) プラスチック類のうち再生利用されないものを一般廃棄物の許可業者に委託して処理する。

不適切です。廃プラスチック類は、事業活動に伴って生じた場合、産業廃棄物に分類されます。したがって、処理を委託する相手も一般廃棄物の許可業者ではなく、産業廃棄物の許可業者でなければなりません。ここは非常に頻出です。家庭から出るプラスチックごみの感覚で考えると一般ごみに見えますが、試験では「事業活動に伴う廃プラスチック類は産業廃棄物」という法律上の整理を優先して判断します。

(3) 古紙を再生利用するために資源回収業者に委託して処理する。

適切です。古紙は再生利用の対象として広く回収されており、資源回収業者へ委託して再生利用ルートに乗せる処理は実務上も一般的です。試験では「廃棄物処理業の許可業者でなければならないのではないか」と迷いやすいですが、再生利用目的で適切な資源回収ルートに流すという理解で問題ありません。古紙は、再資源化の代表例として整理して覚えておくと判断しやすいです。

(4) グリース阻集器で阻集される油分を産業廃棄物の許可業者に委託して処理する。

適切です。グリース阻集器で回収される油分は、事業活動に伴って生じる廃油として扱われ、産業廃棄物に該当します。そのため、産業廃棄物の許可業者に委託する処理は正しいです。飲食関係や厨房設備では、グリース阻集器由来の廃棄物の分類がよく問われます。油分だけでなく、そこにたまる汚泥も産業廃棄物として扱う場面があるため、グリース阻集器関連は「産業廃棄物側」と整理して覚えると有効です。

(5) し尿を含まない雑排水槽からのビルピット汚泥を産業廃棄物の許可業者に委託して処理する。

適切です。ビルピットにたまる汚泥のうち、し尿を含まない雑排水槽由来のものは、産業廃棄物として扱われます。大阪市の整理でも、し尿を含まない雑排水槽やグリース阻集器などの清掃で発生する汚泥は産業廃棄物とされ、一方で、し尿を含む場合は一般廃棄物として扱うと区別されています。つまり、このテーマでは「し尿を含むか、含まないか」が重要な分岐点です。そこを正確に押さえていれば迷いません。

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この問題で覚えるポイント

事業活動に伴って生じた廃棄物は、まず産業廃棄物に当たるかどうかで分類します。産業廃棄物に当たらないものが、事業系一般廃棄物です。

事業系一般廃棄物の代表例は、生ごみ、紙くず、木くず、繊維くずなどです。ただし、紙くずや木くずなどは業種によって産業廃棄物側に入る場合もあるため、丸暗記ではなく「原則と例外」で覚えることが大切です。

産業廃棄物の代表例としては、廃プラスチック類、汚泥、廃油が重要です。建築物管理の実務では、厨房のグリース阻集器の油分は廃油、雑排水槽やビルピットの汚泥は汚泥として問われやすいです。

ビルピット汚泥は、し尿を含まないものは産業廃棄物、し尿を含むものは一般廃棄物として扱う整理が重要です。この違いは試験で狙われやすいです。

プラスチック類は、家庭ごみの感覚に引っ張られやすいですが、事業活動に伴って出た廃プラスチック類は産業廃棄物です。ここは頻出論点なので、反射的に判断できるまで整理しておくと強いです。

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ひっかけポイント

この問題の最大のひっかけは、「事業所から出るごみ」と「産業廃棄物」を同じものだと思わせる点です。実際には、事業活動に伴う廃棄物には、事業系一般廃棄物と産業廃棄物の両方があります。この区別が曖昧だと、生ごみまで産業廃棄物だと誤認しやすくなります。

次のひっかけは、日常感覚とのズレです。プラスチックは家庭では一般ごみや資源ごみとして出すことが多いため、事業所でも同じ感覚で一般廃棄物だと思い込みやすいです。しかし、試験では生活感覚ではなく法分類で判断します。事業活動由来の廃プラスチック類は産業廃棄物です。

さらに、ビルピット汚泥は「汚泥だから全部産業廃棄物」と雑に覚えていると失点します。実際には、し尿を含むかどうかで扱いが分かれます。一部だけ正しい知識で判断すると誤答になる、典型的な出題パターンです。

再生利用の記述も迷わせやすいポイントです。古紙のように資源回収ルートで処理するものは、単純に「廃棄物処理業者」という発想だけで考えると判断を誤ります。処理方法だけでなく、何をどのルートに乗せるのかまで含めて理解しておくことが大切です。

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