出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第139問
問題
防火設備及び消防用設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 防火設備定期検査制度により、建築基準法施行令と特定行政庁が定めた条件を満たす建築物の防火設備は、一級建築士、二級建築士または防火設備検査員が、1年に1回作動状況等を確認する。
(2) 消防用設備等に附置される動力消防ポンプは、1年に1回機器点検を行う。
(3) 防火管理者は日常の点検項目として、消防用設備の異常信号などについて確認し、異常が認められたら直ちに修理し、機能回復を図る。
(4) 特定防火対象物における法定定期点検の結果とその不備に関する是正措置の報告は、1年に1回行う。
(5) 機器点検のうち外観点検とは、消防用設備等の機器の適正な配置など、主として外観から判断できる事項を点検基準に従い確認することである。
ビル管過去問|防火設備消防用設備の保守管理を解説
この問題は、防火設備と消防用設備について、どの制度で、誰が、どの周期で、どのような内容を点検報告するのかを正確に理解しているかを問う問題です。よく似た用語として、防火設備定期検査、防火対象物点検、消防用設備等点検があり、それぞれ根拠法令も点検者も周期も異なります。正解は(2)です。動力消防ポンプを含む消防用設備等の機器点検は、1年に1回ではなく、6か月に1回行うものです。ここを曖昧にすると、総合点検の1年に1回と混同して誤答しやすくなります。
(1) 防火設備定期検査制度により、建築基準法施行令と特定行政庁が定めた条件を満たす建築物の防火設備は、一級建築士、二級建築士または防火設備検査員が、1年に1回作動状況等を確認する。
適切です。防火設備の定期検査は、建築基準法に基づく制度であり、対象となる建築物では、防火設備についておおむね1年以内ごとに検査を行います。また、その検査は資格者が実施する仕組みになっており、一級建築士、二級建築士、防火設備検査員が担当します。この選択肢は、防火設備定期検査の対象、資格者、周期を正しく押さえています。
(2) 消防用設備等に附置される動力消防ポンプは、1年に1回機器点検を行う。
不適切です。消防用設備等の点検には、機器点検と総合点検があります。機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回が基本です。動力消防ポンプは、機器点検の対象事項に含まれるため、1年に1回ではなく、6か月に1回点検する必要があります。この選択肢は、機器点検と総合点検の周期を入れ替えている点が誤りです。試験ではこの数字の取り違えが非常によく狙われます。
(3) 防火管理者は日常の点検項目として、消防用設備の異常信号などについて確認し、異常が認められたら直ちに修理し、機能回復を図る。
適切です。防火管理者は、建物の火災予防と被害軽減のため、日常的な防火管理を担います。消防用設備そのものの法定点検は有資格者等が行う制度ですが、日常管理の中で異常信号や不具合の兆候を確認し、異常があれば速やかに是正につなげることは、防火管理上きわめて重要です。ここでは、防火管理者が法定点検を直接実施するという意味ではなく、日常の管理責任として設備異常を把握し、機能回復を図るという趣旨であり、内容として妥当です。防火対象物の関係者が防火管理上必要な業務を適切に実施することは、制度の根幹です。
(4) 特定防火対象物における法定定期点検の結果とその不備に関する是正措置の報告は、1年に1回行う。
適切です。一定の特定防火対象物では、防火対象物点検報告制度に基づき、点検と報告を1年ごとに行います。報告内容には、点検結果だけでなく、不備事項やその是正状況も含まれます。したがって、この選択肢の「1年に1回行う」という部分は正しい理解です。消防用設備等点検報告制度と混同しやすいですが、防火対象物点検報告も年1回である点を押さえておくと整理しやすくなります。
(5) 機器点検のうち外観点検とは、消防用設備等の機器の適正な配置など、主として外観から判断できる事項を点検基準に従い確認することである。
適切です。機器点検とは、消防用設備等について、損傷の有無、配置の適否、表示の状態など、比較的外観や簡単な操作で確認できる事項を点検基準に従って調べるものです。つまり、設備を分解したり、大がかりな作動試験をしたりする前段階として、まず外観から適切な状態かどうかを確認する性格が強い点検です。この説明は、機器点検のうち外観点検の趣旨を正しく表しています。
この問題で覚えるポイント
防火設備定期検査は建築基準法系の制度で、防火設備は1年以内ごとに検査することが基本です。検査者は一級建築士、二級建築士、防火設備検査員です。 消防用設備等点検は消防法系の制度で、機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回です。数字の組合せは頻出です。 動力消防ポンプや非常電源の正常状態確認は、機器点検の対象です。したがって、1年ではなく6か月周期で押さえます。 防火対象物点検報告制度では、一定の特定防火対象物について、点検も報告も1年ごとに行います。消防用設備等点検報告制度と混同しないことが大切です。 機器点検の外観点検は、機器の配置、損傷、表示など、主として外観から判断できる事項を確認するものです。一方、総合点検は設備全体の機能を総合的に確認する性格が強いです。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「年1回」という数字を見たときに、何の制度の、どの点検について述べているのかを区別できるかどうかにあります。受験者は、防火設備定期検査、防火対象物点検報告、消防用設備等の総合点検がいずれも年1回という印象を持ちやすく、その流れで消防用設備等の機器点検まで年1回だと思い込んでしまいます。ですが、機器点検だけは6か月に1回です。ここが最大の罠です。 また、「防火設備」と「消防用設備等」は名前が似ていますが、根拠法令も制度も異なります。防火設備は建築基準法側、消防用設備等は消防法側です。この区別が曖昧だと、資格者、点検周期、報告先まで連鎖的に混乱します。試験では、一部だけ正しい文に誤った数値や用語を混ぜる出し方が多いので、用語と周期をセットで覚えることが重要です。
