出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第137問
問題
浄化槽法第1条(目的)に規定されている事項として、誤っているものは次のうちどれか。
(1) 浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造について規制すること。
(2) 浄化槽製造業の登録制度を整備すること。
(3) 浄化槽清掃業の許可制度を整備すること。
(4) 浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めること。
(5) 浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図ること。
ビル管過去問|浄化槽法の目的(浄化槽法第1条)を解説
この問題は、浄化槽法第1条に書かれている「法律の目的」をそのまま正確に押さえているかを問う問題です。浄化槽法第1条では、浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造についての規制、浄化槽清掃業の許可制度の整備、浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格の制定などを通じて、し尿と雑排水の適正な処理を図り、生活環境の保全と公衆衛生の向上に寄与することが目的とされています。したがって、誤っているのは「浄化槽製造業の登録制度を整備すること」とした(2)です。第1条にあるのは、浄化槽そのものの「製造について規制すること」であって、「浄化槽製造業の登録制度を整備すること」という文言ではありません。
(1) 浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造について規制すること。
適切です。浄化槽法第1条には、浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造について規制することが、法律の目的の一部として明記されています。ここで大切なのは、浄化槽法が単に「清掃」だけを扱う法律ではなく、設置から維持管理、さらに製造まで含めて幅広く対象としている点です。ビル管試験では、こうした条文の並びをそのまま問う問題が出やすいため、対象範囲を一連の流れで覚えておくことが重要です。
(2) 浄化槽製造業の登録制度を整備すること。
不適切です。誤りのポイントは、「製造について規制すること」と「製造業の登録制度を整備すること」をすり替えている点です。浄化槽法第1条には、浄化槽の製造について規制することは書かれていますが、「浄化槽製造業の登録制度を整備すること」という表現は目的規定にはありません。この問題は、法律の条文を大まかな意味で覚えている受験者を引っかける典型です。似た言い回しでも、条文にある言葉かどうかを厳密に判定する必要があります。
(3) 浄化槽清掃業の許可制度を整備すること。
適切です。浄化槽法第1条には、浄化槽清掃業の許可制度を整備することが含まれています。浄化槽は、設置しただけでは適正に機能し続けません。し尿や雑排水を処理する設備である以上、清掃が不十分であれば、悪臭、機能低下、水質悪化などにつながります。そのため、清掃業務を担う事業者に一定の制度を設け、適正な業務を確保することが法律の目的の中に組み込まれています。
(4) 浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めること。
適切です。浄化槽法第1条には、浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めることが掲げられています。また、浄化槽法には実際に浄化槽設備士や浄化槽管理士に関する条文が置かれており、資格制度が法律の重要な柱であることが分かります。浄化槽は、衛生設備であると同時に、適切な施工や維持管理が求められる設備です。そのため、専門知識を持つ者の資格制度を設けることは、法律の目的に直結しています。
(5) 浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図ること。
適切です。浄化槽法第1条の最終的な目的は、浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図り、生活環境の保全と公衆衛生の向上に寄与することです。つまり、設置や点検、清掃、資格制度などはすべて手段であり、最終的なゴールは衛生的で良好な生活環境を守ることにあります。試験では、途中の制度や資格だけに目が向きやすいですが、法律の目的は必ず「何のための制度か」まで含めて捉えることが大切です。
この問題で覚えるポイント
浄化槽法第1条では、浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造について規制すること、浄化槽清掃業の許可制度を整備すること、浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めることなどを通じて、し尿及び雑排水の適正な処理を図り、生活環境の保全と公衆衛生の向上に寄与することが目的とされています。条文問題では、「規制」と「登録制度」、「資格を定める」と「業を登録させる」など、似た語句の置き換えが非常によく出ます。特に今回のように、「製造について規制する」が正しいのに、「製造業の登録制度を整備する」と少し形を変えて誤りにする出題は頻出です。法律の目的では、対象行為、制度、資格、最終目的をセットで覚えることが正誤判断に直結します。
ひっかけポイント
この問題の罠は、条文の趣旨を何となく覚えている受験者ほど、「それっぽい表現」に引っぱられやすい点です。法律問題では、内容の方向性が合っていても、制度の種類が違えば誤りになります。今回は「製造」が条文にあるため、「製造業の登録制度」もありそうだと感じてしまいやすいのですが、実際には第1条の文言はそこまで書いていません。つまり、「一部は正しいが、言い換えが条文どおりではない」文章を見抜けるかが勝負です。今後も、法律の目的、定義、資格、許可、登録といった用語は、似ていても別物として厳密に区別する意識が必要です。
