【ビル管過去問】令和6年度 問題96|仕上げ材料の種類と特性(合成樹脂塩化ビニル)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験 令和6年度(2024年)|建築物の構造概論 第96問

問題

仕上げ材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) ポリ塩化ビニルは合成樹脂の一つで、床や内壁の仕上げ材などに使用される。

(2) 陶磁器質材料は、一般に焼成温度の高いものほど吸水率が高い。

(3) 左官材料を用いた湿式工法の工期は、一般に乾式工法に比べて長い。

(4) ブロンズは、銅とすずの合金である。

(5) グラスウール断熱材の中に湿気が入ると断熱性が著しく低下する。

ビル管過去問|仕上げ材料の種類と特性(合成樹脂塩化ビニル)を解説

この問題は、建築仕上げ材料の基本的な性質や用途を問う問題です。合成樹脂、陶磁器質材料、左官工法、金属材料、断熱材と、幅広い材料知識が並んでいますが、どれも建築物の構造概論で頻出の基本事項です。正しい選択肢を選ぶというより、各材料の性質を正確に比較できるかが問われています。最も不適当なのは(2)です。陶磁器質材料は、一般に焼成温度が高いほど緻密になり、吸水率は低くなるためです。他の(1)(3)(4)(5)は適切な記述です。

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(1) ポリ塩化ビニルは合成樹脂の一つで、床や内壁の仕上げ材などに使用される。

適切です。ポリ塩化ビニルは、一般に塩ビとも呼ばれる代表的な合成樹脂です。シート、タイル、壁材、巾木など、建築の内装仕上げ材として広く用いられています。耐水性、加工性、清掃のしやすさに優れているため、住宅だけでなく、病院や事務所ビルなどでも使用されます。特に床材としては、塩ビシートや塩ビタイルがよく知られており、内壁材にも用いられることがあります。したがって、この記述は材料の分類と用途の両面から見て正しいです。

(2) 陶磁器質材料は、一般に焼成温度の高いものほど吸水率が高い。

不適切です。陶磁器質材料は、一般に焼成温度が高くなるほど組織が緻密になり、吸水率は低くなります。これは、焼成によって粒子同士が強く結びつき、内部の空隙が減るためです。例えば、せっ器や磁器は土器よりも高温で焼かれるため、より硬く、吸水しにくい性質を持ちます。建築材料では、外装タイルや衛生陶器などにこの性質が活かされています。吸水率が高いと水を含みやすく、凍害や汚れの原因にもなりやすいため、焼成温度と吸水率の関係は逆であると理解しておくことが重要です。この記述は、その関係を逆にしているため誤りです。

(3) 左官材料を用いた湿式工法の工期は、一般に乾式工法に比べて長い。

適切です。湿式工法は、モルタル、プラスター、しっくいなど、水を使って現場で練り混ぜ、塗り付け、乾燥や硬化を待ちながら施工する工法です。そのため、施工後すぐに次の工程へ進めないことが多く、乾燥時間や養生期間が必要になります。一方、乾式工法は、石こうボードや各種パネルなど、工場で製作された材料を現場で取り付ける方法が中心であり、施工の省力化や工期短縮に有利です。したがって、一般に湿式工法のほうが乾式工法より工期は長くなります。この記述は正しいです。

(4) ブロンズは、銅とすずの合金である。

適切です。ブロンズは青銅とも呼ばれ、主として銅にすずを加えた合金です。建築分野では、金物、装飾部材、彫刻、金属製建具の一部などに用いられることがあります。なお、銅と亜鉛の合金は黄銅で、一般に真ちゅうと呼ばれます。試験では、青銅と黄銅の組成を入れ替えて出題されることがあるため注意が必要です。この設問の記述は、ブロンズの定義として正しいです。

(5) グラスウール断熱材の中に湿気が入ると断熱性が著しく低下する。

適切です。グラスウールは、細いガラス繊維の間に空気を多く含むことで断熱性能を発揮する材料です。断熱材の性能は、内部に静止した空気を保てるかどうかに大きく左右されます。しかし、湿気が入り込むと、空気の層が水分に置き換わったり、材料内部で熱が伝わりやすくなったりするため、断熱性能が低下します。また、結露やカビの原因にもなり、建物の耐久性にも悪影響を及ぼします。そのため、断熱材では防湿層や通気層の確保が重要です。この記述は正しいです。

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この問題で覚えるポイント

合成樹脂には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがあり、建築では床材、壁材、配管材、シート類などに広く使われます。ポリ塩化ビニルは、特に内装仕上げ材として頻出です。 陶磁器質材料は、一般に焼成温度が高いほど緻密で硬くなり、吸水率は低くなります。吸水率が低いほど耐水性や耐久性に優れる傾向があります。焼成温度と吸水率の関係は逆であると覚えることが重要です。 湿式工法は、水を使って現場で施工するため、乾燥や養生が必要で工期が長くなりやすいです。乾式工法は、工場製品を現場で組み立てるため、工期短縮や品質の安定に有利です。 銅合金の基本は、青銅が銅とすず、黄銅が銅と亜鉛です。試験ではこの組合せがよく問われます。 グラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材は、内部に含まれる空気によって断熱性能を確保しています。湿気を含むと断熱性が低下するため、防湿対策が重要です。 断熱材の問題では、熱伝導率、吸湿性、防湿層、結露防止といった関連知識も一緒に押さえると、類題への対応力が上がります。

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ひっかけポイント

最も典型的なひっかけは、焼成温度と吸水率の関係を逆にしてくるパターンです。受験者は、焼くほど乾きそうだから吸水しやすいのではないか、と日常感覚で考えてしまいがちですが、実際には高温焼成ほど緻密化して吸水率は下がります。 材料の名前は知っていても、性質まで正確に覚えていないと誤答しやすいです。特に合成樹脂、陶磁器、金属合金、断熱材のように分野がまたがる問題では、あいまいな暗記が通用しません。 青銅と黄銅の組成は非常によく混同されます。銅とすずが青銅、銅と亜鉛が黄銅という基本を、名称ごとに整理して覚える必要があります。 湿式工法と乾式工法は、施工方法のイメージだけで判断すると迷いやすいですが、工期の差は乾燥や養生の有無で考えると判断しやすくなります。 断熱材は、素材そのものが熱を遮ると考えてしまうと誤ります。実際には内部の空気層が重要であり、そこに湿気が入ると性能が落ちるという仕組みまで理解しておくことが大切です。

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