【ビル管過去問】令和6年度 問題19|健康増進法の受動喫煙防止対策を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験 令和6年度(2024年)|建築物衛生行政概論 第19問

問題

健康増進法に定める受動喫煙防止対策における施設とその対応との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 学校 ――― 敷地内禁煙

(2) 病院 ――― 敷地内禁煙

(3) 行政機関の庁舎 ――― 原則屋内禁煙

(4) 事務所 ――― 原則屋内禁煙

(5) ホテル旅館 ――― 原則屋内禁煙

ビル管過去問|健康増進法の受動喫煙防止対策を解説

この問題は、健康増進法における受動喫煙防止対策の基本分類である「第一種施設」と「第二種施設」を正確に区別できるかを問う問題です。受験対策としては、学校、病院、行政機関の庁舎などは第一種施設で原則として敷地内禁煙、事務所やホテル旅館などは第二種施設で原則屋内禁煙、という整理を確実に覚えることが重要です。したがって、正しい組合せは学校、病院、事務所、ホテル旅館であり、最も不適当なのは「行政機関の庁舎 ――― 原則屋内禁煙」である(3)です。厚生労働省は、学校、病院、行政機関の庁舎等を第一種施設として敷地内禁煙、事務所やホテル旅館を第二種施設として原則屋内禁煙と整理しています。

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(1) 学校 ――― 敷地内禁煙

適切です。学校は、受動喫煙により健康影響を受けやすい者が主として利用する施設として、第一種施設に位置づけられます。第一種施設では、建物の中だけでなく敷地全体で禁煙とするのが原則です。そのため、「学校 ――― 敷地内禁煙」という組合せは法の考え方に合っています。なお、例外的に屋外に喫煙場所を設けられる場合もありますが、それは受動喫煙を防止するために必要な措置が取られた特定の場所に限られます。したがって、基本の正誤判断としては「学校=敷地内禁煙」と覚えるのが正確です。

(2) 病院 ――― 敷地内禁煙

適切です。病院も第一種施設に該当します。患者は健康状態が不安定で、受動喫煙の影響を特に受けやすいため、健康増進法では強い規制対象とされています。第一種施設である病院は、建物内だけを禁煙にするのでは不十分で、敷地全体を禁煙とするのが原則です。したがって、「病院 ――― 敷地内禁煙」は正しい組合せです。試験では学校、病院、行政機関の庁舎をひとまとめで第一種施設として整理できるかがよく問われます。

(3) 行政機関の庁舎 ――― 原則屋内禁煙

不適切です。行政機関の庁舎は、事務所などと同じ第二種施設ではなく、第一種施設に分類されます。第一種施設に対する基本ルールは「原則屋内禁煙」ではなく「敷地内禁煙」です。ここがこの問題の核心です。行政機関の庁舎は名称だけ見ると一般のオフィスに近く感じられるため、つい事務所と同じ扱いだと思ってしまいがちですが、法令上は学校や病院と同じグループに入ります。したがって、「行政機関の庁舎 ――― 原則屋内禁煙」は誤りであり、この問題の最も不適当な組合せです。

(4) 事務所 ――― 原則屋内禁煙

適切です。事務所は第二種施設に分類されます。第二種施設では、第一種施設のような敷地内禁煙ではなく、屋内を原則禁煙とするのが基本です。そのため、屋内では喫煙できず、喫煙を認める場合には喫煙専用室など、法令の基準を満たした喫煙場所の設置が必要になります。したがって、「事務所 ――― 原則屋内禁煙」は正しい組合せです。第一種施設と第二種施設の違いは、禁煙の対象範囲が敷地全体か、屋内中心か、という点にあります。

(5) ホテル旅館 ――― 原則屋内禁煙

適切です。ホテル旅館も第二種施設に含まれるため、基本的な対応は原則屋内禁煙です。したがって、この組合せは正しいです。ただし、ホテルや旅館には「客室」という特殊な場所があり、人の居住の用に供する場所として適用除外になる部分があります。ここを知らないと混乱しやすいのですが、問題文は施設全体の一般的な区分と対応を問うていますので、基本整理としては「ホテル旅館=第二種施設=原則屋内禁煙」で判断して問題ありません。

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この問題で覚えるポイント

受動喫煙防止対策では、まず施設を第一種施設と第二種施設に分けて整理することが重要です。第一種施設は、受動喫煙で健康を損なうおそれが高い者が主として利用する施設で、学校、病院、行政機関の庁舎などが含まれ、原則は敷地内禁煙です。第二種施設は、事務所、工場、ホテル、旅館、飲食店などで、原則は屋内禁煙です。 正誤判断に直結するのは、「第一種施設=敷地内禁煙」「第二種施設=原則屋内禁煙」という対応関係です。試験では施設名だけを入れ替えて問うことが多いため、名称暗記ではなく、なぜその規制の強さになるのかまで理解しておくと迷いにくくなります。第一種施設は子ども、患者、妊婦など健康影響を受けやすい人への配慮が強く求められる施設群です。 例外にも注意が必要です。第一種施設でも、受動喫煙を防止するために必要な措置が取られた場所には特定屋外喫煙場所を設けられることがあります。また、第二種施設では喫煙専用室など一定の喫煙場所を設ける余地があります。さらに、ホテル旅館の客室のように適用除外の扱いになる部分もあります。原則と例外を分けて覚えると、文章の一部だけが正しそうに見えるひっかけに強くなります。

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ひっかけポイント

最大のひっかけは、行政機関の庁舎を「事務所と同じオフィスだから第二種施設だろう」と日常感覚で判断してしまうことです。試験作成者は、見た目や用途の印象と、法令上の分類が一致しない点を突いてきます。行政機関の庁舎は、一般の事務所と似て見えても、法令上は第一種施設として扱われます。 もう一つの罠は、「屋内禁煙」と「敷地内禁煙」の強さの違いをあいまいに覚えていることです。屋内禁煙は建物内を中心に規制する考え方で、敷地内禁煙はそれより強い規制です。この差を曖昧にすると、文章の大部分が正しく見える選択肢に引っかかります。特に資格試験では、施設名は正しいのに規制レベルだけをずらした選択肢が頻出です。 さらに、「一部だけ正しい」文章にも注意が必要です。たとえばホテル旅館には客室の適用除外という要素がありますが、それを知っていると逆に「ホテル旅館=原則屋内禁煙」は誤りではないかと迷うことがあります。しかし、問題はあくまで施設区分の基本原則を問うています。例外知識を持っていても、まずは原則で判断する。この姿勢が、今後の同テーマの問題でも安定して得点するコツです。

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