【ビル管過去問】令和6年度 問題11|雑用水の水質検査項目(建築物環境衛生管理基準)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験 令和6年度(2024年)|建築物衛生行政概論 第11問

問題

建築物環境衛生管理基準において、水洗便所の用に供する水に飲料水以外の水(雑用水)を使用している場合の水質検査項目として、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) pH値

(2) 臭気

(3) 外観

(4) 大腸菌

(5) 濁度

ビル管過去問|雑用水の水質検査項目(建築物環境衛生管理基準)を解説

この問題は、水洗便所用の雑用水について、建築物環境衛生管理基準で求められている水質検査項目を正確に覚えているかを問う問題です。結論として、正しい整理は、pH値、臭気、外観、大腸菌は水洗便所用雑用水の検査項目であり、濁度は含まれません。したがって、適切なのは(1)から(4)で、最も不適当なのは(5)です。水洗便所用と、散水修景清掃用の雑用水とで、検査項目が少し異なる点が重要です。厚生労働省の建築物環境衛生管理基準でも、水洗便所用の雑用水は pH値、臭気、外観、大腸菌が対象で、濁度は対象外とされています。

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(1) pH値

適切です。pH値は、水洗便所の用に供する雑用水の水質検査項目に含まれます。基準は5.8以上8.6以下です。pHは水の酸性アルカリ性の程度を示す指標であり、極端に酸性またはアルカリ性に傾いた水は、設備や配管への悪影響、衛生上の問題につながるおそれがあります。そのため、水洗便所用であっても管理対象とされています。

(2) 臭気

適切です。臭気も、水洗便所用雑用水の検査項目に含まれます。基準は「異常でないこと」です。雑用水は飲料水ではありませんが、建築物内で使用される以上、不快なにおいや異常な腐敗臭があれば、衛生管理上の問題や利用者への不快感につながります。特に、雑用水槽や配管内で水質が悪化している場合、臭気は異常の早期発見の手がかりになります。

(3) 外観

適切です。外観も、水洗便所用雑用水の検査項目に含まれます。基準は「ほとんど無色透明であること」です。見た目に濁りや着色が強い水は、利用者に不衛生な印象を与えるだけでなく、水質悪化や混入事故の可能性も疑うべき状態です。飲用しない水であっても、建築物衛生管理では外観の確認が重要です。

(4) 大腸菌

適切です。大腸菌は、水洗便所用雑用水の検査項目に含まれます。基準は「検出されないこと」です。大腸菌が検出されるということは、ふん便性汚染を疑わせる重要なサインであり、衛生上のリスクが高い状態です。水洗便所用であっても、人が日常的に接する建築物内で使用される水ですから、病原生物による健康影響を防ぐ観点から、この項目は非常に重要です。

(5) 濁度

不適切です。濁度は、散水、修景又は清掃の用に供する雑用水では検査項目に含まれますが、水洗便所用雑用水では検査項目に含まれません。ここがこの問題の核心です。濁度2度以下という基準自体は建築物環境衛生管理基準に存在しますが、それは用途が異なる雑用水に対する基準です。つまり、濁度という項目そのものを覚えているだけでは不十分で、どの用途の雑用水に適用されるかまで区別して覚える必要があります。

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この問題で覚えるポイント

雑用水の検査項目は、用途ごとに分けて覚えることが重要です。 水洗便所用雑用水の検査項目は、pH値、臭気、外観、大腸菌です。 散水、修景又は清掃の用に供する雑用水では、これらに加えて濁度も検査項目になります。 pH値の基準は5.8以上8.6以下、臭気は異常でないこと、外観はほとんど無色透明であること、大腸菌は検出されないこと、濁度は2度以下です。 「雑用水」という一語でまとめず、水洗便所用か、散水修景清掃用かで整理することが正誤判断に直結します。 試験では、項目そのものの知識だけでなく、用途との対応関係を問う形で出題されやすいです。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「雑用水の検査項目」とだけ覚えている受験者が、用途別の違いを見落としてしまう点にあります。濁度は確かに雑用水の基準に出てくるため、見覚えがある受験者ほど選びにくい選択肢です。しかし、問題はあくまで「水洗便所の用に供する場合」を聞いています。つまり、知識の有無ではなく、条件を限定して読み取れるかが問われています。ビル管では、このように一部だけ正しい知識を混ぜて、用途、条件、対象設備の違いで誤答させる問題がよく出ます。今後も、「その知識はどの場面に適用されるのか」までセットで覚えることが大切です。

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