【ビル管過去問】令和6年度 問題34|音の性質と聴覚の仕組み(音の伝達耳の構造)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験 令和6年度(2024年)|建築物の環境衛生 第34問

問題

音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 聴覚の刺激となる音には、鼓膜を通じた空気の振動による音と、頭蓋骨など骨を通じて伝わる音がある。

(2) 周波数とは、音波の波長を示す。

(3) 音は内耳の有毛細胞から聴神経を経て大脳に伝わり、音として認識される。

(4) 人の聴覚が最も敏感な周波数は、4,000Hz付近である。

(5) 音声の主要周波数範囲は、100〜4,000Hzである。

ビル管過去問|音の性質と聴覚の仕組み(音の伝達耳の構造)を解説

この問題は、音の基本的な物理量と、耳で音を感じる仕組みを正しく理解しているかを問う問題です。正しい選択肢は(1)(3)(4)(5)で、最も不適当なのは(2)です。周波数と波長はどちらも音の性質を表す大切な指標ですが、意味はまったく異なります。周波数は1秒間に何回振動するかを示す量であり、波長は波の山から次の山までの長さを示します。この違いを押さえておけば、同じテーマの問題にかなり強くなれます。

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(1) 聴覚の刺激となる音には、鼓膜を通じた空気の振動による音と、頭蓋骨など骨を通じて伝わる音がある。

適切です。その理由は、音の伝わり方には気導音と骨導音があるからです。気導音は、空気の振動が外耳から鼓膜へ伝わり、中耳、内耳へと届く通常の聞こえ方です。一方、骨導音は、頭蓋骨などの骨の振動が直接内耳へ伝わって音として感じられるものです。たとえば、自分の声を録音で聞いたときに普段聞いている声と違って感じるのは、普段は気導音だけでなく骨導音も同時に感じているためです。このように、聴覚刺激には空気を介する経路と骨を介する経路の両方があります。

(2) 周波数とは、音波の波長を示す。

不適切です。その理由は、周波数と波長は別の概念だからです。周波数は、1秒間に何回振動するかを表す値で、単位はHzです。振動回数が多いほど高い音になります。これに対して波長は、波が1回振動する間に進む長さを表します。つまり、周波数は回数、波長は長さです。両者は無関係ではなく、音速が一定なら周波数が高いほど波長は短くなり、周波数が低いほど波長は長くなります。しかし、周波数そのものが波長を示すわけではありません。ここを混同すると、音の基本問題で失点しやすくなります。

(3) 音は内耳の有毛細胞から聴神経を経て大脳に伝わり、音として認識される。

適切です。その理由は、聴覚の成立は内耳の感覚細胞と神経伝達によって行われるからです。音の振動は鼓膜、中耳の耳小骨を経て内耳の蝸牛に伝わります。蝸牛の中では振動が有毛細胞を刺激し、その機械的刺激が電気的信号に変換されます。その信号が聴神経を通って脳へ送られ、最終的に大脳で音として認識されます。単に耳に音が入っただけでは音を理解したことにはならず、感覚細胞による変換と中枢神経での処理が必要です。この流れを知っておくと、耳の構造問題にも対応しやすくなります。

(4) 人の聴覚が最も敏感な周波数は、4,000Hz付近である。

適切です。その理由は、人間の耳はすべての周波数に同じ感度を持つわけではなく、特に中高音域で感度が高いからです。一般に人の聴覚は2,000〜5,000Hz付近で感度が高く、その中でも4,000Hz付近は特に敏感とされます。これは会話の聞き取りや危険音の察知にも関係する重要な性質です。騒音評価や聴力の理解では、この周波数帯の感度の高さを知っていると判断しやすくなります。試験では、可聴域の広さと、最も敏感な帯域を分けて覚えることが大切です。

(5) 音声の主要周波数範囲は、100〜4,000Hzである。

適切です。その理由は、人の会話に必要な情報の多くがこの範囲に含まれるからです。人の声そのものはもう少し広い周波数成分を持ちますが、言葉として聞き取るうえで重要な成分は、おおむね100〜4,000Hzの範囲に集中しています。そのため、電話や放送、音声伝送ではこの範囲が重視されます。ビル管理の分野でも、室内環境や騒音、音声の聞き取りやすさを考える際に、この帯域の知識は基礎になります。厳密な音響工学の数値に深入りする必要はありませんが、会話の主要帯域として覚えておくと有効です。

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この問題で覚えるポイント

周波数は1秒間の振動回数を表す量で、単位はHzです。高いほど高音、低いほど低音になります。 波長は波が1周期の間に進む長さです。周波数と波長は別概念で、音速が一定なら周波数が高いほど波長は短くなります。 音の伝達には気導音と骨導音があります。通常の聴取は気導音が中心ですが、骨を通じて内耳へ伝わる骨導音も存在します。 耳の構造は、外耳で音を集め、鼓膜と中耳の耳小骨で振動を伝え、内耳の蝸牛の有毛細胞で電気信号に変換し、聴神経を通じて大脳で認識される流れで理解すると整理しやすいです。 人の可聴域は広いですが、最も敏感なのは中高音域で、特に4,000Hz付近が重要です。 会話音声の主要な周波数帯域は100〜4,000Hz程度です。可聴域全体と、会話に必要な帯域は別物として区別して覚えることが大切です。 試験では、音の物理量、耳の構造、聴覚の感度、会話音域がまとめて問われやすいため、単独知識ではなく関連づけて覚えると正誤判断が安定します。

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ひっかけポイント

最も多い罠は、周波数と波長の混同です。どちらも音波の性質を表すため、似た言葉として曖昧に覚えていると誤ります。回数を示すのが周波数、長さを示すのが波長と切り分けることが重要です。 一部だけ正しい文章にも注意が必要です。たとえば、周波数と波長には関係があるため、何となく正しそうに見えてしまいます。しかし、「関係がある」ことと「同じ意味」であることは別です。このズレが典型的な出題の罠です。 日常感覚では、音は空気で伝わるものという印象が強いため、骨導音の存在を見落としやすいです。ですが、聴覚の仕組みでは骨導音も基本事項です。 聴覚が敏感な周波数と、音声の主要周波数範囲も混同しやすいです。前者は耳の感度の話、後者は会話の成分の話であり、問われている視点が異なります。 このテーマでは、用語の定義を丸暗記するだけでは不十分です。何を表す量なのか、どこで変換されるのか、どの帯域が何に関係するのかを整理して覚えることが、今後の類題対策になります。

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