【ビル管過去問】令和5年度 問題113|給水配管|鋼管・銅管・塩ビ管・ポリエチレン管の接合方法を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|給水および排水の管理第113問

問題

給水設備に用いられる配管とその接合方法との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 合成樹脂ライニング鋼管 ―― ねじ接合(管端防食継手の場合)

(2) 銅管 ―― 差込みろう接合

(3) ステンレス鋼管 ―― メカニカル形接合

(4) 硬質ポリ塩化ビニル管 ―― 融着接合

(5) 架橋ポリエチレン管 ―― メカニカル形接合

ビル管過去問|給水配管|鋼管・銅管・塩ビ管・ポリエチレン管の接合方法を解説

この問題は、給水配管の材質ごとに適した接合方法を正しく対応づけられるかを問う問題です。配管の接合方法は、材質の性質によって決まります。金属管なのか、塩化ビニル系なのか、ポリエチレン系なのかで適切な施工方法が異なるため、名称だけを暗記するのではなく、なぜその接合方法になるのかまで理解しておくことが大切です。正しい組合せは、合成樹脂ライニング鋼管とねじ接合、銅管と差込みろう接合、ステンレス鋼管とメカニカル形接合、架橋ポリエチレン管とメカニカル形接合です。不適当なのは、硬質ポリ塩化ビニル管を融着接合としたものです。硬質ポリ塩化ビニル管は、一般に接着接合が用いられます。

下に移動する

(1) 合成樹脂ライニング鋼管 ―― ねじ接合(管端防食継手の場合)

適切です。合成樹脂ライニング鋼管は、鋼管の内面に樹脂をライニングして耐食性を高めた管です。給水配管では広く用いられてきた材料で、接合にはねじ接合が使われます。ただし、普通のねじ切りをすると管端のライニングが傷みやすく、その部分から腐食が進行するおそれがあります。そこで、管端防食継手を用いて、ねじ部や切断部の防食性能を確保する方法が一般的です。つまり、この選択肢は単に「ねじ接合」としているのではなく、「管端防食継手の場合」と条件を添えており、実務上も妥当な内容です。

(2) 銅管 ―― 差込みろう接合

適切です。銅管は耐食性に優れ、加工性も良いため、給水や給湯配管で用いられます。銅管の代表的な接合方法は、差込みろう接合です。これは継手に管を差し込み、加熱してろう材を流し込み、接合部を一体化させる方法です。銅は熱伝導性が高いため、このような接合法と相性が良く、適切な施工を行えば水密性の高い接合ができます。銅管は見た目が金属管なので、ねじ接合と混同しやすいですが、一般的な接合方法としては差込みろう接合を押さえておくことが重要です。

(3) ステンレス鋼管 ―― メカニカル形接合

適切です。ステンレス鋼管は耐食性が高く、赤水対策や長寿命化の観点から給水設備で採用されることがあります。ステンレス鋼管の接合には、メカニカル形接合がよく用いられます。メカニカル形接合は、ねじを切ったり溶接したりせず、専用継手を用いて機械的に接合する方法です。施工性が良く、現場での作業時間短縮や品質の安定にもつながります。ステンレス鋼管は材質が硬く、施工にも配慮が必要なため、こうした継手方式が適しています。この組合せは正しいです。

(4) 硬質ポリ塩化ビニル管 ―― 融着接合

不適切です。硬質ポリ塩化ビニル管は、給水や排水で広く使われる樹脂管ですが、一般に用いられる接合方法は接着接合です。専用の接着剤を用いて、管と継手を一体化させる方法が基本になります。これに対して融着接合は、熱によって材料同士を溶かして接合する方法で、主にポリエチレン管などで用いられます。硬質ポリ塩化ビニル管は、材質の性質上、通常は融着接合を行いません。ここでは「樹脂管だから熱でつなぐのではないか」と考えてしまうと誤りやすいですが、塩ビ管は接着接合、ポリエチレン管は融着接合という区別が大切です。

(5) 架橋ポリエチレン管 ―― メカニカル形接合

適切です。架橋ポリエチレン管は、柔軟性、耐熱性、耐食性に優れた配管材料で、住宅や建築設備の給水・給湯配管に広く用いられます。接合には、専用継手を用いたメカニカル形接合が採用されます。施工しやすく、曲げやすいという材料特性を活かしながら、確実な接合が可能です。ポリエチレン管という名称から融着接合を連想する方もいますが、架橋ポリエチレン管ではメカニカル形接合が代表的です。材料ごとの標準的な接合法を整理して覚えることが重要です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

給水配管の接合方法は、管の材質ごとに整理して覚えることが大切です。鋼管系はねじ接合、銅管はろう接合、ステンレス鋼管はメカニカル形接合、硬質ポリ塩化ビニル管は接着接合、架橋ポリエチレン管はメカニカル形接合という対応が基本です。特に樹脂管は一括りにせず、塩化ビニル系とポリエチレン系で接合方法が異なることを押さえる必要があります。 合成樹脂ライニング鋼管では、単なるねじ接合ではなく、管端部の防食を考慮した継手が重要です。これはライニングが傷つくと腐食の起点になるためです。銅管では差込みろう接合が基本であり、加熱してろう材を流し込む施工法であることも理解しておくと、他の金属管との違いが見えやすくなります。 また、ステンレス鋼管や架橋ポリエチレン管では、施工性や品質確保の観点からメカニカル形接合が多く用いられます。接合方法は単なる名称暗記ではなく、その材料の硬さ、熱への性質、耐食性、施工性と結びつけて理解すると、類題にも対応しやすくなります。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「樹脂管ならどれも同じような接合方法だろう」と考えてしまう思考の罠にあります。硬質ポリ塩化ビニル管も架橋ポリエチレン管も樹脂製ですが、接合方法は同じではありません。見た目や分類が似ているだけで、材質の性質や施工法は異なります。ここを曖昧に覚えていると、もっともらしい選択肢に引っかかります。 また、「ポリエチレン」という言葉から融着接合を連想しやすい一方で、「塩化ビニル」も同じ樹脂だから熱でつなぐのではないかと誤解しやすい点も狙われています。試験では、このように一部の知識を別の材料にずらして当てはめた選択肢がよく出ます。材質名だけで判断せず、その管の標準的な接合法を一対一で結びつけて覚えることが大切です。 さらに、金属管についても「金属だから全部ねじ接合」と雑に覚えていると危険です。銅管はろう接合、ステンレス鋼管はメカニカル形接合というように、それぞれ異なる代表的接合法があります。試験では、日常感覚でまとめてしまいやすい部分を細かく分けて問うことで、理解の浅さを見抜こうとしています。

次の問題へ