【ビル管過去問】令和5年度 問題109|給水設備|水圧・水質基準・総トリハロメタン・鉛・一般水栓を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|給水および排水の管理第109問

問題

給水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 配水管から給水管に分岐する箇所での配水管の最小動水圧は、150kPa以上を確保する。

(2) 水道法に基づく水質基準における一般細菌の基準値は、1mLの検水で形成される集落数が100以下である。

(3) 水道法に基づく水質基準における総トリハロメタンの基準値は、0.1mg/L以下である。

(4) 水道法に基づく水質基準における鉛及びその化合物の基準値は、0.05mg/L以下である。

(5) 一般水栓における必要水圧は、30kPaである。

ビル管過去問|給水設備|水圧・水質基準・総トリハロメタン・鉛・一般水栓を解説

この問題は、給水設備に関する基本事項として、配水圧、水道法の水質基準、器具使用に必要な水圧をまとめて確認する問題です。正解は(4)で、鉛及びその化合物の基準値を古い数値で示している点が誤りです。ほかの選択肢は、配水管の最小動水圧、一般細菌、総トリハロメタン、一般水栓の必要水圧についての基本知識として適切です。給水分野では、数値基準の入れ替えを狙った問題が非常に多いため、基準値は意味とあわせて整理して覚えることが大切です。

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(1) 配水管から給水管に分岐する箇所での配水管の最小動水圧は、150kPa以上を確保する。

適切です。その理由は、給水管へ安定して水を供給するためには、配水管側で一定以上の動水圧が必要だからです。動水圧とは、実際に水が流れている状態での圧力をいいます。静止しているときの圧力ではなく、使用中の条件で必要な圧力を確保することが重要です。配水管から給水管に分岐する地点で最小動水圧150kPa以上を確保するという考え方は、直結給水を成立させるうえでの基礎になります。ここが不足すると、上階や末端の水栓で十分な吐水が得られず、使用上の支障が生じやすくなります。

(2) 水道法に基づく水質基準における一般細菌の基準値は、1mLの検水で形成される集落数が100以下である。

適切です。その理由は、一般細菌は水の衛生状態をみるための基本的な指標の一つであり、水道法の水質基準では1mLの検水で形成される集落数が100以下とされているからです。一般細菌は、直ちに病原性を示すものだけを意味するわけではありませんが、水の清浄度や処理・管理の適切さを判断する材料になります。ここで大切なのは、一般細菌と大腸菌を混同しないことです。一般細菌は一定数以下であることが基準ですが、大腸菌は検出されないことが求められます。試験ではこの違いがよく問われます。

(3) 水道法に基づく水質基準における総トリハロメタンの基準値は、0.1mg/L以下である。

適切です。その理由は、総トリハロメタンは消毒に用いる塩素と水中の有機物が反応して生成される物質であり、水道水の安全性確保のために基準値が定められているからです。総トリハロメタンの基準値は0.1mg/L以下です。トリハロメタンは消毒の副生成物であり、塩素消毒そのものが悪いという意味ではありません。むしろ塩素消毒は水道水の安全を守るために不可欠です。その一方で、副生成物の発生を抑えながら安全な水質を維持する必要があるため、このような基準が設けられています。給水管理では、消毒と副生成物管理の両立という視点が大切です。

(4) 水道法に基づく水質基準における鉛及びその化合物の基準値は、0.05mg/L以下である。

不適切です。その理由は、鉛及びその化合物の基準値として0.05mg/L以下という数値は古く、現在の水道法に基づく水質基準では、より厳しい0.01mg/L以下が基準となっているからです。鉛は人体への影響が問題となる有害物質であり、特に慢性的な摂取が健康上のリスクにつながるおそれがあります。そのため、給水設備では鉛管の使用や老朽配管の管理にも注意が必要です。この選択肢は、もっともらしい古い基準値を示して受験者を迷わせる典型的な問題です。数値を見たときに、今の基準かどうかまで意識できると強いです。

(5) 一般水栓における必要水圧は、30kPaである。

適切です。その理由は、一般的な水栓を通常どおり使用するためには、最低限必要な圧力として30kPa程度が目安になるからです。水圧が不足すると、水の出が弱くなったり、使用感が悪化したりします。逆に高すぎる圧力は、器具の損耗や水はねなどの原因になることがあります。給水設備では、建物全体に水を届けるだけでなく、末端の器具で適切に使える状態にすることが重要です。したがって、一般水栓の必要水圧30kPaという数値も、実務的な感覚と結びつけて覚えると理解しやすくなります。

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この問題で覚えるポイント

給水設備の問題では、水圧と水質基準の両方が頻出です。まず水圧については、配水管から給水管に分岐する箇所での最小動水圧が150kPa以上、一般水栓に必要な水圧がおおむね30kPaであることを押さえることが重要です。動水圧は実際に流れているときの圧力であり、静水圧とは異なる点も確認しておくと整理しやすいです。 水質基準では、一般細菌は1mL中の集落数が100以下、大腸菌は検出されないこと、総トリハロメタンは0.1mg/L以下、鉛及びその化合物は0.01mg/L以下という数値を正確に覚えることが大切です。特に鉛は古い基準値が紛れ込みやすいため注意が必要です。試験では、単に物質名を問うのではなく、基準値を少しだけずらして誤答を誘う出題が多くみられます。したがって、数値だけを丸暗記するのではなく、衛生上なぜその基準が必要なのかまで理解しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、受験者が知っていそうな基準値を使いながら、古い数値や似た数値を混ぜている点にあります。特に鉛の基準値は、過去の知識のまま覚えていると誤りに気づきにくいです。つまり、知識がない人よりも、中途半端に古い知識がある人のほうが引っかかりやすいタイプの問題です。 また、水質基準の問題では、一般細菌、大腸菌、トリハロメタン、重金属のように性質の異なる項目が並ぶため、用語だけで判断すると混乱しやすいです。一般細菌は数で規定され、大腸菌は不検出、化学物質はmg/Lで基準化されるというように、何をどの単位で管理しているかまでセットで覚える必要があります。数値だけを見るのではなく、その項目が細菌なのか化学物質なのかを先に見分ける習慣をつけると、同じパターンの問題に強くなれます。

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