【ビル管過去問】令和5年度 問題33|音の基礎|周波数・聴覚伝達(気導)・聴力検査を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|建築物の環境衛生第33問

問題

音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 音は最終的に聴神経を経て大脳に伝わり音として認識される。

(2) 同じ音でも、聞く人によって、快適な音になったり、騒音になったりする。

(3) ヒトが聞き取ることができる音の周波数帯は、およそ20Hz〜20kHz程度と言われている。

(4) 音の伝達において気導とは、空気の振動による音が鼓膜を通じて伝達されることである。

(5) 騒音職場などの定期健康診断における聴力検査では、スクリーニングとして500Hzと2,000Hzの聴力レベルが測定される。

ビル管過去問|音の基礎|周波数・聴覚伝達(気導)・聴力検査を解説

この問題は、音の基本性質、耳で音を聞く仕組み、そして騒音業務に関係する聴力検査の基礎知識を確認する問題です。前半の選択肢は音と聴覚の一般知識、最後の選択肢は労働衛生上の実務知識を問う内容です。正しい選択肢は(1)から(4)で、最も不適当なのは(5)です。特に試験では、可聴周波数の目安と、健康診断で使われる聴力検査の周波数の違いがひっかけになりやすいので、そこを区別して覚えることが大切です。

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(1) 音は最終的に聴神経を経て大脳に伝わり音として認識される。

適切です。音は空気の振動として耳に入り、鼓膜や耳小骨を介して内耳へ伝わります。そこで振動が電気信号に変換され、聴神経を通って脳へ伝えられます。最終的には大脳で処理されて、私たちはそれを「音」として認識します。単に耳に届いただけではなく、脳で情報処理されてはじめて「聞こえた」といえる点が重要です。

(2) 同じ音でも、聞く人によって、快適な音になったり、騒音になったりする。

適切です。騒音は、単に音の大きさだけで決まるものではありません。音を聞く人の年齢、体調、作業内容、心理状態、生活環境、好みなどによって、同じ音でも心地よく感じる場合と、不快に感じる場合があります。たとえば音楽でも、好きな人には快い音ですが、勉強中や睡眠中の人には騒音になることがあります。このように、騒音には物理的側面だけでなく、人の感じ方という心理的側面もあります。これは環境衛生分野でよく問われる基本的な考え方です。

(3) ヒトが聞き取ることができる音の周波数帯は、およそ20Hz〜20kHz程度と言われている。

適切です。ヒトの可聴域は一般におよそ20Hzから20,000Hzとされます。20Hzに近いほど低い音、20kHzに近いほど高い音です。ただし、これはあくまで目安であり、年齢や個人差によって実際に聞こえる範囲は変わります。特に高い周波数は加齢とともに聞き取りにくくなる傾向があります。試験では「可聴域のおおよその範囲」としてこの数値がよく問われます。

(4) 音の伝達において気導とは、空気の振動による音が鼓膜を通じて伝達されることである。

適切です。気導とは、空気中を伝わった音が耳介から外耳道へ入り、鼓膜を振動させ、その振動が耳小骨を経て内耳へ伝わる経路のことです。私たちが通常「聞く」ときの音の伝わり方はこの気導です。これに対して骨導は、頭蓋骨の振動が直接内耳に伝わる経路です。試験では、気導と骨導の違いを混同しないことが大切です。気導は空気の振動を介する伝達、骨導は骨の振動を介する伝達です。

(5) 騒音職場などの定期健康診断における聴力検査では、スクリーニングとして500Hzと2,000Hzの聴力レベルが測定される。

不適切です。その理由は、騒音職場などで行う選別聴力検査の代表的な周波数は500Hzと2,000Hzではなく、1,000Hzと4,000Hzだからです。特に4,000Hzは騒音性難聴の早期変化が現れやすい周波数として重要です。500Hzと2,000Hzという組み合わせは、一見もっともらしく見えますが、騒音業務に関する定期健康診断のスクリーニング周波数としては誤りです。したがって、この選択肢が最も不適当です。

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この問題で覚えるポイント

音は空気の振動であり、耳に入った振動は鼓膜、耳小骨、内耳を経て電気信号に変換され、聴神経を通って大脳で認識されます。通常の聞こえ方は気導であり、空気の振動が鼓膜を介して伝わる経路です。これに対して骨導は、頭蓋骨の振動が直接内耳に伝わる経路です。可聴域は一般に20Hz〜20kHz程度と覚えますが、これは個人差や年齢差がある目安の数値です。さらに、騒音業務に関する健康診断では、選別聴力検査として1,000Hzと4,000Hzが重要です。特に4,000Hzは騒音性難聴の発見に関わるため、試験でも頻出です。数値問題では、可聴域の20Hz〜20kHzと、健康診断の1,000Hz・4,000Hzを混同しないことが得点につながります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、もっともらしい周波数を並べて受験者の記憶をあいまいにさせる点にあります。500Hzや2,000Hzも聴力検査で見かける数字なので、なんとなく正しそうに見えてしまいます。しかし、騒音職場の選別聴力検査で押さえるべき組み合わせは1,000Hzと4,000Hzです。また、気導と骨導の違いも混同しやすく、音が鼓膜を通る通常の経路が気導であることを正確に理解していないと迷います。さらに、可聴域の20Hz〜20kHzはよく知られた数字ですが、これと健康診断で使う周波数はまったく別の知識です。試験では「聞こえる範囲の数字」と「検査に使う数字」をわざと近い話として並べてくることがあるので、場面ごとに数字を整理して覚えることが大切です。

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