【ビル管過去問】令和4年度 問題177|第2世代抗凝血性殺鼠剤 ブロマジオロン・ジフェチアロールの特徴を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|ねずみ、昆虫等の防除第177問

問題

下記のA〜Dの記述全てに当てはまる殺鼠(そ)剤の有効成分は、次のうちどれか。 A:1回の摂取でも効果が得られる。 B:第2世代の抗凝血性殺鼠剤である。 C:ワルファリンに抵抗性を示すネズミ対策用に開発された。 D:建築物衛生法に基づく特定建築物内での使用が認められている。

(1) リン化亜鉛

(2) ブロマジオロン

(3) クマテトラリル

(4) ジフェチアロール

(5) シリロシド

ビル管過去問|第2世代抗凝血性殺鼠剤ジフェチアロールの特徴を解説

この問題は、殺鼠剤の有効成分ごとの特徴、とくに第2世代抗凝血性殺鼠剤の性質と、建築物衛生法に基づく特定建築物内での使用可否を正しく理解しているかを問う問題です。A〜Dの全ての条件を満たすのはジフェチアロールであり、選択肢の中ではこれが正解となります。ジフェチアロールは第2世代の抗凝血性殺鼠剤で、ワルファリン抵抗性ネズミにも有効であり、少量の1回摂取でも致死効果が期待でき、特定建築物内での使用も認められています。他の選択肢は、一部の条件は満たしていても、全ての条件を同時に満たさない点がポイントです。

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(1) リン化亜鉛

不適切です。リン化亜鉛は急性毒の殺鼠剤であり、抗凝血性殺鼠剤ではありません。少量の1回摂取で致死効果が得られるという点ではAの条件に合致しますが、Bの「第2世代の抗凝血性殺鼠剤」には該当しません。また、ワルファリン抵抗性ネズミ対策として開発された薬剤でもなく、Cの条件も満たしません。したがって、A〜D全ての条件を満たす有効成分として選ぶことはできず、不適切となります。

(2) ブロマジオロン

不適切です。ブロマジオロンは第2世代のクマリン系抗凝血性殺鼠剤であり、ワルファリン抵抗性ネズミにも有効という点で、BとCの条件には合致します。また、少ない回数の摂取で効果が得られることから、Aの条件にもおおむね対応します。しかし、ブロマジオロンは畜舎などで用いられる動物用医薬部外品としての位置づけが中心であり、建築物衛生法に基づく特定建築物内での使用は認められていません。そのため、Dの条件を満たさず、A〜D全てに当てはまる成分としては不適切です。

(3) クマテトラリル

不適切です。クマテトラリルはクマリン系の抗凝血性殺鼠剤ですが、第1世代に分類される薬剤です。第1世代の抗凝血性殺鼠剤は、少量を長期間連続して摂取させることで効果を発揮する慢性毒であり、1回の摂取で確実な致死効果を期待するタイプではありません。このため、Aの「1回の摂取でも効果が得られる」とBの「第2世代の抗凝血性殺鼠剤である」の両方の条件を満たしません。また、ワルファリン抵抗性ネズミ対策として開発された薬剤でもないため、Cの条件にも合致しません。したがって、A〜D全てに当てはまる成分としては不適切です。

(4) ジフェチアロール

適切です。ジフェチアロールは第2世代の抗凝血性殺鼠剤であり、少量の1回摂取でも高い致死効果が得られることが特徴です。この点でAの条件を満たします。また、第2世代抗凝血性殺鼠剤として、ワルファリンに抵抗性を示すネズミにも有効であるように開発されており、Cの条件にも合致します。さらに、ジフェチアロールを有効成分とする製剤は、防除用医薬部外品として建築物衛生法に基づく特定建築物内での使用が認められており、Dの条件も満たします。以上より、A〜D全ての記述に当てはまる有効成分はジフェチアロールであり、この選択肢が正解です。

(5) シリロシド

不適切です。シリロシドは、殺鼠剤の有効成分として一般的に用いられる名称ではなく、第2世代抗凝血性殺鼠剤としても位置づけられていません。そのため、Bの「第2世代の抗凝血性殺鼠剤である」という条件を満たしません。また、ワルファリン抵抗性ネズミ対策用に開発されたという情報もなく、Cの条件にも合致しません。建築物衛生法に基づく特定建築物内での使用が認められている有効成分としても代表的ではないため、Dの条件も満たさないと考えられます。したがって、A〜D全てに当てはまる成分としては不適切です。

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この問題で覚えるポイント

殺鼠剤の有効成分については、第1世代抗凝血性殺鼠剤、第2世代抗凝血性殺鼠剤、急性毒など、作用機序と世代区分を整理して覚えることが重要です。第1世代抗凝血性殺鼠剤は、ワルファリンやクマテトラリルのように、少量を数日から1週間程度連続して摂取させることで効果を発揮する慢性毒であり、ワルファリン抵抗性ネズミの出現が問題となりました。これに対して、第2世代抗凝血性殺鼠剤は、ブロマジオロンやジフェチアロールのように、少量の1回または少数回の摂取で致死効果が得られ、ワルファリン抵抗性ネズミにも有効であることが特徴です。また、リン化亜鉛のような急性毒は、1回の摂取で致死効果が得られますが、抗凝血性ではなく、作用機序も異なります。さらに、建築物衛生法に基づく特定建築物内で使用が認められているかどうかも試験で問われやすいポイントです。第2世代抗凝血性殺鼠剤のうち、ジフェチアロールは特定建築物内での使用が認められていますが、ブロマジオロンは認められていないという違いを押さえておくと、正誤判断に直結します。このように、有効成分名と世代区分、作用回数、ワルファリン抵抗性への有効性、特定建築物内での使用可否をセットで整理しておくと、同テーマの問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、第2世代抗凝血性殺鼠剤として有名なブロマジオロンとジフェチアロールを並べ、どちらも「ワルファリン抵抗性ネズミに有効」「少ない回数の摂取で効果がある」という共通点を持たせている点にあります。受験者は、第2世代抗凝血性殺鼠剤と聞くとブロマジオロンを先に思い浮かべやすく、そのまま選んでしまうことがあります。しかし、この問題では「建築物衛生法に基づく特定建築物内での使用が認められている」というDの条件が決め手になっており、ここでジフェチアロールとブロマジオロンが分かれます。また、リン化亜鉛は「1回の摂取で致死」というイメージが強いため、Aだけを見ると正しそうに感じますが、抗凝血性ではないためBの条件を満たさないという点を見落としやすいです。さらに、クマテトラリルは抗凝血性殺鼠剤であるものの第1世代であり、「抗凝血性=第2世代」と短絡的に結びつけてしまうと誤答につながります。このように、薬剤名と特徴をあいまいなイメージで覚えていると、部分的に正しい情報に引きずられて誤った選択肢を選びやすくなります。今後同様の問題に対応するためには、「第1世代か第2世代か」「急性毒か抗凝血性か」「特定建築物内で使用可能か」という軸で整理し、単なる名前の暗記ではなく、分類と特徴をセットで思い出せるようにしておくことが大切です。

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