【ビル管過去問】令和4年度 問題59|エアロゾル粒子 粒径の比較 たばこ煙・ミスト・粉じんを解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|空気環境の調整第59問

問題

エアロゾル粒子の一般的な粒径として、最も小さいものは次のうちどれか。

(1) 噴霧液滴

(2) 硫酸ミスト

(3) セメントダスト

(4) フライアッシュ

(5) たばこ煙

ビル管過去問|エアロゾル粒子 粒径の比較 たばこ煙・ミスト・粉じんを解説

この問題は、代表的なエアロゾル粒子の粒径の大小関係を問う問題です。エアロゾルには液体粒子であるミストや、固体粒子である粉じん、煙などがあり、それぞれ一般的な粒径の範囲が異なります。正答は(5)たばこ煙です。たばこ煙は燃焼によって生じる非常に微細な粒子であり、一般に他の選択肢よりも粒径が小さいことが特徴です。試験では、名称だけでなく、発生の仕組みと粒径の傾向を結びつけて覚えることが重要です。

下に移動する

(1) 噴霧液滴

不適切です。噴霧液滴は、液体を機械的に細かくして空気中に分散させた粒子です。スプレーや加湿器などで生じる粒子がこれにあたり、一般には比較的大きな粒径を持ちます。液体をちぎって作る粒子であるため、燃焼や凝縮で生じる微粒子より大きくなりやすいです。そのため、選択肢の中で最も小さいものとはいえません。

(2) 硫酸ミスト

不適切です。硫酸ミストは、硫酸を含む液体微粒子であり、かなり小さい粒子として存在することがあります。ただし、一般的な粒径としては、たばこ煙のような燃焼由来の超微粒子より大きいと考えるのが基本です。ミストという言葉から細かい印象を持ちやすいですが、試験では「液滴」と「煙」の違いを意識することが大切です。液体粒子であるミストは十分小さいこともありますが、典型的には煙よりやや大きい側に位置づけられます。

(3) セメントダスト

不適切です。セメントダストは、セメントの取扱いや加工で発生する固体の粉じんです。粉じんは機械的な破砕や飛散で生じることが多く、粒径は比較的大きめです。もちろん微細な粒子も含まれますが、全体としては煙のような燃焼生成粒子より粗大なものが多いです。そのため、一般的な粒径として最も小さいものには該当しません。

(4) フライアッシュ

不適切です。フライアッシュは、石炭燃焼などで生じる灰のうち、排ガスに乗って飛散する微粒子です。燃焼由来であるため細かい粒子ではありますが、一般にはたばこ煙よりは大きい粒径範囲に分布します。受験上は、フライアッシュは「細かい粉体」、たばこ煙は「さらに微細な煙粒子」と整理すると理解しやすいです。したがって、最も小さいものではありません。

(5) たばこ煙

適切です。たばこ煙は、たばこの燃焼や熱分解によって生じる非常に微細な固体粒子や液体粒子を含む煙です。一般に粒径はきわめて小さく、サブミクロン領域に多く分布します。サブミクロンとは1μm未満の領域を指し、このレベルになると空気中に長く浮遊しやすく、肺の深部まで到達しやすいという特徴があります。このため、選択肢の中ではたばこ煙が最も小さい粒径をもつものとして適切です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

エアロゾルとは、空気中に浮遊する固体粒子または液体粒子の総称です。代表例として、粉じん、煙、ミストがあります。粉じんは固体の破砕や飛散で生じるため比較的粒径が大きくなりやすく、煙は燃焼によって生じるため非常に微細です。ミストは液体が分散した粒子で、細かいものもありますが、典型的には煙より大きいと整理すると解きやすいです。試験では、たばこ煙のような燃焼由来粒子は極めて小さく、肺胞領域まで到達しやすいことが重要です。粒径が小さいほど空気中に長く浮遊しやすく、呼吸器への影響も大きくなりやすいです。逆に粒径が大きい粒子は比較的早く沈降しやすいです。したがって、発生源と粒径の関係をセットで覚えることが正誤判断に直結します。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「細かそうに見える名前」に引きずられる点です。たとえばミストという言葉には霧のような細かい印象があり、硫酸ミストを最小と誤認しやすいです。しかし、試験では印象ではなく、発生機構による粒径の傾向で判断する必要があります。燃焼で生じる煙は、機械的に生じる粉じんや液滴よりも微細になりやすいという原則を押さえることが重要です。また、フライアッシュも燃焼由来なので迷いやすいですが、たばこ煙のほうがさらに微細です。このように、「燃焼由来だから全部同じくらい小さい」と雑に覚えると誤答しやすくなります。名称の雰囲気ではなく、粉じんなのか、ミストなのか、煙なのかという分類から考える習慣をつけることが大切です。

次の問題へ