【ビル管過去問】令和4年度 問題54|換気方式の種類 混合換気・一方向換気・第1種第2種第3種換気を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|空気環境の調整第54問

問題

換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 混合方式は、室内に供給する清浄空気と室内空気を十分に混合・希釈する方式である。

(2) 一方向方式は、清浄空気をピストンのように一方向の流れとなるように室内に供給し、排気口へ押し出す方式である。

(3) 第2種換気は、自然給気口と機械排気による換気である。

(4) 局所換気は、汚染物質が発生する場所を局所的に換気する方法である。

(5) 機械換気は、自然換気に比べて適切な換気を計画することが容易である。

ビル管過去問|換気方式の種類 混合換気・一方向換気・第1種第2種第3種換気を解説

この問題は、換気方式の基本的な分類と、それぞれの特徴を正確に理解しているかを問う問題です。正しい選択肢は、混合方式を説明した(1)、一方向方式を説明した(2)、局所換気を説明した(4)、機械換気の特徴を述べた(5)です。誤っているのは(3)で、第2種換気は自然給気口と機械排気ではなく、機械給気と自然排気による換気です。第1種、第2種、第3種換気は、給気と排気のどちらを機械で行うかを整理して覚えることが重要です。

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(1) 混合方式は、室内に供給する清浄空気と室内空気を十分に混合・希釈する方式である。

適切です。混合方式は、室内に取り入れた清浄な空気を室内空気とよく混ぜ合わせることで、室全体の汚染物質濃度を平均化し、薄めることを目的とした換気方式です。一般的な空調換気ではこの考え方が広く使われています。局所的にきれいな空気の層をつくるのではなく、室全体をなるべく均一な状態に近づけるのが特徴です。そのため「混合」と「希釈」という言葉が入っていれば、混合換気の説明として正しいと判断しやすいです。

(2) 一方向方式は、清浄空気をピストンのように一方向の流れとなるように室内に供給し、排気口へ押し出す方式である。

適切です。一方向方式は、清浄空気を一定方向に流し、室内の汚染空気を押し出すように排気する方式です。乱れの少ない流れをつくり、汚染物質を効率よく下流側へ運ぶことを狙います。この方式は手術室やクリーンルームなど、高い清浄度が求められる場所で重要です。「ピストン流」という表現は一方向方式の典型的な説明であり、空気を押し流して排気するという理解ができていれば正しく判断できます。

(3) 第2種換気は、自然給気口と機械排気による換気である。

不適切です。これは第3種換気の説明です。第2種換気は、機械給気と自然排気によって行う換気方式で、室内を正圧にしやすい特徴があります。外からの汚染空気や粉じんの侵入を防ぎたい場所で用いられます。一方で、自然給気口と機械排気による換気は第3種換気であり、室内は負圧になりやすく、臭気や汚染物質を外へ漏らしにくくする目的で使われます。この問題では、第2種換気と第3種換気の組合せを入れ替えて受験者を惑わせています。ここは「第2種は機械給気」「第3種は機械排気」と整理して覚えることが大切です。

(4) 局所換気は、汚染物質が発生する場所を局所的に換気する方法である。

適切です。局所換気は、室全体を換気するのではなく、汚染物質が発生する源の近くで直接捕集し、排出する方法です。たとえば有害ガス、蒸気、粉じんなどが発生する場所では、室内全体に広がってから除去するより、発生源付近で吸い込むほうが効率的です。混合換気が「室内全体を薄める」考え方であるのに対し、局所換気は「発生源で捕まえる」考え方です。この違いは試験でもよく問われます。

(5) 機械換気は、自然換気に比べて適切な換気を計画することが容易である。

適切です。機械換気は、送風機や排風機などの設備によって給気量や排気量をある程度意図したとおりに設定できるため、自然換気よりも計画的で安定した換気がしやすいです。自然換気は風向や風速、外気温と室温の差など、気象条件の影響を強く受けるため、必要換気量を常に安定して確保するのが難しい場合があります。そのため、確実に換気量を確保したい建築物では機械換気が重要になります。「計画しやすい」「制御しやすい」という点が機械換気の大きな利点です。

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この問題で覚えるポイント

換気方式は、まず全般換気と局所換気に分けて整理すると理解しやすいです。全般換気は室全体の空気を入れ替えたり希釈したりする考え方で、混合方式と一方向方式が代表です。混合方式は清浄空気と室内空気をよく混ぜて汚染濃度を下げる方式であり、一般的な室内で広く用いられます。一方向方式は空気を一定方向へ流して汚染空気を押し出す方式で、クリーンルームや手術室のように清浄度が重視される場所で使われます。局所換気は、汚染物質の発生源を直接ねらって排出する方式で、有害物質対策として非常に重要です。 第1種、第2種、第3種換気は、機械で給気するか、機械で排気するか、その両方かで区別します。第1種換気は機械給気と機械排気です。第2種換気は機械給気と自然排気です。第3種換気は自然給気と機械排気です。第2種換気は室内を正圧にしやすく、外気の侵入を防ぎたい場所に向きます。第3種換気は室内を負圧にしやすく、臭気や有害物質が外へ漏れにくい特徴があります。この正圧と負圧の違いまで結びつけて覚えると、実務的にも試験対策としても強くなります。 機械換気と自然換気の違いも重要です。自然換気は風力や温度差を利用するため省エネルギー性はありますが、外部条件の影響を受けやすく安定性に欠けます。機械換気は設備が必要ですが、換気量を調整しやすく、必要な換気を計画的に確保しやすい点が強みです。試験では、方式の名称だけでなく、どの場面で有利か、どんな空気の流れをつくるかまで問われることがあります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、第2種換気と第3種換気の入れ替えです。受験者は「自然給気口と機械排気」という表現を見ると、何となく換気として自然に感じてしまい、そのまま正しいと思い込みやすいです。しかし、換気の分類は日常感覚ではなく、給気と排気のどちらを機械で行うかという定義で決まります。つまり、言葉の雰囲気ではなく、分類のルールで判断しなければなりません。 また、混合方式と一方向方式も、どちらも空気を供給して排気するので似て見えますが、決定的な違いは「混ぜるか」「押し流すか」です。ここを曖昧に覚えていると、文章の一部だけが正しい選択肢に引っかかりやすくなります。さらに、局所換気と全般換気も、どちらも換気であるため混同しやすいですが、室全体を対象にするのか、発生源を対象にするのかという目的の違いを意識することが重要です。 今後も同じパターンの問題では、名称の響きや日常的なイメージで判断せず、定義をそのまま思い出して照合することが正答への近道です。特に第1種、第2種、第3種換気は、給気と排気の機械・自然の組合せを頭の中で瞬時に再現できるようにしておくと、安定して得点できます。

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