【ビル管過去問】令和3年度 問題162|建築物内廃棄物の貯留搬出方式|容器方式・コンパクタ方式・真空収集を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|清掃第162問

問題

建築物内廃棄物の貯留·搬出方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 真空収集方式は、広域大規模開発地域に導入されている。

(2) 容器方式は、コンパクタ·コンテナ方式より作業性に優れている。

(3) 貯留·排出機方式は、廃棄物を圧縮·貯留し、パッカー車に自動的に積み替えて搬出する。

(4) コンパクタ·コンテナ方式は、圧縮機により圧縮·貯留し、コンテナごとトラックで搬出する。

(5) 容器方式は、他の方式と比較して広い設置スペースが必要になる。

 

 

 

ビル管過去問|建築物内廃棄物の貯留搬出方式を解説

この問題は、建築物内で発生する廃棄物をどのように貯留し、どのように搬出するかという各方式の特徴を問う問題です。不適当は(2)で、容器方式は構造が比較的単純で導入しやすい一方、作業性の面ではコンパクタ・コンテナ方式や貯留・排出機方式より不利になりやすいです。各方式について、圧縮の有無、搬出方法、必要スペース、作業負担の違いを整理して覚えることが重要です。

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(1) 真空収集方式は、広域大規模開発地域に導入されている。

適切です。真空収集方式は、配管内を負圧にして廃棄物を収集拠点まで輸送する方式です。多数の建物が集まる大規模開発地域や再開発地区などで導入されることがあり、個別にごみ収集車を頻繁に出入りさせる必要を減らせる点が特徴です。設備費は高くなりますが、景観や衛生面、収集作業の効率化に役立つため、広域的・計画的に整備される地域で採用されます。

(2) 容器方式は、コンパクタ·コンテナ方式より作業性に優れている。

不適切です。容器方式は、ごみを容器に入れて人力または比較的単純な方法で搬出する方式です。設備が簡単で小規模建築物では扱いやすい反面、容器の交換や運搬、積込みに人の手が多くかかるため、作業性が特に優れているとはいえません。これに対してコンパクタ・コンテナ方式は、ごみを圧縮して容積を減らし、コンテナ単位で効率よく搬出できるため、大量の廃棄物を扱う建築物では作業負担を軽減しやすいです。この選択肢は、導入のしやすさと作業性の良さを混同させるひっかけです。

(3) 貯留·排出機方式は、廃棄物を圧縮·貯留し、パッカー車に自動的に積み替えて搬出する。

適切です。貯留・排出機方式は、建築物内で発生した廃棄物を機械的に圧縮して貯留し、搬出時にはパッカー車へ効率的に積み替えられる方式です。廃棄物のかさを減らせるため保管効率が高く、搬出時の作業も省力化しやすいです。特に排出量の多い建築物では、衛生面の改善や収集作業時間の短縮にもつながります。

(4) コンパクタ·コンテナ方式は、圧縮機により圧縮·貯留し、コンテナごとトラックで搬出する。

適切です。コンパクタ・コンテナ方式は、圧縮機で廃棄物を圧縮しながらコンテナ内に貯留し、そのコンテナ自体をトラックで搬出する方式です。圧縮によって貯留効率が高まり、悪臭や飛散の抑制にも役立ちます。また、収集時に内容物を細かく積み替える必要が少なく、収集作業を効率化できます。大規模建築物や廃棄物排出量の多い施設で有効な方式です。

(5) 容器方式は、他の方式と比較して広い設置スペースが必要になる。

適切です。容器方式は圧縮機能を持たないため、同じ量の廃棄物を保管するにはそのままのかさで置いておく必要があります。そのため、圧縮して容積を小さくできるコンパクタ・コンテナ方式や貯留・排出機方式に比べると、より広い保管スペースが必要になりやすいです。特に廃棄物発生量が多い建築物では、この差が大きくなります。容器方式は設備が簡単という利点がある一方で、スペース効率では不利です。

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この問題で覚えるポイント

建築物内廃棄物の貯留・搬出方式は、圧縮するかどうか、搬出時に積み替えが必要かどうか、どれだけ省力化できるかで整理すると理解しやすいです。容器方式は構造が単純で導入しやすい反面、圧縮しないため保管効率が低く、作業負担も大きくなりやすいです。したがって、小規模施設には向いていても、大量排出施設では不利になりやすいです。 コンパクタ・コンテナ方式は、圧縮してコンテナに貯留し、そのコンテナごと搬出する方式です。圧縮によって容積を減らせるため、設置スペースを有効に使いやすく、搬出も効率的です。貯留・排出機方式は、圧縮・貯留したごみをパッカー車へ積み替えて搬出する方式で、搬出作業の省力化に優れています。それぞれ搬出の仕組みは異なりますが、いずれも容器方式より大量処理に向いています。 真空収集方式は、個別建物というより、再開発地域や広域大規模開発地域などで計画的に導入される方式として押さえることが大切です。試験では、各方式の名称だけでなく、どのように貯留し、どのように搬出するのかまで結び付けて覚えると正誤判断しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題では、設備が簡単で扱いやすいことと、作業性が高いことを同じ意味のように見せている点がひっかけです。容器方式は単純でわかりやすいため、一見すると使いやすく、作業もしやすいように感じます。しかし実際には、圧縮機能がなく、人手による運搬や積込みの負担が大きくなりやすいため、作業性が高いとはいえません。 また、圧縮できる方式は機械設備があるため複雑に見えますが、試験ではその複雑さよりも、廃棄物量の削減、省スペース性、搬出効率の高さが重視されます。日常感覚では単純な仕組みのほうが扱いやすいと思いがちですが、試験では大量処理や省力化の観点で比較する必要があります。この視点の切り替えができるかどうかが、正答に直結します。

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