出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|清掃第156問
問題
ごみの処理過程に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 分別は、発生・排出元で、あらかじめ区分することであり、再生(リサイクル)を進める上で重要となる。
(2) 保管は、次の処理過程に移るまでの間、一時的に保管することであり、衛生害虫の発生防止などに留意する。
(3) 収集・運搬では、飛散防止、悪臭防止等に留意する。
(4) 再生(リサイクル)は、主にごみを再び製品の原料などの有用物として資源化することである。
(5) 最終処分には、焼却を行ってごみを減量化することが含まれる。
ビル管過去問|ごみ処理過程の基礎知識|分別・保管・収集運搬・最終処分を解説
この問題は、ごみ処理の流れの中で、それぞれの処理段階がどのような意味を持つかを正しく理解しているかを問う問題です。分別、保管、収集運搬、再生、最終処分は、それぞれ役割が異なります。(5)は不適切です。焼却は中間処理に当たり、最終処分ではありません。最終処分とは、処理後に残ったものを埋立てなどによって最終的に処分する段階を指します。ごみ処理の各工程を順序立てて整理して覚えることが、正答への近道です。

(1) 分別は、発生・排出元で、あらかじめ区分することであり、再生(リサイクル)を進める上で重要となる。
適切です。分別とは、ごみが発生した場所や排出する段階で、あらかじめ種類ごとに分けることです。例えば、可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみなどに分けることがこれに当たります。分別が適切に行われることで、再利用できるものが資源として回収しやすくなり、リサイクルの効率が高まります。逆に、混合したままだと資源化しにくくなり、再生可能なものまで焼却や埋立てに回されるおそれがあります。そのため、分別はごみ処理の最初の重要な工程です。
(2) 保管は、次の処理過程に移るまでの間、一時的に保管することであり、衛生害虫の発生防止などに留意する。
適切です。保管とは、ごみを収集や搬出など次の工程に移すまでの間、一時的に置いておくことです。この段階では、臭気の発生や腐敗、ねずみやハエなどの衛生害虫の発生を防ぐことが重要です。特に生ごみを含む場合は、密閉性や清掃性に配慮した保管容器や保管場所の管理が求められます。保管は単に置いておく行為ではなく、周囲の衛生環境を悪化させないように管理する工程であることを理解しておくことが大切です。
(3) 収集・運搬では、飛散防止、悪臭防止等に留意する。
適切です。収集・運搬は、ごみを保管場所から中間処理施設や処分施設へ移動させる工程です。このとき、ごみが道路上に飛び散ったり、悪臭が周辺に広がったりすると、生活環境や公衆衛生に悪影響を与えます。そのため、容器や車両の構造、積載方法、運搬経路の管理などにより、飛散防止や悪臭防止に配慮する必要があります。ごみ処理は単に運ぶだけではなく、周辺環境への影響を抑えながら安全かつ衛生的に行うことが求められます。
(4) 再生(リサイクル)は、主にごみを再び製品の原料などの有用物として資源化することである。
適切です。再生、すなわちリサイクルとは、不要になったものをそのまま廃棄するのではなく、再び製品の原料や別の有用物として活用することです。例えば、古紙を再生紙の原料にしたり、空き缶を金属資源として再利用したりすることが該当します。ごみの減量化だけでなく、資源の有効利用や環境負荷の低減にもつながるため、現代の廃棄物処理では非常に重要な考え方です。再生は焼却や埋立てとは異なり、ごみを資源として捉える処理です。
(5) 最終処分には、焼却を行ってごみを減量化することが含まれる。
不適切です。焼却によってごみを減量化する処理は、最終処分ではなく中間処理に当たります。中間処理とは、ごみをそのまま最終処分する前に、減量化、安定化、無害化などを目的として行う処理のことです。焼却は代表的な中間処理であり、ごみの量を減らして衛生的に扱いやすくする役割があります。一方、最終処分とは、中間処理後に残った焼却灰や処理残渣などを埋立て処分するような、最終的な処理段階を指します。つまり、焼却と最終処分は別の工程であり、ここを混同しないことが重要です。
この問題で覚えるポイント
ごみ処理の流れは、分別、保管、収集運搬、中間処理、再生、最終処分という各段階の役割を区別して理解することが大切です。分別は発生・排出の段階であらかじめ種類ごとに分けることで、リサイクル推進の出発点になります。保管は次の工程までの一時的な管理であり、臭気や衛生害虫の発生防止が重要です。収集運搬では飛散防止、流出防止、悪臭防止など周辺環境への配慮が必要です。再生はごみを原料などの有用物として資源化する工程であり、廃棄ではなく有効利用の考え方です。中間処理は焼却、破砕、圧縮、脱水などによって減量化、安定化、無害化を図る工程であり、最終処分の前段階に位置づけられます。最終処分は、こうした処理後に残ったものを埋立てなどで最終的に処分することです。試験では、焼却は最終処分ではなく中間処理であること、最終処分は埋立てが中心であることを明確に区別して覚えることが重要です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、焼却という行為がごみ処理の終わりに見えやすいため、最終処分と誤認しやすい点にあります。日常感覚では、ごみを燃やせば処理が終わったように感じますが、専門的には焼却後にも焼却灰や残渣が残るため、まだ処理は完了していません。つまり、焼却は量を減らすための途中工程であり、最終処分ではないのです。また、分別、保管、収集運搬、再生はいずれも説明として自然で正しく見えるため、最後の選択肢も同じ流れで正しいと思い込んでしまう危険があります。試験では、このように処理工程の順番や役割を入れ替えて問う出題がよくあります。言葉の印象ではなく、その工程が何を目的とする段階なのかを基準に判断することが大切です。