【ビル管過去問】令和3年度 問題109|水道施設の基礎知識|地表水・地下水・導水施設・給水装置を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|給水および排水の管理第109問

問題

水道施設等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 市又は特別区の専用水道及び簡易専用水道は、当該市長又は特別区長が指導監督を行う。

(2) 地表水は、伏流水と比較して、水量及び水質の変化が大きい。

(3) 深層地下水は、地表からの汚染を受けにくく、水質は安定しているが、管の腐食を生ずることがある。

(4) 導水施設とは、浄水施設で処理された水を配水施設まで送る施設のことである。

(5) 水道法で規定する給水装置とは、需要者に水を供給するために、水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具のことである。

ビル管過去問|水道施設の基礎知識|地表水・地下水・導水施設・給水装置を解説

この問題は、水道施設の構成や用語の定義、水源ごとの特徴、水道行政上の監督主体について理解しているかを問う問題です。正答は(4)で、導水施設の定義が誤っています。導水施設は、取水施設から原水を浄水場へ送るための施設です。一方、浄水処理後の水を配水施設へ送るのは送水施設です。このように、水道施設では似た役割の用語が多いため、それぞれがどの段階の水を扱うのかを整理して覚えることが大切です。また、地表水と地下水の性質の違いや、給水装置の定義もよく出る基本事項なので、丁寧に押さえておきたいところです。

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(1) 市又は特別区の専用水道及び簡易専用水道は、当該市長又は特別区長が指導監督を行う。

適切です。その理由は、水道法上、一定の権限は都道府県知事だけでなく、保健所を設置する市や特別区の長にも委ねられているためです。専用水道や簡易専用水道は、利用者の健康に直結する施設であり、地域の保健衛生行政の中で指導監督が行われます。受験対策としては、水道行政の主体を一律に都道府県知事と覚えてしまうと誤りやすいため、保健所設置市や特別区の長が関与する場面もあることを整理しておくことが大切です。

(2) 地表水は、伏流水と比較して、水量及び水質の変化が大きい。

適切です。その理由は、地表水は河川、湖沼、ダムなどの水であり、降雨、渇水、気温、周辺環境の影響を受けやすいからです。雨が降れば濁度が上がりやすく、渇水時には水量が減少しやすいという特徴があります。これに対して伏流水は、河川の近くの砂れき層などを通って地中にしみこんだ水であり、土砂による自然ろ過を受けるため、水質や水温の変動が比較的小さいです。この比較は試験で非常によく問われるため、地表水は変動が大きい、伏流水は比較的安定している、と対比して覚えると理解しやすいです。

(3) 深層地下水は、地表からの汚染を受けにくく、水質は安定しているが、管の腐食を生ずることがある。

適切です。その理由は、深層地下水は地表から深い帯水層に存在するため、一般に細菌や有機物などの汚染を受けにくく、水量や水質が安定しやすいという利点があるからです。一方で、地下水には二酸化炭素、鉄、マンガンなどが含まれることがあり、水質条件によっては酸性寄りになったり腐食性を示したりして、配管や設備に影響を与えることがあります。地下水は清浄で安定しているという長所だけでなく、設備面では腐食やスケールへの注意が必要である点も併せて覚えることが重要です。

(4) 導水施設とは、浄水施設で処理された水を配水施設まで送る施設のことである。

不適切です。その理由は、この説明は導水施設ではなく送水施設の説明だからです。導水施設は、取水施設で取り入れた原水を浄水施設まで導く施設です。つまり、まだ浄水処理されていない水を扱います。これに対して送水施設は、浄水場で処理を終えた水を配水池などへ送る施設です。さらに、その先で需要者へ配るための施設が配水施設です。このように、取水、導水、浄水、送水、配水という流れを順番で理解しておくと、用語の混同を防ぎやすくなります。

(5) 水道法で規定する給水装置とは、需要者に水を供給するために、水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具のことである。

適切です。その理由は、これは水道法における給水装置の基本的な定義そのものだからです。給水装置とは、配水管から分かれて利用者の建物や敷地へ水を引き込む部分であり、給水管だけでなく、蛇口や弁などの給水用具も含まれます。ここで重要なのは、配水管そのものは水道事業者の施設であるのに対し、そこから分岐した先の給水装置は需要者側の設備として扱われる点です。定義問題はそのまま問われることが多いため、条文的な表現もできるだけ正確に覚えておくと得点につながります。

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この問題で覚えるポイント

水道施設は、取水施設で原水を取り入れ、導水施設で浄水場へ送り、浄水施設で処理し、送水施設で配水池などへ送り、配水施設で各需要者へ分配する、という流れで整理すると理解しやすいです。導水施設は原水を扱い、送水施設は浄水を扱うという違いは頻出です。地表水は河川や湖沼などの水で、降雨や周辺環境の影響を受けやすく、水量や水質の変動が大きいです。これに対し、伏流水や深層地下水は比較的安定していますが、地下水は腐食性成分や鉄、マンガンなどを含むことがあり、設備への影響に注意が必要です。給水装置は、配水管から分岐した給水管と、それに直結する給水用具を指します。水道法上の用語は似ていて混同しやすいため、施設ごとにどの段階の水を扱うか、誰が管理主体になるかをセットで覚えることが正誤判断の近道です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、導水施設と送水施設という非常によく似た用語を入れ替えている点にあります。どちらも「水を送る施設」と見えるため、流れをあいまいに覚えていると正しいように感じてしまいます。また、地下水は安定している、地表水は変動が大きい、給水装置は配水管から分岐した設備である、といった他の選択肢が基本事項として素直に見えるため、消去法だけで解こうとすると迷いやすいです。試験では、このように用語の定義を一部だけずらして誤りにする出題がよくあります。似た言葉が出てきたときは、名称の印象ではなく、原水なのか浄水なのか、どこからどこへ送るのか、という機能で判断する習慣をつけることが大切です。

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