【ビル管過去問】令和3年度 問題90|照度計算の基礎|点光源と距離の逆二乗則を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|空気環境の調整第90問

問題

点光源直下3.0mの水平面照度が450 lxである場合、点光源直下1.0mの水平面照度として、最も近いものは次のうちどれか。

(1) 450 lx

(2) 900 lx

(3) 1,350 lx

(4) 4,050 lx

(5) 4,500 lx

ビル管過去問|照度計算の基礎|点光源と距離の逆二乗則を解説

この問題は、点光源による照度が距離によってどのように変化するかを問う基本問題です。点光源からの照度は距離の二乗に反比例するため、距離が短くなると照度は大きく増加します。今回は3.0mで450 lxですので、1.0mでは距離が3分の1になり、照度は3の二乗である9倍になります。したがって正しい選択肢は4,050 lxです。逆二乗則を正しく使えるかどうかがポイントです。

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(1) 450 lx

不適切です。その理由は、照度は距離が変われば同じ値のままにはならないからです。点光源による照度は距離の二乗に反比例します。3.0mから1.0mへ近づくと、距離は3分の1になりますので、照度は9倍になります。したがって1.0mでの照度は450 lxのままではなく、もっと大きくなります。距離が短くなっているのに照度が変わらないと考えてしまうのは、距離の影響を見落としている状態です。

(2) 900 lx

不適切です。その理由は、これは2倍にしただけの値であり、逆二乗則に合っていないからです。点光源の照度は距離に反比例するのではなく、距離の二乗に反比例します。3.0mから1.0mになると距離は3分の1ですので、照度は単純に3倍ではなく9倍になります。450 lxを9倍すると4,050 lxです。900 lxという値は、距離と照度の関係を一次的に考えてしまった場合に出やすい誤答です。

(3) 1,350 lx

不適切です。その理由は、これも450 lxの3倍にすぎず、距離の二乗を考慮できていないからです。点光源の照度計算では、距離が3分の1になると照度は3倍ではなく9倍になります。計算式で表すと、E1/E2=(r2/r1)^2 です。ここで3.0mの照度を450 lx、1.0mの照度をEとすると、E=450×(3.0/1.0)^2=450×9=4,050 lxとなります。3倍で止めてしまうのは、逆二乗則をうろ覚えで使ったときに起こりやすいミスです。

(4) 4,050 lx

適切です。その理由は、点光源による照度が距離の二乗に反比例するという原則に正しく従っているからです。点光源直下の水平面照度は、距離が近くなるほど急激に大きくなります。今回、3.0mで450 lxですから、1.0mでは距離が3分の1になります。そのため照度は9倍となり、450×9=4,050 lxです。このような計算は照明分野の基本であり、試験でも頻出ですので、距離が半分なら4倍、3分の1なら9倍という感覚まで身につけておくと役立ちます。

(5) 4,500 lx

不適切です。その理由は、正しい値4,050 lxに近いものの、計算結果としては一致しないからです。試験では「最も近いもの」を選ぶ形式ですが、この場合は逆二乗則によって正確に4,050 lxが求められますので、わざわざ近似的に4,500 lxを選ぶ必要はありません。4,500 lxは計算途中の誤りや、450に10倍を掛けてしまったような雑な見積もりから出やすい数値です。正確な式に当てはめれば、4,050 lxと明確に求まります。

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この問題で覚えるポイント

点光源による照度は、距離の二乗に反比例します。これを逆二乗則といいます。距離が2倍になれば照度は4分の1になり、距離が3倍になれば9分の1になります。逆に距離が2分の1になれば照度は4倍、3分の1になれば9倍になります。試験では、距離と照度の関係を比例で考えず、必ず二乗で考えることが重要です。計算式としては、照度の比は距離の比の二乗の逆になります。つまり、ある点の照度を求めるときは、基準となる照度に距離比の二乗を掛けて求めます。照度、光度、輝度など似た用語もありますが、この問題では距離変化による照度の増減を問うているため、まず逆二乗則を確実に使えることが正答への近道です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、距離が3.0mから1.0mになったとき、照度も3倍になると早合点させる点にあります。日常感覚では、距離が3分の1なら明るさも3倍くらいと考えがちですが、照度は距離の二乗に反比例するため、実際には9倍になります。また、正解に近い数値を紛れ込ませて、厳密な計算をせずに感覚で選ばせようとしている点も典型的です。この種の問題では、距離の変化を見た瞬間に「まず二乗する」と頭の中で反応できるようにしておくことが大切です。

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