【ビル管過去問】令和3年度 問題56|換気方式の種類|第1種換気・第3種換気・局所換気・ハイブリッド換気を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|空気環境の調整第56問

問題

換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 換気の目的の一つには、汚染物質の室内からの除去がある。

(2) ハイブリッド換気は、自然換気と機械換気を併用する換気方式である。

(3) 第1種換気は、機械給気と機械排気による換気をいう。

(4) 局所換気は、汚染物質が発生する場所を局部的に換気する方法をいう。

(5) 第3種換気は、機械給気と自然排気口による換気をいう。

ビル管過去問|換気方式の種類を解説

この問題は、換気の基本的な目的と、各換気方式の定義を正しく理解しているかを問う問題です。換気は、室内の空気を入れ替えることで、二酸化炭素や臭気、熱、湿気、粉じんなどの汚染物質を除去し、良好な空気環境を保つために行われます。特に試験では、第1種換気、第2種換気、第3種換気の違いと、局所換気やハイブリッド換気の意味がよく問われます。正解は(5)で、第3種換気は機械排気と自然給気による換気であり、機械給気と自然排気ではありません。この基本を整理して覚えておくことが大切です。

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(1) 換気の目的の一つには、汚染物質の室内からの除去がある。

適切です。換気の大きな目的の一つは、室内で発生した汚染物質を屋外へ排出し、外気を取り入れて空気を清浄に保つことです。室内では、人の呼吸による二酸化炭素、建材や家具から発生する化学物質、調理や喫煙による臭気や粒子状物質、さらに湿気や熱など、さまざまな負荷が生じます。これらを適切に除去しないと、室内空気質が悪化し、快適性や健康に悪影響を及ぼします。そのため、換気は単なる空気の入れ替えではなく、室内環境を衛生的に維持するための重要な手段です。

(2) ハイブリッド換気は、自然換気と機械換気を併用する換気方式である。

適切です。ハイブリッド換気とは、風力や温度差を利用する自然換気と、ファンなどを用いる機械換気を組み合わせた方式です。自然換気だけでは、外気条件によって換気量が不安定になることがありますが、必要に応じて機械換気を補助的に用いることで、安定した換気性能を確保しやすくなります。省エネルギー性と換気の確実性を両立しやすい点が特徴です。試験では、自然換気か機械換気かの二択ではなく、その両方を組み合わせる考え方があることを押さえておくと、整理しやすくなります。

(3) 第1種換気は、機械給気と機械排気による換気をいう。

適切です。第1種換気は、給気側にも排気側にも機械設備を用いる方式です。給気量と排気量を比較的細かく管理しやすく、安定した換気が可能になるため、事務所や病院、商業施設などでも広く用いられます。また、給気側にフィルターや熱交換器を組み込みやすい点も利点です。外気の導入量を確実に確保しつつ、室内圧の制御もしやすいため、計画的な換気が必要な建築物で重要な方式です。第1種換気は「両方とも機械」と覚えると整理しやすいです。

(4) 局所換気は、汚染物質が発生する場所を局部的に換気する方法をいう。

適切です。局所換気は、室内全体を一様に換気するのではなく、汚染物質の発生源の近くで直接捕集し、排出する方法です。たとえば、厨房のフード、実験室のドラフトチャンバー、工場の有害物質発生箇所の排気装置などが代表例です。発生源に近い位置で処理するため、汚染物質が室内全体に広がる前に除去でき、効率的かつ衛生的です。全般換気よりも発生源対策として有効な場合が多く、特に有害性の高い物質を扱う場面では重要な考え方です。

(5) 第3種換気は、機械給気と自然排気口による換気をいう。

不適切です。第3種換気は、機械排気と自然給気による換気方式です。つまり、排気をファンなどで強制的に行い、給気は給気口やすき間などから自然に取り入れるのが基本です。この選択肢は、給気と排気の関係が逆になっているため誤りです。なお、第2種換気は機械給気と自然排気であり、こちらと混同しやすい点がこの問題の典型的なひっかけです。第1種は機械給気と機械排気、第2種は機械給気と自然排気、第3種は自然給気と機械排気という形で、対比して覚えることが大切です。

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この問題で覚えるポイント

換気の目的は、室内の汚染物質、熱、湿気、臭気などを除去し、必要な外気を取り入れて空気環境を良好に保つことです。試験では換気方式の名称と内容の対応関係が頻出です。第1種換気は機械給気と機械排気で、給気も排気も機械で行うため、換気量の制御がしやすい方式です。第2種換気は機械給気と自然排気で、室内を正圧にしやすいため、手術室やクリーンルームなど外部からの汚染侵入を防ぎたい場所で用いられます。第3種換気は自然給気と機械排気で、室内を負圧にしやすく、トイレや厨房など臭気や汚染物質を外へ漏らしたくない場所で用いられます。局所換気は発生源で直接汚染物質を捕集する方法であり、全般換気と区別して理解することが重要です。さらに、ハイブリッド換気は自然換気と機械換気を組み合わせた方式で、省エネルギー性と安定性の両立を狙った考え方として覚えておくと、同テーマの問題に対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、第2種換気と第3種換気の内容を逆に覚えてしまう受験者が多い点を突いていることです。名称だけを丸暗記していると、機械給気なのか機械排気なのかが曖昧になりやすく、自然給気と自然排気の組合せも混同しやすくなります。特に「第3種換気は機械給気」と誤って覚えてしまうと、今回のような選択肢に引っかかります。また、局所換気と全般換気の違いも、どちらも換気であるため曖昧に理解していると判断を誤りやすいです。今後の対策としては、換気方式を単語で覚えるのではなく、室内を正圧にしたいのか負圧にしたいのか、どこで汚染物質を除去したいのかという目的と結びつけて理解することが重要です。そうすると、少し表現を変えられても正誤判断がしやすくなります。

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