【ビル管過去問】令和7年度 問題98|電気及び電気設備を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|建築物の構造概論第98問

問題

電気及び電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 誘導灯は、災害時に居住者や利用者を安全に避難させるための設備である。

(2) 避雷針設備の設置義務は、電気事業法で定められている。

(3) マイクログリッドシステムとは、自然エネルギー発電を組み合わせ、地域の電力需要を満足する電力システムである。

(4) RE100とは、企業が事業運営を100%再生エネルギーで賄うことを目標とする国際的な取組である。

(5) 非常警報設備の設置基準は、消防法施行令に定められている。

 

 

 

ビル管過去問|電気及び電気設備を解説

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誘導灯 避雷針

この問題は、建築物に関係する電気設備や防災設備、再生可能エネルギーに関する基本知識を問う問題です。不適切な選択肢は(2)です。避雷設備の設置義務は電気事業法ではなく、建築基準法関係の規定で定められている点が重要です。

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(1) 誘導灯は、災害時に居住者や利用者を安全に避難させるための設備である。

適切です。誘導灯は、火災や停電などの非常時に、建物内にいる人が避難口や避難方向を確認できるようにするための設備です。通常時にも点灯しているものが多く、非常時には避難経路を示す役割を果たします。建築物では、利用者が普段から建物の構造を熟知しているとは限らないため、誘導灯によって安全な避難を助けることが重要です。

(2) 避雷針設備の設置義務は、電気事業法で定められている。

不適切です。避雷針設備、つまり雷から建築物を保護するための避雷設備の設置義務は、電気事業法ではなく、主に建築基準法関係の規定で定められています。電気事業法は、発電、送電、配電など電気の供給事業や電気工作物の安全に関する法律です。一方、建築物に一定の高さを超える場合などに避雷設備を設けるかどうかは、建築物の安全性に関わるため、建築基準法の分野として整理されます。この法律の取り違えが、この問題の正誤判断の中心です。

(3) マイクログリッドシステムとは、自然エネルギー発電を組み合わせ、地域の電力需要を満足する電力システムである。

適切です。マイクログリッドシステムとは、太陽光発電、風力発電、蓄電池、コージェネレーション設備などを組み合わせ、地域や施設単位で電力を供給・制御する小規模な電力ネットワークのことです。大規模な電力系統に完全に依存するのではなく、地域内で電力の需給を調整できる点が特徴です。災害時の電力確保や再生可能エネルギーの有効利用という観点からも注目されています。

(4) RE100とは、企業が事業運営を100%再生エネルギーで賄うことを目標とする国際的な取組である。

適切です。RE100は、企業が自らの事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的な取組です。ここでいう再生可能エネルギーには、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどが含まれます。建築物の省エネルギーや環境配慮の流れと関係が深く、近年の建築設備分野でも重要なキーワードです。

(5) 非常警報設備の設置基準は、消防法施行令に定められている。

適切です。非常警報設備は、火災などの非常時に建物内の人へ危険を知らせ、避難を促すための設備です。非常ベル、放送設備、サイレンなどが該当します。これらの設置基準は、消防法施行令などの消防関係法令に定められています。火災時の人命安全に直結する設備であるため、建物の用途、規模、収容人員などに応じて設置が求められます。

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この問題で覚えるポイント

電気設備や防災設備の問題では、設備そのものの役割だけでなく、どの法律に基づいて設置基準が定められているかが問われます。誘導灯や非常警報設備は、火災時の避難や警報に関係するため、消防法関係の設備として整理します。避雷設備は、雷から建築物を守るための建築物の安全設備であり、建築基準法関係の規定と結び付けて覚えます。電気事業法は、電力供給や電気工作物の安全に関する法律であり、建物の避雷設備の設置義務そのものを定める法律ではありません。マイクログリッドは、地域や施設単位で再生可能エネルギーや蓄電池などを組み合わせて電力を管理する仕組みです。RE100は、企業が使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的な取組です。建築設備分野では、防災、安全、省エネルギー、再生可能エネルギーの用語を、それぞれ関連する法令や目的とセットで覚えることが正答につながります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「電気に関係する設備だから電気事業法」と考えてしまう点にあります。避雷針は名前に電気的な印象があり、雷という自然現象も電気と関係するため、電気事業法と結び付けたくなります。しかし、試験では設備の名称ではなく、その設備が何を守るためのものか、どの法令体系で扱われるものかを考える必要があります。避雷設備は電力会社の供給設備ではなく、建築物を雷害から守るための建築物側の安全設備です。また、誘導灯や非常警報設備のように、火災時の避難に関わる設備は消防法関係に整理されます。一部の言葉だけを見て判断すると誤答しやすいため、「電気設備」「防災設備」「建築物の安全設備」「エネルギー管理」のどの分野の話なのかを切り分けることが大切です。

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