【ビル管過去問】令和7年度 問題66|ボイラの種類を解説

問題

ボイラに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 炉筒煙管ボイラは、直径の大きな横型ドラムを本体とし、燃焼室、煙管群で構成される。

(2) ボイラは、吸収冷凍機駆動用熱源として冷房時にも利用される。

(3) 鋳鉄製ボイラは、高温・高圧・大容量なボイラに適さない。

(4) 貫流ボイラの取扱いには、容量によらずボイラ技士の資格が必要である。

(5) 真空式温水発生機では、容量によらずボイラに関する取扱い資格が不要となる。

ビル管過去問|ボイラの種類を解説

この問題は、ボイラの種類ごとの構造や用途、さらに取扱いに必要な資格の違いを問う問題です。構造の特徴だけでなく、「どの設備に資格が必要か」という法令・実務上の扱いまで理解しているかがポイントになります。正しい選択肢の見極めには、炉筒煙管ボイラ、鋳鉄製ボイラ、貫流ボイラ、真空式温水発生機の違いを整理して覚えておくことが重要です。最も不適当なのは(4)です。貫流ボイラは、容量や条件によってはボイラ技士の資格が不要な場合があるため、「容量によらず必要」とする記述は誤りです。

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(1) 炉筒煙管ボイラは、直径の大きな横型ドラムを本体とし、燃焼室、煙管群で構成される。

適切です。その理由は、炉筒煙管ボイラは、内部に炉筒や煙管を配置し、その中を高温の燃焼ガスが通過して、周囲の水を加熱する構造をもつ代表的なボイラだからです。一般に本体は大きな円筒形の胴で構成され、横置きに設置されるものが多く、内部には燃焼室と複数の煙管が設けられています。構造が比較的わかりやすく、取り扱いや保守もしやすいため、中小規模の設備で広く用いられてきました。したがって、この記述は炉筒煙管ボイラの基本構造を正しく表しています。

(2) ボイラは、吸収冷凍機駆動用熱源として冷房時にも利用される。

適切です。その理由は、ボイラは暖房や給湯だけでなく、吸収冷凍機を動かすための熱源としても使われるからです。吸収冷凍機は、電動機で圧縮する一般的な冷凍機とは異なり、熱を利用して冷水をつくる仕組みです。そのため、冷房運転中であっても、ボイラで発生させた蒸気や温水を熱源として使うことがあります。特に大型建築物では、空調システムの一部としてボイラと吸収冷凍機が組み合わされることがあり、冷房時にもボイラが稼働する場面があります。したがって、この記述は正しいです。

(3) 鋳鉄製ボイラは、高温・高圧・大容量なボイラに適さない。

適切です。その理由は、鋳鉄製ボイラは材質上、強い衝撃や急激な温度変化に弱く、高温・高圧条件に対応しにくい性質があるからです。鋳鉄は耐食性に優れ、比較的低圧で小規模な暖房用ボイラなどには適していますが、鋼板製ボイラのように高圧・大容量用途へ広く対応できるわけではありません。また、鋳鉄製ボイラはセクションを組み合わせて構成されるものが多く、大規模設備よりも中小規模用途に向いています。したがって、この記述は鋳鉄製ボイラの特徴を正しく述べています。

(4) 貫流ボイラの取扱いには、容量によらずボイラ技士の資格が必要である。

不適切です。その理由は、貫流ボイラであっても、一定の条件を満たす小規模なものについては、ボイラ技士免許が不要な場合があるからです。貫流ボイラは、一般のボイラに比べて保有水量が少なく、起動停止が速いという特徴があります。こうした特徴から、小規模貫流ボイラについては法令上の扱いが一部異なり、すべてに一律でボイラ技士資格が必要になるわけではありません。つまり、「容量によらず必要」と断定している部分が誤りです。この問題では、この選択肢が最も不適当です。

(5) 真空式温水発生機では、容量によらずボイラに関する取扱い資格が不要となる。

適切です。その理由は、真空式温水発生機は、内部を真空に近い状態にして低い温度で温水を発生させる仕組みをもち、一般のボイラとは法的な扱いが異なるためです。真空状態では水の沸点が下がるので、高温高圧の蒸気ボイラのような危険性が小さくなります。そのため、通常のボイラ取扱い資格を必要としない設備として扱われます。建築設備の現場では、暖房や給湯用として使われることがあり、資格不要である点が実務上の特徴としてよく問われます。したがって、この記述は正しいです。

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この問題で覚えるポイント

ボイラは暖房や給湯だけでなく、吸収冷凍機の熱源として冷房時にも利用されます。炉筒煙管ボイラは、横型の胴の内部に燃焼室と煙管群をもつ基本的な構造を理解しておくことが大切です。鋳鉄製ボイラは耐食性に優れる一方で、高温・高圧・大容量には向きません。貫流ボイラはすべてに資格が必要なのではなく、小規模なものでは取扱資格が不要な場合があります。真空式温水発生機は、ボイラと似た用途でも法的には別扱いとなり、取扱資格が不要である点を押さえておく必要があります。

ひっかけポイント

「ボイラ」という言葉が付くと、すべて同じ資格が必要だと思い込みやすい点がひっかけです。特に貫流ボイラは、種類や規模によって扱いが異なるため、「容量によらず必要」という断定表現に注意が必要です。また、真空式温水発生機は見た目や用途がボイラに近いため、資格が必要だと誤解しやすいです。さらに、冷房時はボイラを使わないと考えてしまう受験者も多いですが、吸収冷凍機の熱源として使われることがあります。構造・用途・資格の3点を分けて整理すると、ひっかけに強くなります。

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