問題
熱伝導率が1.6W/(m·K)のコンクリートでできた厚さ16cmの外壁があるとする。 外壁の外気側と室内側の熱伝達抵抗がそれぞれ0.05㎡·K/W、0.1㎡·K/Wであるとす ると、この外壁の熱貫流抵抗として、正しいものは次のうちどれか。
(1) 0.25 m2.K/W
(2) 4.0m2.K/W
(3) 10 m2.K/W
(4) 20 m2.K/W
(5) 30 m2-K/W
ビル管過去問|熱伝導率と熱貫流率を解説
この問題は、壁を通して熱がどれだけ伝わりにくいかを表す「熱貫流抵抗」を求める問題です。熱貫流抵抗は、材料そのものの熱の伝わりにくさに加えて、外気側と室内側の表面での熱伝達抵抗も足し合わせて求めます。正しい選択肢は(1) 0.25m2・K/Wです。コンクリート部分の熱抵抗を計算し、それに両側の熱伝達抵抗を加えることで求められます。
(1) 0.25 m2.K/W
適切です。熱貫流抵抗は、外気側熱伝達抵抗+壁体の熱抵抗+室内側熱伝達抵抗で求めます。まず、コンクリート部分の熱抵抗は、厚さ÷熱伝導率で計算します。厚さ16cmは0.16mなので、0.16÷1.6=0.10㎡・K/Wです。これに外気側0.05㎡・K/W、室内側0.10㎡・K/Wを加えると、0.05+0.10+0.10=0.25㎡・K/Wとなります。したがって、この選択肢が正解です。
(2) 4.0m2.K/W
不適切です。4.0㎡・K/Wという値は、今回の条件からみると非常に大きすぎます。コンクリートは断熱材に比べて熱を伝えやすい材料なので、熱抵抗はそれほど大きくなりません。実際には、コンクリート部分の熱抵抗は0.10㎡・K/Wしかなく、表面熱伝達抵抗を加えても合計0.25㎡・K/Wです。計算式を立てずに感覚で選ぶと、このような大きすぎる値を選びやすいので注意が必要です。
(3) 10 m2.K/W
不適切です。10㎡・K/Wは、かなり高性能な断熱構造に近い非常に大きな熱抵抗です。今回の壁は厚さ16cmのコンクリートで構成されており、熱を遮る性能はそこまで高くありません。熱伝導率1.6W/(m・K)は、断熱材に比べるとかなり大きく、熱が比較的伝わりやすいことを示しています。そのため、熱貫流抵抗が10㎡・K/Wになることはありません。
(4) 20 m2.K/W
不適切です。20㎡・K/Wという値は、一般的なコンクリート壁の熱貫流抵抗としては現実的ではありません。熱貫流抵抗は、材料の厚みが厚いほど、また熱伝導率が小さいほど大きくなります。しかし今回の材料はコンクリートであり、しかも厚さは0.16mです。この条件では、壁体の熱抵抗は0.10㎡・K/Wにとどまります。したがって、20㎡・K/Wのような大きな値にはなりません。
(5) 30 m2-K/W
不適切です。30㎡・K/Wは、今回の問題条件から大きくかけ離れた数値です。熱抵抗の求め方を理解していれば、まず壁体部分は0.16÷1.6=0.10㎡・K/Wであり、さらに両側の熱伝達抵抗を足しても0.25㎡・K/Wにしかならないことが分かります。30㎡・K/Wのような値は、厚い断熱層をもつ特殊な構造ならまだしも、コンクリート壁では考えにくい数値です。
この問題で覚えるポイント
熱貫流抵抗は、材料の熱抵抗だけでなく、外気側と室内側の熱伝達抵抗も含めて求めます。材料の熱抵抗は、厚さを熱伝導率で割って計算します。厚さの単位はcmではなくmに直してから計算することが重要です。熱伝導率が大きい材料ほど熱を伝えやすく、熱抵抗は小さくなります。コンクリートは断熱材ではないため、熱抵抗はそれほど大きくなりません。
ひっかけポイント
厚さ16cmをそのまま16として計算してしまうミスに注意が必要です。必ず0.16mに換算して計算します。熱伝導率と熱抵抗を逆に理解してしまうと、数値感覚を誤ります。熱伝導率が大きいほど熱は伝わりやすく、熱抵抗は小さくなります。また、壁体部分だけを計算して終わりにしてしまい、外気側と室内側の熱伝達抵抗を足し忘れるのもよくある間違いです。
