出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|労働生理第30問
問題
腎臓・泌尿器系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 腎臓の皮質にある腎小体では、糸球体から蛋白質以外の血漿成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。
(2) 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。
(3) 尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性である。
(4) 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。
(5) 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。
第二種衛生管理者|第二種衛生管理者過去問|腎臓と尿の仕組み|原尿生成・BUN・腎機能の基礎知識を解説を解説
腎臓は、血液をろ過して原尿をつくり、尿細管で必要な水分や成分を再吸収し、不要物を尿として排出する器官です。答えは(5)です。BUNは血液中の尿素窒素を示す値で、腎機能が低下すると尿素窒素の排出がうまくいかず、一般に血液中のBUNは低くなるのではなく高くなります。

(1) 腎臓の皮質にある腎小体では、糸球体から蛋白質以外の血漿成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。
適切です。その理由は、腎小体が血液をろ過して原尿をつくる場所だからです。腎小体は糸球体とボウマン嚢からなり、血液中の水分、ブドウ糖、アミノ酸、電解質、尿素などの小さな成分がボウマン嚢へこし出されます。蛋白質や血球のような大きな成分は、通常はろ過されにくいため血液中に残ります。ここでできる液体が原尿です。
(2) 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。
適切です。その理由は、原尿の成分の多くはそのまま尿として捨てられるのではなく、尿細管で再び血液中に戻されるからです。原尿には水分だけでなく、ブドウ糖、アミノ酸、ナトリウムなど、身体に必要な成分も含まれています。これらを必要に応じて再吸収することで、体内の水分量や電解質のバランスが保たれます。最終的に不要な成分が尿として排出されます。
(3) 尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性である。
適切です。その理由は、正常な尿の性状として、淡黄色、特有の臭気、通常は弱酸性であることが知られているからです。尿の色は水分摂取量などによって濃くなったり薄くなったりしますが、基本的には淡黄色です。また、尿は食事や体調の影響を受けますが、試験では「通常、弱酸性」と押さえておくと判断しやすいです。
(4) 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。
適切です。その理由は、腎臓の重要な働きが、体液のバランス調節と老廃物の排出だからです。腎臓は余分な水分やナトリウムなどを尿中に排出したり、必要な分を再吸収したりして、体内環境を一定に保っています。また、蛋白質の代謝で生じる尿素などの不要物を尿として排出します。これは恒常性の維持に関わる重要な機能です。
(5) 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。
不適切です。その理由は、腎臓の機能が低下すると、尿素窒素を尿中へ排出する力が落ち、血液中に尿素窒素がたまりやすくなるためです。その結果、BUNは低くなるのではなく、一般に高くなります。BUNは腎機能の状態をみる指標の一つであり、「腎機能低下ではBUN上昇」と覚えると正誤判断に役立ちます。
この問題で覚えるポイント
腎臓では、腎小体で血液がろ過されて原尿がつくられ、尿細管で水分や必要な成分が再吸収され、残った不要物が尿になります。腎小体は糸球体とボウマン嚢からなり、通常、蛋白質や血球のような大きな成分はろ過されません。尿細管では、大部分の水分、ブドウ糖、アミノ酸、電解質などが再吸収されます。尿は通常、淡黄色で固有の臭気があり、弱酸性です。腎臓の働きは、老廃物の排出だけでなく、水分量やナトリウムなどの電解質濃度の調節にもあります。BUNは血液中の尿素窒素を示し、腎機能が低下すると排出が不十分になり、一般に血液中のBUNは上昇します。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、BUNの値が「低くなる」と「高くなる」を逆にしている点です。腎臓は尿素窒素を尿中に排出する器官なので、腎機能が低下すると排出できずに血液中に残りやすくなります。つまり、腎機能低下ではBUNは低下ではなく上昇です。また、原尿は尿そのものではなく、尿細管で再吸収を受ける前の液体である点も重要です。原尿生成、再吸収、尿の排出という流れを順番で理解しておくと、言葉の一部だけを入れ替えた選択肢にも対応しやすくなります。
