【第二種衛生管理者過去問】2023年4月公表問題|問25|腎臓と泌尿器の働き|原尿生成・BUN・尿検査の基礎知識|労働生理を解説

出典:第二種衛生管理者2023年(令和5年度)4月公表問題|労働生理第25問

問題

腎臓・泌尿器系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 糸球体では、血液中の蛋白質以外の血漿成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。

(2) 尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分、電解質、栄養分などが血液中に再吸収される。

(3) 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

(4) 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分は全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。

(5) 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

第二種衛生管理者|腎臓と泌尿器の働き|原尿生成・BUN・尿検査の基礎知識を解説

腎臓は、血液を濾過して原尿をつくり、尿細管で必要な水分や電解質、栄養分を再吸収し、不要な物質を尿として排出する器官です。答えは(5)です。BUNは血液中の尿素窒素を示す検査値で、腎臓の排泄機能が低下すると尿素窒素が血液中に残りやすくなるため、一般に値は低下ではなく上昇します。

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(1) 糸球体では、血液中の蛋白質以外の血漿成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。

適切です。糸球体は毛細血管が集まった濾過装置のような部分で、血液中の水分や電解質、ブドウ糖、尿素などの小さな成分がボウマン嚢に濾し出されます。これが原尿です。通常、蛋白質のような大きな分子や血球は濾過されにくいため、原尿にはほとんど含まれません。腎臓の基本は、まず糸球体で広く濾過し、その後に尿細管で必要なものを戻すという流れで理解すると覚えやすいです。

(2) 尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分、電解質、栄養分などが血液中に再吸収される。

適切です。原尿はそのまま全部が尿になるわけではありません。尿細管を通る間に、大部分の水分、ナトリウムなどの電解質、ブドウ糖などの栄養分が血液中に再吸収されます。特にブドウ糖は、健康な状態ではほとんど再吸収されるため、通常の尿にはほとんど出ません。腎臓は単に不要物を捨てるだけでなく、身体に必要な成分を失いすぎないように調整している点が重要です。

(3) 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

適切です。腎臓は尿をつくることで、体内の水分量、ナトリウムやカリウムなどの電解質濃度、酸とアルカリのバランスを調節しています。また、蛋白質の代謝によって生じる尿素など、体内にたまりすぎると害になる物質を尿として排出します。泌尿器系の働きは、単なる排泄ではなく、体内環境を一定に保つ調節機能でもあります。

(4) 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分は全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。

適切です。尿の大部分は水分で、残りに尿素、尿酸、クレアチニン、電解質などが含まれます。尿には腎臓の働きだけでなく、糖代謝、蛋白代謝、感染、脱水などの状態が反映されることがあります。そのため、尿糖、尿蛋白、潜血などを調べる尿検査は、健康診断で広く用いられています。尿は採取しやすく、身体の状態を知る手がかりになりやすい検査材料です。

(5) 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

不適切です。BUNは、蛋白質の代謝によって生じた尿素に含まれる窒素の量を示す検査値です。尿素は主に肝臓でつくられ、腎臓から尿中へ排出されます。腎臓の機能が低下すると、尿素を十分に排出できなくなり、血液中に尿素窒素が残りやすくなるため、BUNは一般に低下ではなく上昇します。低くなるという表現が誤りです。試験では、腎機能低下とBUN上昇を結びつけて覚えておくことが大切です。

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この問題で覚えるポイント

腎臓では、糸球体で血液中の小さな成分がボウマン嚢に濾過され、原尿がつくられます。蛋白質や血球のような大きな成分は通常ほとんど濾過されません。尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分、ナトリウムなどの電解質、ブドウ糖などの栄養分が再吸収され、不要な成分が尿として排出されます。尿は約95%が水分、約5%が固形物であり、尿蛋白、尿糖、潜血などの検査によって腎臓や全身の健康状態を知る手がかりになります。BUNは血液中の尿素窒素を示し、腎臓の排泄機能が低下すると尿素が血液中に残りやすくなるため、一般に上昇します。腎機能低下で低下するのではなく、上昇するという点が正誤判断に直結します。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、BUNという検査項目を見たときに、腎臓に関係する数値であることまでは分かっても、上昇するのか低下するのかを逆に覚えてしまう点です。腎臓は不要物を尿として排出する器官なので、機能が低下すると不要物を外へ出しにくくなります。その結果、尿素窒素は血液中にたまりやすくなり、BUNは高くなります。「腎臓が悪いから検査値が低くなる」という日常的な感覚で判断すると誤答しやすいです。検査値の問題では、単に臓器名と関連づけるだけでなく、その臓器の働きが低下したときに物質が血液中に残るのか、尿中に出るのかまで考えることが重要です。

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