出典:第二種衛生管理者2023年(令和5年度)4月公表問題|関係法令第6問
問題
事務室の設備の定期的な点検等に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。
(1) 機械による換気のための設備については、3か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。
(2) 燃焼器具を使用するときは、発熱量が著しく少ないものを除き、1か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。
(3) 空気調和設備内に設けられた排水受けについては、原則として、2か月以内ごとに1回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検しなければならない。
(4) 空気調和設備の加湿装置については、原則として、2か月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検しなければならない。
(5) 空気調和設備の冷却塔及び冷却水については、原則として、1か月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃及び換水等を行わなければならない。
第二種衛生管理者|事務室設備の定期点検基準を解説
事務室の換気設備、燃焼器具、空気調和設備について、法令上必要な点検周期を正しく判断する問題です。答えは(5)です。空気調和設備の冷却塔及び冷却水は、使用開始時及び使用開始後1か月以内ごとに1回、汚れの状況を点検し、必要に応じて清掃や換水等を行う必要があります。数値が「1か月」「2か月」「毎日」などで細かく入れ替えられているため、設備ごとの点検周期を区別して覚えることが大切です。

(1) 機械による換気のための設備については、3か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。
不適切です。その理由は、機械による換気のための設備は、3か月以内ごとではなく、2か月以内ごとに1回、定期に異常の有無を点検する必要があるからです。換気設備は、室内の空気を入れ替え、二酸化炭素濃度や空気の汚れを抑えるための設備です。正常に作動していないと、事務室内の空気環境が悪化し、労働者の健康に影響するおそれがあります。そのため、法令では比較的短い周期である2か月以内ごとの点検が求められています。「3か月以内ごと」という数字は誤りです。
(2) 燃焼器具を使用するときは、発熱量が著しく少ないものを除き、1か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。
不適切です。その理由は、燃焼器具については、1か月以内ごとではなく、毎日、異常の有無を点検しなければならないからです。燃焼器具は、使用状態が悪いと一酸化炭素の発生や酸素不足などにつながる危険があります。特に一酸化炭素は無色無臭で気づきにくく、中毒事故につながるおそれがあるため、定期的な月単位の点検では不十分です。法令では、発熱量が著しく少ないものを除き、使用するときは毎日の点検が求められています。
(3) 空気調和設備内に設けられた排水受けについては、原則として、2か月以内ごとに1回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検しなければならない。
不適切です。その理由は、空気調和設備内の排水受けは、原則として2か月以内ごとではなく、1か月以内ごとに1回、汚れ及び閉塞の状況を点検する必要があるからです。排水受けは、空調設備内で発生した水を受ける部分であり、汚れや詰まりがあると、カビや細菌の繁殖、悪臭、排水不良の原因になります。空気調和設備は室内空気に関係するため、衛生管理上、汚れや閉塞の確認が重要です。「2か月以内ごと」という周期にすると、法令上必要な点検頻度より少なくなるため誤りです。
(4) 空気調和設備の加湿装置については、原則として、2か月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検しなければならない。
不適切です。その理由は、加湿装置の汚れの状況の点検は、原則として2か月以内ごとではなく、1か月以内ごとに1回行う必要があるからです。加湿装置は、水を使って室内の湿度を調整する設備です。管理が不十分だと、装置内で微生物が繁殖し、空気中に拡散するおそれがあります。そのため、汚れの状況をこまめに確認し、必要に応じて清掃等を行うことが大切です。ここでは「加湿装置」と「2か月以内ごと」という組合せが誤りです。
(5) 空気調和設備の冷却塔及び冷却水については、原則として、1か月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃及び換水等を行わなければならない。
適切です。その理由は、空気調和設備の冷却塔及び冷却水については、使用開始時及び使用開始後1か月以内ごとに1回、定期に汚れの状況を点検し、必要に応じて清掃や換水等を行う必要があるからです。冷却塔や冷却水は、水を循環させて熱を逃がす設備であり、汚れた状態で放置すると、細菌や藻類などが繁殖するおそれがあります。衛生的な空気環境を保つためには、点検だけでなく、汚れが確認された場合の清掃や換水等まで含めて管理する必要があります。したがって、この選択肢が正しい記述です。
この問題で覚えるポイント
事務室設備の点検周期は、設備ごとに数字を分けて覚えることが正誤判断に直結します。機械による換気設備は2か月以内ごとに1回、異常の有無を点検します。燃焼器具は、発熱量が著しく少ないものを除き、毎日、異常の有無を点検します。空気調和設備内の排水受けは、原則として1か月以内ごとに1回、汚れ及び閉塞の状況を点検します。加湿装置は、原則として1か月以内ごとに1回、汚れの状況を点検します。冷却塔及び冷却水も、原則として1か月以内ごとに1回、汚れの状況を点検し、必要に応じて清掃や換水等を行います。試験では、換気設備の2か月、燃焼器具の毎日、排水受け、加湿装置、冷却塔及び冷却水の1か月という区別を押さえると対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、設備名と点検周期の組合せを少しずつずらしている点です。換気設備は2か月以内ごとですが、3か月以内ごとに変えられると一見もっともらしく見えます。燃焼器具は危険性が高いため毎日の点検ですが、1か月以内ごとと書かれると他の空調設備の点検周期と混同しやすくなります。排水受け、加湿装置、冷却塔及び冷却水はいずれも水に関係する設備で、汚れや微生物の繁殖を防ぐ観点から1か月以内ごとの点検が基本です。数字だけを暗記するのではなく、燃焼器具は一酸化炭素などの危険があるため毎日、換気設備は2か月、水を扱う空調設備は1か月というイメージで整理すると、同じテーマの問題でも誤答しにくくなります。
