【第二種衛生管理者過去問】2025年4月公表問題|問26|腎臓と泌尿器系の基礎知識|原尿・BUN・尿生成の仕組み|労働生理を解説

出典:第二種衛生管理者2025年(令和7年度)4月公表問題|労働生理第26問

問題

腎臓・泌尿器系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 腎臓の腎小体では、糸球体から血液中の蛋白質以外の血漿成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。

(2) 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。

(3) 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

(4) 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

(5) 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分は全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。

第二種衛生管理者|腎臓と泌尿器系の基礎知識|原尿・BUN・尿生成の仕組みを解説

腎臓は、血液をろ過して原尿を作り、尿細管で必要な水分や成分を再吸収し、不要な物質を尿として排出する器官です。答えは(4)です。BUNは血液中の尿素窒素を示す値で、腎機能が低下すると尿素の排出がうまくいかず、一般に血液中のBUNは高くなります。そのため、「BUNの値が低くなる場合は腎臓の機能低下が考えられる」という記述は誤りです。

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(1) 腎臓の腎小体では、糸球体から血液中の蛋白質以外の血漿成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。

適切です。腎小体は、糸球体とボウマン嚢から構成されています。糸球体では血液がろ過され、水分、ブドウ糖、アミノ酸、電解質、尿素などの小さな成分がボウマン嚢へ移動し、原尿となります。蛋白質や血球のような大きな成分は通常ろ過されにくく、血液中に残ります。つまり、腎小体は尿を作る最初の段階である「ろ過」を行う場所です。

(2) 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。

適切です。原尿には、身体に必要な水分、ブドウ糖、アミノ酸、ナトリウムなども多く含まれています。そのまますべて尿として排出すると、身体に必要な成分まで失われてしまいます。そこで尿細管では、必要な水分や成分を血液中に戻す再吸収が行われます。再吸収されなかった尿素などの不要物や余分な水分、電解質が最終的に尿として排出されます。

(3) 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

適切です。腎臓は、単に尿を作るだけの器官ではありません。体内の水分量、ナトリウムやカリウムなどの電解質、酸とアルカリのバランスを調節する重要な役割を持っています。また、蛋白質の代謝で生じる尿素など、生命活動によって発生した不要な物質を尿として排出します。腎臓は体内環境を一定に保つために重要な器官です。

(4) 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

不適切です。BUNは、蛋白質が分解されて生じた尿素に含まれる窒素の量を示す検査値です。尿素は主に肝臓で作られ、血液によって腎臓へ運ばれ、尿中に排出されます。腎臓の機能が低下すると、尿素を十分に排出できなくなるため、血液中に尿素窒素がたまり、BUNは一般に高くなります。つまり、腎機能低下で問題となるのは「BUNの低下」ではなく「BUNの上昇」です。この記述は高くなるべきところを低くなるとしているため誤りです。

(5) 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分は全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。

適切です。尿の大部分は水分で、残りに尿素、尿酸、クレアチニン、電解質などの成分が含まれています。尿には、腎臓の働きだけでなく、糖代謝、蛋白代謝、体内の水分状態などが反映されます。たとえば、尿糖、尿蛋白、尿潜血などは健康診断でもよく調べられる項目です。尿検査は身体への負担が少なく、全身状態を把握する手がかりになるため、広く実施されています。

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この問題で覚えるポイント

腎臓では、腎小体で血液がろ過されて原尿が作られ、尿細管で必要な水分や成分が再吸収され、残った不要物が尿として排出されます。腎小体は「ろ過」、尿細管は「再吸収」と整理すると正誤判断がしやすくなります。原尿には身体に必要な成分も含まれるため、すべてが尿になるわけではありません。尿の生成は、老廃物の排出だけでなく、水分量、ナトリウムなどの電解質、体内環境の調節にも関係します。BUNは血液中の尿素窒素を示す値で、腎機能が低下すると尿素の排出が滞るため、一般に上昇します。尿は約95%が水分で、約5%が固形物です。尿検査では、尿蛋白、尿糖、尿潜血などを通じて、腎臓や全身の健康状態を確認できます。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、BUNの「高くなる」と「低くなる」を入れ替えている点です。BUNは腎臓で排出される尿素に関係するため、腎機能が低下すると血液中にたまりやすくなります。日常感覚では「身体の機能が低下するなら検査値も低くなる」と考えてしまいがちですが、老廃物の排出機能が低下する場合は、血液中の老廃物が増える方向に変化します。また、原尿と尿を混同しないことも重要です。原尿は、ろ過された直後の液体であり、身体に必要な成分も多く含まれています。最終的な尿は、尿細管で再吸収された後に残ったものです。腎小体はろ過、尿細管は再吸収、BUNは腎機能低下で上昇と結び付けて覚えると、同じテーマの問題にも対応しやすくなります。

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