【第二種衛生管理者過去問】2025年4月公表問題|問23|呼吸の基礎知識|呼吸運動・肺胞ガス交換・呼吸中枢の働き|労働生理を解説

出典:第二種衛生管理者2025年(令和7年度)4月公表問題|労働生理第23問

問題

呼吸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 呼吸運動は、肋(ろっ)間筋、横隔膜などの呼吸筋によって胸郭内容積を周期的に増減し、それに伴って肺を伸縮させることにより行われる。

(2) 胸郭内容積が増し、その内圧が低くなるにつれ、鼻腔(くう)、気管などの気道を経て肺内へ流れ込む空気が吸気である。

(3) 肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、外呼吸である。

(4) 呼吸数は、通常、1分間に16~20回で、成人の安静時の1回呼吸量は、約500mLである。

(5) 身体活動時には、血液中の二酸化炭素分圧の上昇などにより間脳の視床下部にある呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加する。

第二種衛生管理者|呼吸の基礎知識|呼吸運動・肺胞ガス交換・呼吸中枢の働きを解説

呼吸は、呼吸筋による胸郭の拡大と縮小、肺胞でのガス交換、血液中の二酸化炭素分圧などによる調節によって成り立っています。答えは(5)です。身体活動時に1回換気量や呼吸数が増えるという部分は正しいですが、呼吸中枢は間脳の視床下部ではなく、主に延髄にあります。呼吸中枢の場所を正確に覚えておくことが、この問題の正誤判断の中心です。

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(1) 呼吸運動は、肋(ろっ)間筋、横隔膜などの呼吸筋によって胸郭内容積を周期的に増減し、それに伴って肺を伸縮させることにより行われる。

適切です。呼吸運動は、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋の働きによって行われます。吸気では、横隔膜が収縮して下がり、肋間筋の働きで胸郭が広がるため、胸郭内容積が増加します。その結果、肺も広がり、外気が肺内へ入ります。呼気では、呼吸筋が弛緩して胸郭内容積が小さくなり、肺が縮むことで空気が外へ出ます。肺そのものが自力で大きく動くというより、胸郭の動きに伴って受動的に伸縮すると考えると理解しやすいです。

(2) 胸郭内容積が増し、その内圧が低くなるにつれ、鼻腔(くう)、気管などの気道を経て肺内へ流れ込む空気が吸気である。

適切です。吸気は、胸郭内容積が増えることで胸腔内の圧力が低下し、外気が鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支を通って肺内へ流れ込む現象です。空気は圧力の高いところから低いところへ移動するため、胸郭が広がって肺内圧が外気圧より低くなると、自然に空気が肺へ入ります。呼吸の仕組みでは、筋肉の収縮によって空気を押し込むのではなく、圧力差によって空気が流入する点が重要です。

(3) 肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、外呼吸である。

適切です。外呼吸とは、肺胞内の空気と肺胞周囲の毛細血管を流れる血液との間で行われる酸素と二酸化炭素の交換をいいます。肺胞内の酸素は血液中へ移動し、血液中の二酸化炭素は肺胞内へ移動して呼気として排出されます。これに対して、血液と全身の組織細胞との間で行われるガス交換は内呼吸です。外呼吸は肺でのガス交換、内呼吸は組織でのガス交換と整理すると覚えやすいです。

(4) 呼吸数は、通常、1分間に16~20回で、成人の安静時の1回呼吸量は、約500mLである。

適切です。成人の安静時の呼吸数は、通常1分間に16~20回程度とされます。また、安静時に1回の呼吸で出入りする空気の量である1回呼吸量は、約500mLです。試験では、呼吸数や1回呼吸量などの基本的な数値がそのまま問われることがあります。特に、1回呼吸量約500mLという数値は頻出ですので、呼吸の基礎知識として押さえておくと安心です。

(5) 身体活動時には、血液中の二酸化炭素分圧の上昇などにより間脳の視床下部にある呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加する。

不適切です。身体活動時に血液中の二酸化炭素分圧が上昇し、それによって呼吸が促進され、1回換気量や呼吸数が増加するという部分は正しいです。しかし、呼吸中枢の位置が誤っています。呼吸中枢は主に延髄にあります。間脳の視床下部は、体温調節、自律神経系、内分泌機能などに深く関係する部位ですが、呼吸リズムを直接調節する中心として覚えるべき場所ではありません。この選択肢は、後半の「間脳の視床下部にある呼吸中枢」という部分が誤りです。

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この問題で覚えるポイント

呼吸運動は、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋によって胸郭内容積を変化させ、肺を伸縮させることで行われます。吸気では胸郭内容積が増え、肺内圧が低下するため、外気が気道を通って肺内へ流入します。肺胞内の空気と肺胞周囲の毛細血管中の血液とのガス交換は外呼吸であり、血液と組織細胞とのガス交換は内呼吸です。成人の安静時の呼吸数は通常1分間に16~20回、1回呼吸量は約500mLです。身体活動時には、血液中の二酸化炭素分圧の上昇などが刺激となって呼吸が促進され、1回換気量と呼吸数が増加します。呼吸中枢は主に延髄にあるため、視床下部や大脳など別の部位と混同しないことが重要です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、文章の大部分が正しい中に、呼吸中枢の位置だけを誤って入れている点です。身体活動時に二酸化炭素分圧が上昇し、呼吸が増えるという流れは自然で正しいため、そのまま正しい選択肢だと判断しやすくなっています。しかし、試験では「働きは正しいが、器官や部位が違う」という形の誤りがよく出ます。視床下部は自律神経や体温調節に関係する重要な部位なので、呼吸調節とも関係がありそうに見えますが、呼吸中枢として押さえるべき中心は延髄です。呼吸の問題では、外呼吸と内呼吸の違い、吸気時の圧力変化、呼吸数と1回呼吸量の数値、呼吸中枢の位置をセットで確認すると、同じテーマの問題にも対応しやすくなります。

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