【第二種衛生管理者過去問】2021年10月公表問題|問21|神経系の基礎知識|ニューロン・体性神経・自律神経の働き|労働生理を解説

出典:第二種衛生管理者2021年(令和3年度)10月公表問題|労働生理第21問

問題

神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 神経系を構成する基本的な単位である神経細胞は、通常、1個の細胞体、1本の軸索及び複数の樹状突起から成り、ニューロンともいわれる。

(2) 体性神経は、運動及び感覚に関与し、自律神経は、呼吸、循環などに関与する。

(3) 大脳の皮質は、神経細胞の細胞体が集まっている灰白質で、感覚、思考などの作用を支配する中枢として機能する。

(4) 交感神経系と副交感神経系は、各種臓器において双方の神経線維が分布し、相反する作用を有している。

(5) 交感神経系は、身体の機能をより活動的に調節する働きがあり、心拍数を増加させたり、消化管の運動を高める。

第二種衛生管理者|神経系の基礎知識|ニューロン・体性神経・自律神経の働きを解説を解説

神経系は、身体の情報伝達と調節を担う仕組みです。答えは(5)です。交感神経系は身体を活動的な状態にするため、心拍数を増加させる働きがありますが、消化管の運動は高めるのではなく、一般に抑制します。活動時には筋肉や心臓への血流を優先し、消化活動は控えめになると理解すると覚えやすいです。

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(1) 神経系を構成する基本的な単位である神経細胞は、通常、1個の細胞体、1本の軸索及び複数の樹状突起から成り、ニューロンともいわれる。

適切です。神経細胞はニューロンとも呼ばれ、神経系の基本単位です。一般に、神経細胞は細胞体、軸索、樹状突起から成ります。樹状突起は他の神経細胞などから刺激を受け取る部分で、軸索は刺激を遠くへ伝える部分です。細胞体は神経細胞の中心部分で、細胞の生命活動を保つ役割を持ちます。神経の問題では、ニューロンという用語と、細胞体、軸索、樹状突起の組合せがよく問われます。

(2) 体性神経は、運動及び感覚に関与し、自律神経は、呼吸、循環などに関与する。

適切です。体性神経は、手足を動かす運動や、痛み、温度、触覚などの感覚に関係します。自律神経は、心臓の拍動、血管の収縮や拡張、呼吸、消化、発汗など、生命維持に関わる働きを調節します。体性神経は意識して動かす働きに関係しやすく、自律神経は意識しなくても働く内臓機能の調節に関係すると整理すると理解しやすいです。

(3) 大脳の皮質は、神経細胞の細胞体が集まっている灰白質で、感覚、思考などの作用を支配する中枢として機能する。

適切です。大脳の表面にある大脳皮質は、神経細胞の細胞体が多く集まる灰白質です。大脳皮質は、感覚、運動、思考、判断、記憶、言語など、高度な精神活動に関わる中枢として機能します。灰白質は神経細胞の細胞体が多い部分、白質は神経線維が多い部分と整理しておくと、脳や脊髄の構造問題にも対応しやすくなります。

(4) 交感神経系と副交感神経系は、各種臓器において双方の神経線維が分布し、相反する作用を有している。

適切です。自律神経は主に交感神経系と副交感神経系に分けられ、多くの臓器では両者が反対方向の働きをします。交感神経系は活動時や緊張時に優位になり、心拍数を増やし、血圧を上げ、瞳孔を開く方向に働きます。副交感神経系は休息時に優位になり、心拍数を下げ、消化管の運動や消化液の分泌を促進します。両者は身体の状態に応じてバランスを取りながら働いています。

(5) 交感神経系は、身体の機能をより活動的に調節する働きがあり、心拍数を増加させたり、消化管の運動を高める。

不適切です。交感神経系が身体を活動的に調節し、心拍数を増加させるという部分は正しいです。しかし、消化管の運動を高めるという部分が誤りです。交感神経系が優位になると、身体は運動や緊張に備える状態になります。そのため、心臓や骨格筋への血流を優先し、消化管の運動や消化液の分泌は一般に抑制されます。消化管の運動を高めるのは、主に副交感神経系の働きです。

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この問題で覚えるポイント

神経系の基本単位はニューロンであり、通常、細胞体、軸索、樹状突起から成ります。体性神経は運動と感覚に関係し、自律神経は呼吸、循環、消化、発汗などの内臓機能を調節します。大脳皮質は神経細胞の細胞体が集まる灰白質で、感覚、思考、判断などの中枢として働きます。自律神経は交感神経系と副交感神経系に分かれ、交感神経系は活動時、緊張時、ストレス時に優位となり、心拍数増加、血圧上昇、瞳孔散大、消化管運動の抑制に働きます。副交感神経系は休息時や食後に優位となり、心拍数低下、消化管運動の促進、消化液分泌の促進に働きます。試験では、交感神経は活動、副交感神経は休息と消化、という対比で覚えると正誤判断がしやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、交感神経系について「身体を活動的にする」「心拍数を増加させる」という正しい内容の後に、「消化管の運動を高める」という誤った内容を混ぜている点です。文章の前半が正しいと、後半もそのまま正しいと判断してしまいやすくなります。交感神経系は身体を活動モードにするため、心臓や筋肉の働きは高めますが、消化活動は後回しにします。日常感覚では、身体が活発なら消化管も活発になりそうに思えますが、専門知識としては逆です。自律神経の問題では、心拍、瞳孔、血圧、消化管運動のどれを促進し、どれを抑制するかをセットで確認することが大切です。

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