出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)10月公表問題|労働衛生第11問
問題
事務室内において、空気を外気と入れ換えて二酸化炭素濃度を1,000ppm以下に保った状態で、在室することのできる最大の人数は次のうちどれか。
ただし、外気の二酸化炭素濃度を400ppm、外気と入れ換える空気量を600m3/h、1人当たりの呼出二酸化炭素量を0.016m3/hとする。
(1) 10人
(2) 14人
(3) 18人
(4) 22人
(5) 26人
第二種衛生管理者|事務室の必要換気量と在室可能人数計算|二酸化炭素濃度1,000ppm問題を解説
この問題では、換気によって許容できる二酸化炭素量から、在室できる最大人数を計算します。室内の二酸化炭素濃度を1,000ppm以下に保つには、外気400ppmとの差である600ppm分だけ、在室者が出す二酸化炭素を換気で薄められることになります。600m3/hの外気に対して許容される二酸化炭素量は、600×0.0006=0.36m3/hです。1人が出す二酸化炭素量は0.016m3/hなので、0.36÷0.016=22.5人となります。最大人数は小数点以下を切り捨てるため、答えは22人です。

(1) 10人
不適切です。その理由は、計算結果である22.5人より大幅に少ない人数だからです。10人であれば二酸化炭素濃度を1,000ppm以下に保つことはできますが、この問題は「在室することのできる最大の人数」を問うています。安全側に少なく見積もるのではなく、条件内で最大何人まで可能かを求める必要があります。
(2) 14人
不適切です。その理由は、必要換気量の計算ではなく、許容できる二酸化炭素量から人数を求める必要があるためです。外気400ppm、室内基準1,000ppmという差を使うと、許容される濃度上昇は600ppmです。600m3/hの換気量に600ppmを掛けると0.36m3/hとなり、これを1人当たり0.016m3/hで割ると22.5人になります。14人は最大人数ではありません。
(3) 18人
不適切です。その理由は、計算途中で小さく見積もってしまった場合に選びやすい人数ですが、正しい計算結果とは一致しないからです。ppmは100万分の1を表す単位なので、600ppmは0.0006として計算します。600m3/h×0.0006=0.36m3/hとなり、0.36m3/h÷0.016m3/h=22.5人です。18人では、まだ在室可能人数に余裕があります。
(4) 22人
適切です。その理由は、計算上の在室可能人数が22.5人となり、最大の整数人数が22人になるからです。二酸化炭素濃度の上限は1,000ppm、外気は400ppmなので、許される増加分は600ppmです。600ppmは0.0006に当たるため、600m3/hの換気で処理できる二酸化炭素量は600×0.0006=0.36m3/hです。1人当たりの呼出二酸化炭素量0.016m3/hで割ると22.5人となりますが、0.5人は存在しないため、基準を超えない最大人数は22人です。
(5) 26人
不適切です。その理由は、22.5人を超えているため、二酸化炭素濃度が1,000ppmを超えるおそれがあるからです。26人が在室すると、26×0.016=0.416m3/hの二酸化炭素が発生します。換気で許容できる量は0.36m3/hなので、発生量が処理可能量を上回ります。人数計算では、小数点以下を切り上げるのではなく、基準を超えないように切り捨てることが重要です。
この問題で覚えるポイント
事務室の換気計算では、室内の許容二酸化炭素濃度と外気の二酸化炭素濃度との差を使います。1,000ppm以下に保つ条件で外気が400ppmなら、許容される上昇分は600ppmです。ppmは100万分の1なので、600ppmは0.0006として扱います。換気量にこの濃度差を掛けると、換気によって処理できる二酸化炭素量が求められます。その値を1人当たりの呼出二酸化炭素量で割ると、在室可能人数が出ます。計算結果に小数が出た場合は、基準を超えない最大人数を答えるため、小数点以下を切り捨てます。必要換気量の問題では「人数から換気量を求める」場合と、「換気量から人数を求める」場合がありますが、どちらも基本は二酸化炭素の発生量と換気による希釈量のバランスで考えると対応できます。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、1,000ppmだけを使って計算してしまう点です。実際には外気にも400ppmの二酸化炭素が含まれているため、室内で新たに増えてよい分は1,000ppmではなく600ppmです。また、ppmをそのまま600として計算するのではなく、0.0006に換算する必要があります。さらに、22.5人という結果が出たときに、四捨五入して23人や、それに近い大きい人数を選びたくなる点にも注意が必要です。この問題では濃度を基準以下に保つことが条件なので、小数点以下は切り捨てます。換気量、ppm、1人当たりの二酸化炭素発生量が並ぶ問題では、「室内基準と外気との差を使う」「ppmを割合に直す」「最後は切り捨てる」という流れを固定して覚えると、同じ形式の問題に対応しやすくなります。
