【第二種衛生管理者過去問】2023年10月公表問題|問28|耳の構造と聴覚・平衡感覚の仕組み|有毛細胞・半規管・前庭|労働生理を解説

出典:第二種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|労働生理第28問

問題

耳とその機能に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 騒音性難聴は、音を神経に伝達する内耳の聴覚器官の有毛細胞の変性によって起こる。

(2) 耳介で集められた音は、鼓膜を振動させ、その振動は耳小骨によって増幅され、内耳に伝えられる。

(3) 内耳は、前庭、半規管及び蝸(か)牛(うずまき管)の三つの部位からなり、前庭と半規管が平衡感覚、蝸牛が聴覚をそれぞれ分担している。

(4) 前庭は、体の回転の方向や速度を感じ、半規管は、体の傾きの方向や大きさを感じる。

(5) 鼓室は、耳管によって咽頭に通じており、その内圧は外気圧と等しく保たれている。

第二種衛生管理者|第二種衛生管理者過去問|耳の構造と聴覚・平衡感覚の仕組み|有毛細胞・半規管・前庭を解説を解説

耳の構造では、音を伝える経路と、内耳で聴覚や平衡感覚を受け持つ部位の役割分担が重要です。答えは(4)です。前庭は体の傾きや直線方向の動きを感じ、半規管は体の回転の方向や速度を感じます。この選択肢は前庭と半規管の働きを逆にしているため、誤りです。

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(1) 騒音性難聴は、音を神経に伝達する内耳の聴覚器官の有毛細胞の変性によって起こる。

適切です。騒音性難聴は、大きな音や長期間の騒音ばく露によって、内耳の蝸牛にある有毛細胞が障害されることで起こります。有毛細胞は、音の振動を神経の信号に変換する重要な細胞です。この細胞が傷つくと、音の情報をうまく神経に伝えられなくなり、聴力低下が生じます。衛生管理者試験では、騒音性難聴は内耳の障害であり、有毛細胞の変性が関係する、と押さえると判断しやすくなります。

(2) 耳介で集められた音は、鼓膜を振動させ、その振動は耳小骨によって増幅され、内耳に伝えられる。

適切です。耳介は外からの音を集め、外耳道を通じて鼓膜に伝えます。鼓膜が振動すると、その振動は中耳にある耳小骨へ伝わります。耳小骨は、つち骨、きぬた骨、あぶみ骨からなり、鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝える役割を持っています。音の伝わり方は、耳介、外耳道、鼓膜、耳小骨、内耳の順に整理して覚えるとよいです。

(3) 内耳は、前庭、半規管及び蝸(か)牛(うずまき管)の三つの部位からなり、前庭と半規管が平衡感覚、蝸牛が聴覚をそれぞれ分担している。

適切です。内耳には、聴覚に関わる蝸牛と、平衡感覚に関わる前庭、半規管があります。蝸牛は音の振動を神経信号に変換する部位です。前庭と半規管は、体の傾きや回転などを感知し、姿勢やバランスの保持に関わります。内耳は聴覚だけでなく平衡感覚にも関わる点が、試験でよく問われます。

(4) 前庭は、体の回転の方向や速度を感じ、半規管は、体の傾きの方向や大きさを感じる。

不適切です。前庭と半規管の働きが逆になっています。前庭は、体の傾きの方向や大きさ、直線方向の加速度を感じます。半規管は、体が回転するときの方向や速度を感じます。つまり、傾きや直線的な動きは前庭、回転は半規管と整理します。この問題では、どちらも平衡感覚に関係するため混同しやすいですが、正誤判断では役割の対応関係を正確に押さえることが大切です。

(5) 鼓室は、耳管によって咽頭に通じており、その内圧は外気圧と等しく保たれている。

適切です。鼓室は中耳にある空間で、耳管によって咽頭とつながっています。耳管には、鼓室内の圧力を外気圧と等しく保つ働きがあります。飛行機や高い山などで耳が詰まったように感じるのは、鼓室内圧と外気圧に差が生じるためです。耳管が開くことで圧力差が調整され、鼓膜が正常に振動しやすい状態が保たれます。

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この問題で覚えるポイント

耳は、外耳、中耳、内耳に分けて整理すると理解しやすくなります。外耳は耳介と外耳道を含み、音を集めて鼓膜へ導きます。中耳には鼓膜、鼓室、耳小骨、耳管があり、音の振動を増幅して内耳に伝えます。耳小骨は鼓膜の振動を内耳へ効率よく伝えるための構造です。耳管は鼓室と咽頭をつなぎ、鼓室内の圧力を外気圧と等しく保ちます。内耳は、蝸牛、前庭、半規管からなります。蝸牛は聴覚を担当し、有毛細胞によって音の振動を神経信号に変換します。騒音性難聴は、主に蝸牛の有毛細胞が障害されることで起こります。前庭は体の傾きや直線方向の動きを感じ、半規管は回転の方向や速度を感じます。試験では、蝸牛は聴覚、前庭は傾き、半規管は回転、耳管は圧力調整、という対応関係を正確に覚えることが重要です。

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ひっかけポイント

このテーマで最も狙われやすいのは、前庭と半規管の役割の入れ替えです。どちらも内耳にあり、どちらも平衡感覚に関係するため、文章全体がもっともらしく見えます。しかし、前庭は体の傾きや直線的な動き、半規管は回転運動を感じる器官です。この対応を曖昧にしたまま読むと、「どちらも平衡感覚だから正しい」と判断してしまいやすくなります。また、騒音性難聴については、鼓膜や耳小骨の異常ではなく、内耳の有毛細胞の障害である点が重要です。耳の問題では、部位の名前だけで判断せず、その部位が聴覚、平衡感覚、音の増幅、圧力調整のどの役割を担っているかまで結び付けて読むことが、安定して正解するためのコツです。

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