【第二種衛生管理者過去問】2024年10月公表問題|問15|職場における腰痛予防対策指針と重量物取扱い基準|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2024年(令和6年度)10月公表問題|労働衛生第15問

問題

厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく腰痛予防対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 作業動作、作業姿勢についての作業標準の策定は、その作業に従事する全ての労働者に一律な作業をさせることになり、個々の労働者の腰痛の発生要因の排除又は低減ができないため、腰痛の予防対策としては適切ではない。

(2) 介護・看護作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を行う。

(3) 重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の男性労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、体重のおおむね40%以下とする。

(4) 重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の女性労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、男性が取り扱うことのできる重量の60%位までとする。

(5) 床面などから荷物を持ち上げる場合には、片足を少し前に出し、膝を曲げ、腰を十分に降ろして当該荷物をかかえ、膝を伸ばすことによって立ち上がるようにする。

第二種衛生管理者|職場における腰痛予防対策指針と重量物取扱い基準を解説

腰痛予防対策では、重量物の取扱い基準、作業姿勢、作業標準、健康診断の実施時期などがよく問われます。答えは(1)です。作業標準の策定は、一律に無理な作業をさせるためのものではなく、腰部に過度な負担がかからない作業動作や作業姿勢を明確にし、腰痛の発生要因を減らすための重要な対策です。

下に移動する

【第二種衛生管理者過去問】2024年10月公表問題|問15|職場における腰痛予防対策指針と重量物取扱い基準|労働衛生を解説する画像__2syu-2024-10-eisei-q15

下に移動する

(1) 作業動作、作業姿勢についての作業標準の策定は、その作業に従事する全ての労働者に一律な作業をさせることになり、個々の労働者の腰痛の発生要因の排除又は低減ができないため、腰痛の予防対策としては適切ではない。

不適切です。作業動作や作業姿勢について作業標準を策定することは、腰痛予防対策として適切です。作業標準とは、無理な姿勢、急なひねり、前かがみ姿勢、重量物を身体から離して持つ動作などを避けるために、安全な作業方法をあらかじめ定めるものです。腰痛は、個人の筋力や体格だけでなく、作業姿勢、作業方法、作業時間、重量物の持ち方などによって発生しやすくなります。そのため、標準的な作業方法を決め、労働者に周知し、必要に応じて個々の労働者の状況に合わせて改善することが大切です。この選択肢は、作業標準の策定を「一律な作業をさせるだけで不適切」としている点が誤りです。

(2) 介護・看護作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を行う。

適切です。介護・看護作業では、利用者や患者の移乗、体位変換、入浴介助などにより、腰部に大きな負担がかかりやすくなります。そのため、腰痛の早期発見と悪化防止のために、配置時とその後6か月以内ごとに1回、定期に医師による腰痛の健康診断を行うことが求められます。腰痛は一度悪化すると長期化しやすいため、症状が軽いうちに把握し、作業方法や作業環境を見直すことが重要です。

(3) 重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の男性労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、体重のおおむね40%以下とする。

適切です。重量物を人力だけで取り扱う場合、満18歳以上の男性労働者については、取り扱う重量を体重のおおむね40%以下とすることが目安とされています。たとえば体重60kgの男性であれば、24kg程度までが目安になります。ただし、これは単に重量だけを見ればよいという意味ではありません。持ち上げる高さ、運ぶ距離、作業頻度、姿勢、荷物の持ちやすさなどによって腰部への負担は変わります。試験では、男性は体重のおおむね40%以下という数値を正確に覚えておくことが重要です。

(4) 重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の女性労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、男性が取り扱うことのできる重量の60%位までとする。

適切です。重量物取扱い作業において、満18歳以上の女性労働者が人力だけで取り扱う重量は、男性が取り扱うことのできる重量の60%位までとされています。男性の基準が体重のおおむね40%以下であるため、女性の場合はその60%程度が目安になります。これは、一般的な筋力差や身体的負担を考慮した基準です。もちろん実際の職場では、性別だけでなく個人差や作業条件も考慮し、無理な重量物取扱いを避けることが必要です。

(5) 床面などから荷物を持ち上げる場合には、片足を少し前に出し、膝を曲げ、腰を十分に降ろして当該荷物をかかえ、膝を伸ばすことによって立ち上がるようにする。

適切です。床面から荷物を持ち上げるときは、腰だけを曲げて前かがみで持ち上げると、腰椎や腰部の筋肉に大きな負担がかかります。腰痛を防ぐには、片足を少し前に出して姿勢を安定させ、膝を曲げて腰を十分に下ろし、荷物を身体に近づけて抱えるように持ち、膝を伸ばす力を使って立ち上がることが大切です。腕や腰だけで持ち上げるのではなく、脚の力を使うことが腰痛予防の基本です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

職場における腰痛予防対策では、重量物取扱い、作業姿勢、作業標準、健康診断が重要です。重量物取扱い作業では、満18歳以上の男性が人力のみで取り扱う重量は体重のおおむね40%以下、満18歳以上の女性は男性が取り扱うことのできる重量の60%位までとします。床面から荷物を持ち上げるときは、膝を曲げて腰を下ろし、荷物を身体に近づけ、膝を伸ばして立ち上がる姿勢が基本です。腰を曲げたまま腕や腰の力だけで持ち上げる動作は腰痛リスクを高めます。介護・看護作業に常時従事する労働者には、配置時とその後6か月以内ごとに1回、医師による腰痛の健康診断を行います。作業標準は、労働者を機械的に同じ動作へ縛るものではなく、腰部への負担が少ない作業方法を明確にし、腰痛の発生要因を排除または低減するための対策です。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、作業標準という言葉を「全員に同じ作業を強制するもの」と悪い意味に見せている点です。実際には、作業標準は腰痛予防のために安全な姿勢や動作を定める重要な管理方法です。また、重量物取扱いの数値は、男性は体重のおおむね40%以下、女性は男性基準の60%位までという組合せで出題されやすく、過去問では50%などの誤った数値に置き換えられることがあります。日常感覚では「持てるなら大丈夫」と考えがちですが、衛生管理者試験では、持てるかどうかではなく、腰部負担を予防する基準に合っているかで判断します。介護・看護作業の腰痛健康診断は6か月以内ごとに1回という周期も狙われやすいため、重量基準とあわせて正確に覚えておくことが大切です。

現在売れている衛生管理者テキストはこちら

人気の教材ランキングを確認できます。

次の問題へ