出典:第二種衛生管理者2024年(令和6年度)10月公表問題|関係法令第7問
問題
事業場の建築物、施設等に関する措置について、労働安全衛生規則の衛生基準に違反していないものは次のうちどれか。
(1) 日常行う清掃のほか、大掃除を、1年に1回、定期に、統一的に行っている。
(2) 男性25人、女性25人の労働者を常時使用している事業場で、労働者が臥(が)床することのできる休養室又は休養所を男性用と女性用に区別して設けていない。
(3) 60人の労働者を常時就業させている屋内作業場の気積が、設備の占める容積及び床面から4mを超える高さにある空間を除き、500m3となっている。
(4) 事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、0.8m2としている。
(5) 労働者を常時就業させる場所の作業面の照度を、一般的な事務作業は300ルクス以上、付随的な事務作業は150ルクス以上としている。
第二種衛生管理者|労働安全衛生規則の衛生基準と作業環境要件を解説
この問題では、清掃、休養室、気積、食堂、照度など、事業場の基本的な衛生基準が問われています。正解は(5)です。一般的な事務作業の作業面照度は300ルクス以上、付随的な事務作業は150ルクス以上とされており、現行の基準に合っています。ほかの選択肢は、大掃除の頻度、休養室の男女別設置、気積の計算、食堂の床面積の基準に違反しています。

(1) 日常行う清掃のほか、大掃除を、1年に1回、定期に、統一的に行っている。
不適切です。その理由は、労働安全衛生規則では、日常行う清掃のほか、大掃除を6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に行うこととされているためです。1年に1回では頻度が不足します。試験では「6か月以内ごと」と「1年以内ごと」を入れ替えて出題されることがあるため、清掃に関する数値は正確に覚える必要があります。
(2) 男性25人、女性25人の労働者を常時使用している事業場で、労働者が臥(が)床することのできる休養室又は休養所を男性用と女性用に区別して設けていない。
不適切です。その理由は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用する事業場では、労働者が臥床できる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならないためです。この事業場は男性25人、女性25人で合計50人です。女性は30人未満ですが、常時50人以上の労働者を使用しているため、男女別の休養室又は休養所が必要です。
(3) 60人の労働者を常時就業させている屋内作業場の気積が、設備の占める容積及び床面から4mを超える高さにある空間を除き、500m3となっている。
不適切です。その理由は、屋内作業場の気積は、労働者1人について10m3以上必要だからです。また、気積を計算するときは、設備の占める容積と、床面から4mを超える高さにある空間を除きます。60人であれば、必要な気積は60人×10m3で600m3以上です。500m3では不足しているため、衛生基準に違反します。
(4) 事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、0.8m2としている。
不適切です。その理由は、事業場に附属する食堂の床面積は、食事の際の1人について1m2以上としなければならないためです。0.8m2では基準を満たしません。食堂は単に食事をとる場所ではなく、労働者が衛生的に休憩し、食事を行うための施設です。そのため、人数に応じた十分な床面積が求められます。
(5) 労働者を常時就業させる場所の作業面の照度を、一般的な事務作業は300ルクス以上、付随的な事務作業は150ルクス以上としている。
適切です。その理由は、労働者を常時就業させる場所の作業面の照度について、一般的な事務作業は300ルクス以上、付随的な事務作業は150ルクス以上とされているためです。照度が不足すると、眼精疲労、作業能率の低下、ミスの増加につながるおそれがあります。現行法令に合わせた照度基準として、この選択肢は正しい内容です。
この問題で覚えるポイント
労働安全衛生規則の衛生基準では、日常清掃に加えて大掃除は6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に行うことが必要です。休養室又は休養所は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用する事業場で設置が必要となり、労働者が臥床できるものを男女別に設けます。屋内作業場の気積は労働者1人について10m3以上必要で、計算では設備の占める容積と床面から4mを超える高さの空間を除きます。食堂の床面積は食事の際の1人について1m2以上必要です。照度については、一般的な事務作業は300ルクス以上、付随的な事務作業は150ルクス以上が基準です。衛生基準の問題では、数字そのものだけでなく、「何人以上で必要か」「どの空間を除いて計算するか」「現行法令の基準か」をセットで押さえることが重要です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、いずれも日常感覚では正しそうに見える数値が使われている点です。大掃除は1年に1回でも十分に感じられますが、法令上は6か月以内ごとに1回です。休養室は女性30人以上という条件だけに目が行くと、女性25人だから不要と判断しがちですが、常時50人以上という別条件にも注意が必要です。気積は500m3という大きな数値に見えても、60人なら600m3以上が必要です。食堂の0.8m2も一見わずかな差に見えますが、基準は1人について1m2以上です。照度は法改正により現行基準への対応が問われやすいため、古い知識で判断しないことが大切です。数値問題では、見た目の妥当性ではなく、法令上の基準値に正確に照らして判断することが正答につながります。
