出典:第二種衛生管理者2025年(令和7年度)10月公表問題|関係法令第3問
問題
衛生委員会に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1) 衛生委員会の議長を除く委員の半数については、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。
(2) 衛生委員会の議長は、原則として、総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した委員がなるものとする。
(3) 事業場に専属ではないが、衛生管理者として選任している労働衛生コンサルタントを、衛生委員会の委員として指名することができる。
(4) 作業環境測定を外部の作業環境測定機関に委託して実施している場合、当該作業環境測定を実施している作業環境測定士を、衛生委員会の委員として指名することができる。
(5) 衛生委員会の付議事項には、長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関することが含まれる。
第二種衛生管理者|衛生委員会の委員構成と付議事項のルールを解説
衛生委員会は、労働者の健康障害防止や健康保持増進について、事業場内で調査審議するための組織です。答えは(4)です。衛生委員会の委員として指名できる作業環境測定士は、原則としてその事業場の労働者である作業環境測定士です。外部機関の作業環境測定士を、そのまま法定の衛生委員会の委員として指名できるわけではありません。

(1) 衛生委員会の議長を除く委員の半数については、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。
適切です。衛生委員会は、事業者側だけで構成するのではなく、労働者側の意見を反映できる構成にする必要があります。議長を除く委員の半数は、過半数労働組合がある場合はその労働組合の推薦に基づき、過半数労働組合がない場合は労働者の過半数代表者の推薦に基づいて、事業者が指名します。衛生委員会は労働者の健康に関する重要事項を審議する場であるため、労働者側の参加が制度上確保されています。
(2) 衛生委員会の議長は、原則として、総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した委員がなるものとする。
適切です。衛生委員会の議長は、事業場の安全衛生管理を統括する立場の者が務めるのが原則です。具体的には、総括安全衛生管理者、又はその事業場で事業の実施を統括管理する者やこれに準ずる者のうちから、事業者が指名した委員が議長となります。衛生委員会では健康障害防止対策など事業場全体に関わる事項を審議するため、実際に事業場を管理する権限を持つ者が議長となる仕組みです。
(3) 事業場に専属ではないが、衛生管理者として選任している労働衛生コンサルタントを、衛生委員会の委員として指名することができる。
適切です。衛生委員会の委員には、衛生管理者のうちから事業者が指名した者を含めることができます。労働衛生コンサルタントであって、衛生管理者として選任されている者であれば、衛生委員会の委員として指名することができます。ここでは「専属ではない」という表現に迷いやすいですが、ポイントは、その者が衛生管理者として選任されているかどうかです。
(4) 作業環境測定を外部の作業環境測定機関に委託して実施している場合、当該作業環境測定を実施している作業環境測定士を、衛生委員会の委員として指名することができる。
不適切です。衛生委員会の委員として指名できる作業環境測定士は、原則としてその事業場の労働者である作業環境測定士です。外部の作業環境測定機関に所属し、委託を受けて測定を行っている作業環境測定士は、その事業場の労働者ではありません。そのため、法定の衛生委員会の委員として当然に指名できるわけではありません。外部専門家から意見を聞くこと自体は有益ですが、それは委員として指名することとは区別して考える必要があります。
(5) 衛生委員会の付議事項には、長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関することが含まれる。
適切です。衛生委員会では、労働者の健康障害を防止するための基本的対策を調査審議します。長時間労働は、脳血管疾患、心臓疾患、メンタルヘルス不調などのリスクと関係するため、長時間労働による健康障害防止対策の樹立は衛生委員会の重要な付議事項です。衛生委員会は単に作業環境だけを扱う組織ではなく、健康診断、メンタルヘルス、過重労働対策など、労働者の健康管理全般に関わります。
この問題で覚えるポイント
衛生委員会は、常時50人以上の労働者を使用する事業場で設置が必要となる委員会です。委員構成では、議長を除く委員の半数について、過半数労働組合又は過半数代表者の推薦に基づき指名する点が重要です。議長は、総括安全衛生管理者又は事業場で事業の実施を統括管理する者などから事業者が指名します。委員には、衛生管理者、産業医、労働者のうち衛生に関し経験を有する者などが含まれます。作業環境測定士については、その事業場の労働者である作業環境測定士を指名できるのであって、外部委託先の測定士をそのまま法定委員にできるわけではありません。付議事項では、健康障害防止対策、健康保持増進対策、労働災害の原因調査と再発防止、長時間労働による健康障害防止対策などが問われます。
ひっかけポイント
この問題の大きなひっかけは、「専門家なら委員にできそう」と思わせる点です。外部の作業環境測定士は専門知識を持っているため、衛生委員会の委員にできるように見えます。しかし、法令上の委員として指名できる者かどうかは、専門性だけでなく、その事業場の労働者かどうか、どの立場で選任されているかが重要です。また、労働衛生コンサルタントは専属でなくても、衛生管理者として選任されていれば委員にできるため、外部専門家に関する判断が混同しやすくなっています。「外部の専門家として関与できること」と「衛生委員会の法定委員として指名できること」は別物として整理すると、同じテーマの問題でも正誤判断が安定します。
