出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)第31問
問題
出血及び止血法並びにその救急処置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 体内の全血液量は、体重の約13分の1で、その約3分の1を短時間に失うと生命が危険な状態となる。
(2) 傷口が泥で汚れているときは、手際良く水道水で洗い流す。
(3) 止血法には、直接圧迫法、間接圧迫法などがあるが、一般人が行う応急手当としては直接圧迫法が推奨されている。
(4) 毛細血管性出血は、浅い切り傷のときにみられ、傷口からゆっくり持続的に湧き出るような出血である。
(5) 止血帯を施した後、受傷者を医師に引き継ぐまでに30分以上かかる場合には、止血帯を施してから30分ごとに1~2分間、出血部から血液がにじんでくる程度まで結び目をゆるめる。
第1種衛生管理者|出血時の止血法・応急処置・止血帯の使用方法を解説
出血時の応急処置では、出血の種類、止血方法、止血帯の扱いが重要です。答えは(4)です。毛細血管性出血は、擦り傷や浅い傷のときにみられ、傷口から血液が少しずつにじみ出るような出血です。問題文にある「傷口からゆっくり持続的に湧き出るような出血」は、静脈性出血の特徴です。出血の種類と、その出方の組合せを正確に覚えておきましょう。
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(1) 体内の全血液量は、体重の約13分の1で、その約3分の1を短時間に失うと生命が危険な状態となる。
適切です。成人の全血液量はおおむね体重の約13分の1、つまり体重の約8%程度とされます。短時間にその約3分の1を失うと、循環血液量が大きく低下し、血圧低下、意識障害、ショック状態などを起こし、生命に危険が及びます。試験では、全血液量の目安と、短時間に約3分の1を失うと危険という数値をセットで覚えると判断しやすくなります。
(2) 傷口が泥で汚れているときは、手際良く水道水で洗い流す。
適切です。傷口に泥や砂などの異物が付着している場合、そのままにすると感染の原因になります。応急処置では、清潔な水道水で手際よく洗い流し、できるだけ異物を取り除くことが大切です。ただし、強い出血がある場合は、洗浄よりもまず止血を優先します。出血の程度を見ながら、感染予防と止血の優先順位を考えることが重要です。
(3) 止血法には、直接圧迫法、間接圧迫法などがあるが、一般人が行う応急手当としては直接圧迫法が推奨されている。
適切です。直接圧迫法とは、清潔なガーゼやハンカチなどを傷口に当て、その上から手で強く押さえて止血する方法です。出血部位を直接押さえるため効果が高く、一般人にも実施しやすい方法です。間接圧迫法は、出血部位より心臓に近い動脈を圧迫して血流を減らす方法ですが、正確な圧迫部位の理解が必要です。そのため、一般人の応急手当では直接圧迫法が基本とされます。
(4) 毛細血管性出血は、浅い切り傷のときにみられ、傷口からゆっくり持続的に湧き出るような出血である。
不適切です。毛細血管性出血は、擦り傷や浅い切り傷などでみられ、傷口から血液が少しずつにじみ出るような出血です。通常は出血量が少なく、自然に止血することもあります。傷口から暗赤色の血液がゆっくり持続的に湧き出るような出血は、静脈性出血の特徴です。したがって、出血の種類と特徴の組合せが誤っています。
(5) 止血帯を施した後、受傷者を医師に引き継ぐまでに30分以上かかる場合には、止血帯を施してから30分ごとに1~2分間、出血部から血液がにじんでくる程度まで結び目をゆるめる。
適切です。この問題では、止血帯による止血が30分以上続く場合、30分ごとに1~2分間、出血部から血液がにじんでくる程度まで結び目をゆるめるものとされています。止血帯を使用した場合は、施した時刻を記録しておくことも重要です。試験対策では、「30分ごと」と「1~2分間」という数値をセットで覚えておきましょう。なお、実際の救急現場では、使用する止血帯や最新の救急指針によって対応が異なるため、救急隊などの指示に従います。
この問題で覚えるポイント
出血時の応急処置では、まず生命に直結する大量出血を止めることが最優先です。体内の全血液量は体重の約13分の1であり、その約3分の1を短時間に失うと生命が危険になります。一般人が行う止血法として基本となるのは直接圧迫法で、清潔なガーゼや布などを傷口に当て、その上から強く押さえます。出血の種類については、毛細血管性出血は擦り傷などから少しずつにじみ出る出血、静脈性出血は暗赤色の血液がゆっくり持続的に湧き出る出血、動脈性出血は鮮紅色の血液が拍動に合わせて勢いよく噴き出す出血です。また、この問題では、止血帯による止血が30分以上続く場合は、30分ごとに1~2分間ゆるめるという数値も問われています。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、毛細血管性出血と静脈性出血の特徴を入れ替えている点です。毛細血管性出血は、擦り傷などの傷口から血液が少しずつにじみ出る出血です。一方、「ゆっくり持続的に湧き出る」という表現は静脈性出血を示します。動脈性出血は、鮮紅色の血液が拍動に合わせて勢いよく噴き出すのが特徴です。「にじみ出る=毛細血管」「持続的に湧き出る=静脈」「拍動に合わせて噴き出す=動脈」と整理すると判断しやすくなります。
