【第一種衛生管理者過去問】2022年4月公表問題|問31|労働安全衛生マネジメントシステム・安全衛生方針・監査|労働衛生(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)第31問

問題

厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) この指針は、労働安全衛生法の規定に基づき機械、設備、化学物質等による危険又は健康障害を防止するため事業者が講ずべき具体的な措置を定めるものではない。

(2) このシステムは、生産管理等事業実施に係る管理と一体となって運用されるものである。

(3) このシステムでは、事業者は、事業場における安全衛生水準の向上を図るための安全衛生に関する基本的考え方を示すものとして、安全衛生方針を表明し、労働者及び関係請負人その他の関係者に周知させる。

(4) このシステムでは、事業者は、安全衛生方針に基づき設定した安全衛生目標を達成するため、事業場における危険性又は有害性等の調査の結果等に基づき、一定の期間を限り、安全衛生計画を作成する。

(5) 事業者は、このシステムに従って行う措置が適切に実施されているかどうかについて調査及び評価を行うため、外部の機関による監査を受けなければならない。

第1種衛生管理者|労働安全衛生マネジメントシステム・安全衛生方針・監査を解説

労働安全衛生マネジメントシステムは、事業場が安全衛生方針を定め、目標と計画を作成し、実施し、点検し、改善していく仕組みです。答えは(5)です。監査はシステムが適切に実施されているかを調査・評価する重要な手続ですが、外部機関による監査を必ず受けなければならないわけではありません。事業者が自ら行う内部監査も含まれるため、「外部の機関による監査を受けなければならない」と断定している点が誤りです。

下に移動する

【第一種衛生管理者過去問】2022年4月公表問題|問31|労働安全衛生マネジメントシステム・安全衛生方針・監査|労働衛生(有害業務以外)を解説する画像__1syu-2022-04-eisei-q31

下に移動する

(1) この指針は、労働安全衛生法の規定に基づき機械、設備、化学物質等による危険又は健康障害を防止するため事業者が講ずべき具体的な措置を定めるものではない。

適切です。この指針は、個別の機械設備や化学物質について、具体的にどのような防止措置を講じるかを細かく定めたものではありません。労働安全衛生マネジメントシステムは、安全衛生管理を継続的に改善するための仕組みを示すものです。具体的な設備基準、作業環境測定、保護具、健康診断などの個別措置は、労働安全衛生法令や関係規則で定められます。

(2) このシステムは、生産管理等事業実施に係る管理と一体となって運用されるものである。

適切です。安全衛生管理は、現場の作業や生産活動と切り離して行うものではありません。作業方法、設備管理、人員配置、工程管理などと一体で運用することで、実際の危険や有害要因を継続的に低減できます。安全衛生だけを別枠で考えるのではなく、事業活動そのものの中に組み込むことが重要です。

(3) このシステムでは、事業者は、事業場における安全衛生水準の向上を図るための安全衛生に関する基本的考え方を示すものとして、安全衛生方針を表明し、労働者及び関係請負人その他の関係者に周知させる。

適切です。安全衛生方針は、事業場が安全衛生をどのように進めるかを示す基本方針です。事業者が方針を表明するだけでなく、労働者や関係請負人などに周知させることが求められます。関係者が方針を理解していなければ、現場で統一した安全衛生活動を行うことが難しくなるためです。

(4) このシステムでは、事業者は、安全衛生方針に基づき設定した安全衛生目標を達成するため、事業場における危険性又は有害性等の調査の結果等に基づき、一定の期間を限り、安全衛生計画を作成する。

適切です。安全衛生計画は、安全衛生目標を達成するために、いつまでに、どのような取組を行うかを定めるものです。危険性又は有害性等の調査、いわゆるリスクアセスメントの結果などを踏まえて作成します。また、計画は漠然と作るのではなく、一定の期間を定めて実施し、評価と改善につなげることが重要です。

(5) 事業者は、このシステムに従って行う措置が適切に実施されているかどうかについて調査及び評価を行うため、外部の機関による監査を受けなければならない。

不適切です。労働安全衛生マネジメントシステムでは、実施状況について監査を行い、調査及び評価することが求められます。しかし、外部の機関による監査を必ず受けなければならないとはされていません。監査は、事業場内部で行う内部監査でもよく、目的はシステムが計画どおり機能しているかを確認し、改善につなげることです。「監査が必要」という部分は正しいものの、「外部の機関による監査を受けなければならない」と限定している点が誤りです。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

労働安全衛生マネジメントシステムは、個別の危険防止措置を直接定める制度ではなく、安全衛生管理を計画的、継続的に改善するための仕組みです。基本の流れは、安全衛生方針の表明、安全衛生目標の設定、安全衛生計画の作成、実施、点検、監査、改善です。安全衛生方針は事業者が表明し、労働者や関係請負人などの関係者に周知します。安全衛生計画は、危険性又は有害性等の調査結果などに基づき、一定期間を定めて作成します。監査はシステムの実施状況を調査・評価するために行いますが、外部機関による監査が義務付けられているわけではありません。試験では、「監査は必要」と「外部監査が必須」を区別できることが正誤判断に直結します。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「監査」という正しい用語に「外部の機関による」という不要な限定を加えている点です。安全衛生マネジメントシステムでは監査そのものは重要ですが、外部機関に依頼しなければならない制度ではありません。受験者は「監査を受ける」という表現を見ると、第三者機関による審査や認証を連想しやすくなります。しかし、この指針で問われる監査は、システムが適切に運用されているかを確認し、改善するための調査・評価です。「一部は正しいが、最後の条件が強すぎる」文章は衛生管理者試験でよく出るパターンです。特に「必ず」「外部」「すべて」「しなければならない」といった断定表現が出たときは、法令や指針が本当にそこまで義務付けているかを確認する意識が大切です。

現在売れている衛生管理者テキストはこちら

人気の教材ランキングを確認できます。

次の問題へ