【第一種衛生管理者過去問】2023年4月公表問題|問40|血液の成分・血漿蛋白・ヘマトクリット・血液型|労働生理を解説

出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)4月公表問題|労働生理第40問

問題

血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 血液は、血漿と有形成分から成り、有形成分は赤血球、白血球及び血小板から成る。

(2) 血漿中の蛋白質のうち、グロブリンは血液浸透圧の維持に関与し、アルブミンは免疫物質の抗体を含む。

(3) 血液中に占める血球(主に赤血球)の容積の割合をヘマトクリットといい、男性で約45%、女性で約40%である。

(4) 血液の凝固は、血漿中のフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて固まる現象である。

(5) ABO式血液型は、赤血球の血液型分類の一つで、A型の血清は抗B抗体を持つ。

第1種衛生管理者|血液の成分・血漿蛋白・ヘマトクリット・血液型を解説

血液は、血漿と有形成分から成り、酸素運搬、免疫、止血、体液バランスの維持などに関わります。答えは(2)です。アルブミンとグロブリンの働きが逆になっているため誤りです。血液浸透圧の維持に主に関与するのはアルブミンであり、抗体を含む免疫関連の蛋白質はグロブリンです。血液成分の問題では、赤血球、白血球、血小板の役割だけでなく、血漿蛋白の働きの違いも正誤判断の重要なポイントになります。

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(1) 血液は、血漿と有形成分から成り、有形成分は赤血球、白血球及び血小板から成る。

適切です。血液は、液体成分である血漿と、細胞成分である有形成分に分けられます。有形成分には、酸素を運ぶ赤血球、免疫に関わる白血球、止血に関わる血小板があります。血漿は血液の液体部分で、水分のほか、蛋白質、糖質、脂質、電解質、ホルモン、老廃物などを含みます。試験では、血液は血漿と有形成分、有形成分は赤血球、白血球、血小板という基本分類をまず押さえることが大切です。

(2) 血漿中の蛋白質のうち、グロブリンは血液浸透圧の維持に関与し、アルブミンは免疫物質の抗体を含む。

不適切です。血漿蛋白の働きが逆になっています。血液浸透圧、特に膠質浸透圧の維持に主に関与するのはアルブミンです。アルブミンは血漿中に多く含まれる蛋白質で、血管内に水分を保つ働きに関係します。一方、グロブリンには免疫に関わる抗体が含まれます。抗体は病原体などの異物に対して働く免疫物質であり、免疫グロブリンとも呼ばれます。アルブミンは浸透圧、グロブリンは抗体と覚えると、この選択肢の入れ替えに気づきやすくなります。

(3) 血液中に占める血球(主に赤血球)の容積の割合をヘマトクリットといい、男性で約45%、女性で約40%である。

適切です。ヘマトクリットは、血液全体に対して血球成分、とくに赤血球が占める容積の割合を示す値です。赤血球は血球成分の大部分を占めるため、ヘマトクリットは実質的に赤血球量の目安になります。一般に男性で約45%、女性で約40%とされます。男性の方がやや高い傾向がある点も試験で問われやすいポイントです。

(4) 血液の凝固は、血漿中のフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて固まる現象である。

適切です。血液凝固では、血漿中に溶けているフィブリノーゲンが、不溶性のフィブリンに変化します。フィブリンは網目状の構造をつくり、そこに赤血球などの血球成分が絡みつくことで血液が固まります。血小板は止血の初期段階で重要な役割を果たしますが、凝固の説明としては、フィブリノーゲンがフィブリンになるという流れを押さえることが重要です。

(5) ABO式血液型は、赤血球の血液型分類の一つで、A型の血清は抗B抗体を持つ。

適切です。ABO式血液型は、赤血球表面にある抗原の種類によって分類されます。A型の赤血球にはA抗原があり、血清中には抗B抗体があります。B型ではB抗原と抗A抗体、AB型ではA抗原とB抗原があり抗A抗体も抗B抗体もなく、O型ではA抗原もB抗原もなく抗A抗体と抗B抗体を持ちます。赤血球表面の抗原と血清中の抗体は対応関係が逆になるため、ここを整理して覚えることが大切です。

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この問題で覚えるポイント

血液は、液体成分である血漿と、有形成分である赤血球、白血球、血小板に分けられます。赤血球は酸素運搬、白血球は免疫、血小板は止血に関わります。血漿蛋白では、アルブミンは血液浸透圧の維持、グロブリンは抗体を含む免疫機能、フィブリノーゲンは血液凝固に関係すると整理します。ヘマトクリットは血液中に占める血球、主に赤血球の容積割合で、男性は約45%、女性は約40%です。血液凝固では、フィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて血液が固まります。ABO式血液型では、A型は赤血球にA抗原を持ち、血清中に抗B抗体を持ちます。B型はB抗原と抗A抗体、AB型はA抗原とB抗原を持ち抗体はなく、O型は抗原がなく抗A抗体と抗B抗体を持つと整理しておくと、血液型の問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題の中心的なひっかけは、アルブミンとグロブリンの働きを入れ替えている点です。どちらも血漿蛋白なので、名称だけをなんとなく覚えていると誤って正しい文だと判断しやすくなります。アルブミンは血液中の水分を保つ浸透圧の維持、グロブリンは抗体を含む免疫に関係する、と役割で区別することが重要です。また、血液凝固では血小板だけに意識が向きやすいですが、フィブリノーゲンがフィブリンに変化するという血漿蛋白の働きも問われます。血液型では、赤血球表面の抗原と血清中の抗体を混同しやすいため、A型はA抗原を持つので抗A抗体ではなく抗B抗体を持つ、という対応関係を押さえておく必要があります。

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