【第一種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問4|作業主任者の選任義務と対象作業一覧|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第4問

問題

次の作業を行うとき、法令上、作業主任者の選任が義務付けられているものはどれか。

(1) 水深10m以上の場所における潜水の作業

(2) チェーンソーを用いて行う立木の伐木の作業

(3) 製造工程において硝酸を用いて行う洗浄の作業

(4) セメント製造工程においてセメントを袋詰めする作業

(5) 強烈な騒音を発する場所における作業

第1種衛生管理者|作業主任者の選任義務と対象作業一覧を解説を解説

作業主任者は、労働災害を防止するため、一定の危険または有害な作業について、作業方法の決定、労働者の指揮、設備や保護具の点検などを行う者です。本問の答えは(3)です。硝酸は特定化学物質等に該当し、製造工程で硝酸を用いて洗浄作業を行う場合には、特定化学物質作業主任者の選任が必要になります。作業主任者の選任義務は、「危険そう」「有害そう」という感覚だけで判断するのではなく、法令で定められた作業に該当するかどうかで判断することが大切です。

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(1) 水深10m以上の場所における潜水の作業

不適切です。潜水作業は危険性の高い作業であり、潜水作業者には潜水士免許などの資格が関係します。しかし、この選択肢で問われている「水深10m以上の場所における潜水の作業」は、作業主任者の選任義務として整理するものではありません。衛生管理者試験では、作業主任者の選任が必要な作業と、作業に従事する者に免許や特別教育などが求められる作業を区別することが重要です。潜水という言葉からすぐに「危険だから作業主任者が必要」と判断しないようにしましょう。

(2) チェーンソーを用いて行う立木の伐木の作業

不適切です。チェーンソーを用いる伐木作業は、切創、倒木、飛来、激突などの危険が大きい作業です。そのため、業務に従事する労働者には安全衛生教育や特別教育が関係します。しかし、チェーンソーを用いる立木の伐木作業そのものについて、作業主任者の選任が義務付けられているわけではありません。ここでも、危険な作業であることと、作業主任者の選任義務があることは同じではない点を押さえる必要があります。

(3) 製造工程において硝酸を用いて行う洗浄の作業

適切です。硝酸は強い腐食性を持つ化学物質であり、蒸気やミストを吸入したり、皮膚や眼に付着したりすると、健康障害を起こすおそれがあります。法令上、特定化学物質等を製造し、または取り扱う作業のうち一定の作業については、特定化学物質作業主任者を選任しなければなりません。製造工程において硝酸を用いて行う洗浄作業は、この作業主任者の選任義務の対象となります。作業主任者は、作業方法の決定、局所排気装置などの使用状況の確認、保護具の使用状況の監視などを通じて、労働者の健康障害を防止する役割を担います。

(4) セメント製造工程においてセメントを袋詰めする作業

不適切です。セメントの粉じんは、吸入による呼吸器への影響や皮膚への刺激などを生じるおそれがあり、労働衛生上の管理が必要です。しかし、セメントを袋詰めする作業について、作業主任者の選任が義務付けられているわけではありません。粉じん作業では、発散源対策、換気、呼吸用保護具、作業環境測定、健康診断などが関係する場合がありますが、それが直ちに作業主任者の選任義務につながるとは限りません。粉じん作業と特定化学物質作業を混同しないことが大切です。

(5) 強烈な騒音を発する場所における作業

不適切です。強烈な騒音を発する場所での作業では、騒音性難聴を防ぐため、作業環境測定、騒音の低減措置、耳栓やイヤーマフなどの保護具、健康診断などの対策が重要になります。しかし、騒音作業について、作業主任者の選任が義務付けられているわけではありません。騒音は代表的な有害要因の一つですが、作業主任者の選任対象として覚えるものではありません。有害業務だから必ず作業主任者が必要と考えると誤答につながります。

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この問題で覚えるポイント

作業主任者は、法令で定められた一定の危険有害作業について選任が必要となる管理者です。代表例として、特定化学物質作業主任者、有機溶剤作業主任者、鉛作業主任者、酸素欠乏危険作業主任者、石綿作業主任者などがあります。試験では、危険性や有害性がありそうな作業が並べられ、その中から法令上の作業主任者選任対象を選ばせる形式がよく出ます。硝酸などの特定化学物質等を製造または取り扱う一定の作業では、特定化学物質作業主任者の選任が必要です。これに対して、チェーンソーによる伐木、潜水作業、粉じん作業、騒音作業などは、安全衛生教育、免許、作業環境管理、保護具、健康診断などが関係しても、必ずしも作業主任者の選任対象とは限りません。正誤判断では、危険そうかどうかではなく、作業主任者の選任義務として法令に定められている作業かどうかを基準にすることが重要です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、どの選択肢も労働災害や健康障害につながりそうな作業に見える点です。潜水、チェーンソー、粉じん、騒音はいずれも安全衛生上の管理が必要な作業なので、「危ない作業だから作業主任者が必要」と考えると迷いやすくなります。しかし、衛生管理者試験では、危険有害性の有無と作業主任者の選任義務を分けて考える必要があります。特に、免許や特別教育が必要な作業と、作業主任者を選任する作業の混同は頻出の罠です。また、粉じんや騒音のように健康障害防止措置が重要な作業でも、作業主任者の選任対象とは限りません。今後も同じテーマでは、「作業主任者」「免許」「特別教育」「作業環境測定」「健康診断」のどれを問われているのかを最初に見分けることが、正答に直結します。

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