【第一種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問3|局所排気装置・プッシュプル型換気装置の定期自主検査|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第3問

問題

次の装置のうち、法令上、定期自主検査の実施義務が規定されているものはどれか。

(1) 木材加工用丸のこ盤を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置

(2) 塩酸を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置

(3) エタノールを使用する作業場所に設けた局所排気装置

(4) トルエンを重量の10%含有する塗料を用いて塗装する屋内の作業場所に設けた局所排気装置

(5) アンモニアを使用する屋内の作業場所に設けたプッシュプル型換気装置

第1種衛生管理者|局所排気装置・プッシュプル型換気装置の定期自主検査を解説

局所排気装置やプッシュプル型換気装置は、すべての作業場所で一律に定期自主検査が義務付けられるわけではありません。法令上、定期自主検査の対象となるのは、有機溶剤、特定化学物質、鉛、粉じんなど、一定の有害業務に関連して設けられた装置です。この問題では、トルエンを重量の10%含有する塗料を用いる塗装作業が有機溶剤業務に該当し、その屋内作業場所に設けた局所排気装置について定期自主検査が義務付けられるため、答えは(4)です。

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(1) 木材加工用丸のこ盤を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置

不適切です。木材加工用丸のこ盤を使用する作業では、木くずや粉じんが発生することがありますが、この選択肢だけでは、法令上の定期自主検査が義務付けられる局所排気装置に該当するとは判断できません。定期自主検査の義務は、単に屋内作業場所に局所排気装置があるという理由だけで発生するものではなく、粉じん障害防止規則、有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則など、対象となる有害業務に該当するかが重要です。木材加工用丸のこ盤は機械災害の防止では重要な設備ですが、この問題で問われている有害物の発散防止装置の定期自主検査とは結び付きにくい内容です。

(2) 塩酸を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置

不適切です。塩酸は刺激性の強い酸であり、作業環境管理上は注意が必要な物質です。ただし、第一種衛生管理者試験で問われる定期自主検査の対象装置としては、法令上の対象物質や対象業務に該当するかを正確に見る必要があります。塩酸を使用する作業場所に局所排気装置が設けられていても、この選択肢の内容だけでは、有機溶剤中毒予防規則などに基づく定期自主検査義務の対象とはなりません。危険そうな物質名だけで判断せず、どの規則のどの対象物質に該当するかを確認することが大切です。

(3) エタノールを使用する作業場所に設けた局所排気装置

不適切です。エタノールは有機溶剤の一種として日常的にも知られており、引火性などの危険性があります。しかし、有機溶剤中毒予防規則で定期自主検査の対象となる有機溶剤業務に該当するかは、対象物質としての区分や含有率、作業内容によって判断します。エタノールを使用しているというだけで、直ちに法令上の定期自主検査義務がある局所排気装置とはいえません。試験では、「有機溶剤っぽい名前だから正しい」と早合点しないことが重要です。

(4) トルエンを重量の10%含有する塗料を用いて塗装する屋内の作業場所に設けた局所排気装置

適切です。トルエンは有機溶剤中毒予防規則の対象となる有機溶剤です。有機溶剤を含有する塗料を用いて屋内で塗装作業を行う場合、有機溶剤蒸気による中毒を防止するため、局所排気装置などの設置が問題になります。そして、対象となる局所排気装置については、法令上、定期自主検査を行う義務が規定されています。トルエンを重量の10%含有する塗料という条件も重要で、有機溶剤含有物として規制対象となることを示しています。屋内塗装、有機溶剤、局所排気装置という組合せは、試験で非常に狙われやすいポイントです。

(5) アンモニアを使用する屋内の作業場所に設けたプッシュプル型換気装置

不適切です。アンモニアは刺激性があり、健康障害を起こすおそれのある物質ですが、この選択肢の内容だけでは、法令上、定期自主検査が義務付けられるプッシュプル型換気装置に該当するとはいえません。プッシュプル型換気装置も、局所排気装置と同じく、設置されていれば常に定期自主検査が必要になるわけではありません。どの有害業務に対して設けられた装置なのか、対象物質が法令上の規制対象に該当するのかを確認して判断します。

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この問題で覚えるポイント

局所排気装置やプッシュプル型換気装置の定期自主検査は、装置の種類だけで判断するのではなく、対象となる有害業務に関連して設置された装置かどうかで判断します。有機溶剤業務では、トルエン、キシレン、アセトンなどの対象有機溶剤を使用する屋内作業場に設けられた局所排気装置などについて、定期自主検査が重要になります。特に塗装作業、洗浄作業、接着作業などは有機溶剤蒸気が発生しやすく、試験でも頻出です。正誤判断では、物質名が危険そうかどうかではなく、有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則、粉じん障害防止規則などの対象に入るかを考えます。また、有機溶剤含有物では含有率も重要で、トルエンを重量の5%を超えて含有するものは有機溶剤含有物として扱われます。今回のように重量の10%含有とあれば、規制対象として判断しやすい条件です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、局所排気装置やプッシュプル型換気装置という言葉だけを見て、すべて定期自主検査が必要だと思わせる点にあります。実際には、装置名だけでなく、何の有害物を扱う作業場所に設けられているかが決め手です。また、塩酸、エタノール、アンモニアのように危険そうに見える物質を並べることで、受験者の感覚的な判断を誘っています。試験では、日常的な危険性の印象ではなく、法令上の対象物質、含有率、作業内容をセットで確認する必要があります。特に「有機溶剤らしい名前」と「有機溶剤中毒予防規則上の対象として問われているもの」は必ずしも同じではありません。屋内塗装、トルエン、重量の10%含有、局所排気装置という条件がそろったときに、定期自主検査義務を思い出せるかが正答の分かれ目です。

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