【第一種衛生管理者過去問】2021年10月公表問題|問12|化学物質のガス・蒸気の違いと常温常圧での状態一覧|労働衛生(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)10月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの)第12問

問題

次の化学物質のうち、常温・常圧(25℃、1気圧)の空気中で蒸気として存在するものはどれか。ただし、蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものをいうものとする。

(1) 塩化ビニル

(2) ホルムアルデヒド

(3) 二硫化炭素

(4) 二酸化硫黄

(5) アンモニア

第1種衛生管理者|化学物質のガス・蒸気の違いと常温常圧での状態一覧を解説

常温・常圧で「蒸気」として存在する物質は、もともと液体又は固体であり、それが揮発又は昇華して空気中に気体状で存在しているものです。答えは二硫化炭素です。二硫化炭素は常温・常圧では液体であり、揮発性が高いため、空気中では蒸気として存在します。塩化ビニル、ホルムアルデヒド、二酸化硫黄、アンモニアは常温・常圧では気体なので、この問題でいう「蒸気」ではなく「ガス」と判断します。

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(1) 塩化ビニル

不適切です。塩化ビニルは常温・常圧では気体として存在する物質です。問題文では、蒸気を「常温・常圧で液体又は固体の物質が、蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているもの」と定義しています。つまり、もともと常温で気体である物質は蒸気ではなく、ガスに分類します。塩化ビニルは液体が揮発して空気中に存在しているのではなく、常温・常圧で気体として存在するため、蒸気には該当しません。

(2) ホルムアルデヒド

不適切です。ホルムアルデヒドは常温・常圧では気体です。水溶液のホルマリンとして扱われることが多いため、液体のイメージを持ちやすい物質ですが、物質そのものの状態としては常温・常圧で気体です。そのため、空気中に存在する場合は蒸気ではなくガスとして扱います。試験では「水溶液として扱うことが多い物質」と「物質そのものが常温でどの状態か」を分けて考えることが大切です。

(3) 二硫化炭素

適切です。二硫化炭素は常温・常圧では液体であり、非常に揮発しやすい物質です。液体の二硫化炭素が蒸気圧に応じて空気中へ揮発し、気体状になって存在している場合は、問題文の定義どおり「蒸気」に該当します。有機溶剤などのように、常温では液体だが空気中に揮発して存在するものは、ガスではなく蒸気として判断します。

(4) 二酸化硫黄

不適切です。二酸化硫黄は常温・常圧では気体として存在する物質です。刺激性のある有害ガスとして扱われる代表的な物質であり、液体や固体が揮発して空気中に存在しているわけではありません。蒸気かどうかを判断するときは、有害性やにおいの有無ではなく、常温・常圧での物質の状態を見ることが重要です。

(5) アンモニア

不適切です。アンモニアは常温・常圧では気体です。アンモニア水として液体の形で扱われることもありますが、アンモニアそのものは気体であり、空気中に存在する場合はガスに分類されます。ホルムアルデヒドと同じく、水溶液として身近に扱われることがあるため液体と誤認しやすい点に注意が必要です。

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この問題で覚えるポイント

蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が、揮発又は昇華して気体状になったものです。ガスとは、常温・常圧で最初から気体として存在する物質です。正誤判断では、有害性の強さやにおいではなく、25℃、1気圧でその物質が本来どの状態かを確認します。二硫化炭素は常温・常圧で液体であり、空気中では蒸気として存在します。塩化ビニル、ホルムアルデヒド、二酸化硫黄、アンモニアは常温・常圧で気体なのでガスです。水溶液として扱われることが多いホルムアルデヒドやアンモニアは、物質そのものの状態と混同しないように覚える必要があります。

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ひっかけポイント

この問題の罠は、「空気中に気体として存在するもの」をすべて蒸気と考えてしまう点です。蒸気とガスは、空気中で気体状かどうかではなく、常温・常圧で本来の状態が液体又は固体か、それとも気体かで区別します。また、ホルムアルデヒドはホルマリン、アンモニアはアンモニア水として覚えていると、液体のイメージに引っ張られて蒸気と判断しやすくなります。このテーマでは、名称の印象や使用形態ではなく、物質そのものの常温・常圧での状態を基準に判断することが重要です。

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