【第一種衛生管理者過去問】2024年10月公表問題|問41|神経系の分類と交感神経・副交感神経の働き|労働生理を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)10月公表問題|労働生理第41問

問題

神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 神経細胞の細胞体が集合しているところを、中枢神経系では神経節といい、末梢(しょう)神経系では神経核という。

(2) 小脳は、随意運動、平衡機能などの調整に関与しており、小脳が侵されると運動失調が生じる。

(3) 体性神経には感覚器官からの情報を中枢に伝える感覚神経と、中枢からの命令を運動器官に伝える運動神経がある。

(4) 自律神経系は、内臓、血管、腺などの不随意筋に広く分布し、各種臓器の消化、呼吸、循環などの機能を意志とは関係なく調節している。

(5) 交感神経と副交感神経は、同一器官に分布していても、その作用はほぼ正反対であり、例えば、交感神経は心拍数を増加し、消化管の運動を抑制するが、副交感神経は心拍数を減少し、消化管の運動を亢(こう)進する。

第1種衛生管理者|神経系の分類と交感神経・副交感神経の働きを解説

神経系では、中枢神経系と末梢神経系、体性神経と自律神経、交感神経と副交感神経の違いを整理することが重要です。答えは(1)です。神経細胞の細胞体が集まる部分は、中枢神経系では神経核、末梢神経系では神経節といいます。この選択肢は神経核と神経節の説明が逆になっているため誤りです。

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(1) 神経細胞の細胞体が集合しているところを、中枢神経系では神経節といい、末梢(しょう)神経系では神経核という。

不適切です。神経細胞の細胞体が集まっている部分は、中枢神経系では神経核、末梢神経系では神経節といいます。選択肢では、この対応が逆になっています。中枢神経系とは脳と脊髄を指し、末梢神経系とは脳や脊髄から全身へ伸びる神経を指します。神経核は中枢神経系の中にある神経細胞体の集まり、神経節は末梢神経系にある神経細胞体の集まりと整理すると覚えやすいです。名称が似ているため混同しやすいですが、試験ではこのように「神経核」と「神経節」を入れ替えた形で出題されることがあります。

(2) 小脳は、随意運動、平衡機能などの調整に関与しており、小脳が侵されると運動失調が生じる。

適切です。小脳は、身体の運動をなめらかに調整したり、姿勢や平衡を保ったりする働きに関与しています。随意運動そのものの命令を出す中心は大脳皮質ですが、小脳はその運動が正確で協調したものになるように調整しています。小脳が障害されると、手足の動きがぎこちなくなる、歩行がふらつく、姿勢を保ちにくくなるなどの運動失調が生じます。衛生管理者試験では、小脳は「運動の調整」「平衡機能」「運動失調」と結びつけて覚えると判断しやすくなります。

(3) 体性神経には感覚器官からの情報を中枢に伝える感覚神経と、中枢からの命令を運動器官に伝える運動神経がある。

適切です。体性神経は、皮膚や感覚器官、骨格筋などに関係する神経です。感覚神経は、痛み、温度、触覚、視覚、聴覚などの情報を身体の各部から脳や脊髄へ伝えます。運動神経は、脳や脊髄からの命令を骨格筋などの運動器官へ伝え、身体を動かす働きをします。体性神経は、意識して動かす運動や、外界からの刺激を感じ取る働きに関係すると理解するとよいです。

(4) 自律神経系は、内臓、血管、腺などの不随意筋に広く分布し、各種臓器の消化、呼吸、循環などの機能を意志とは関係なく調節している。

適切です。自律神経系は、心臓、血管、消化管、気道、汗腺、内分泌腺などに分布し、生命維持に関わる働きを自動的に調節しています。たとえば、心拍数、血圧、消化管運動、発汗、瞳孔の大きさなどは、自分の意志で細かく操作しているものではありません。これらは自律神経系によって調節されています。なお、厳密には自律神経は平滑筋、心筋、腺などに作用します。試験対策では、体性神経が意識的な運動や感覚に関係し、自律神経が内臓機能を意志とは関係なく調節する神経であると整理しておくとよいです。

(5) 交感神経と副交感神経は、同一器官に分布していても、その作用はほぼ正反対であり、例えば、交感神経は心拍数を増加し、消化管の運動を抑制するが、副交感神経は心拍数を減少し、消化管の運動を亢(こう)進する。

適切です。交感神経と副交感神経は、多くの臓器に対して互いに反対方向の作用を示します。交感神経は、活動時、緊張時、ストレス時に優位になり、心拍数を増やし、血圧を上げ、気管支を拡張し、消化管の運動を抑える方向に働きます。副交感神経は、休息時や食後に優位になり、心拍数を減らし、消化管の運動や消化液の分泌を促進する方向に働きます。交感神経は「活動モード」、副交感神経は「休息・消化モード」と考えると、各臓器への作用を理解しやすくなります。

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この問題で覚えるポイント

神経系は、まず中枢神経系と末梢神経系に分けて整理します。中枢神経系は脳と脊髄で、末梢神経系はそこから全身に伸びる神経です。神経細胞の細胞体の集まりは、中枢神経系では神経核、末梢神経系では神経節といいます。末梢神経系は、体性神経系と自律神経系に分けられます。体性神経は、感覚器官から中枢へ情報を伝える感覚神経と、中枢から骨格筋などへ命令を伝える運動神経を含みます。自律神経は、内臓、血管、腺などに分布し、消化、呼吸、循環、発汗などを意志とは関係なく調節します。自律神経は交感神経と副交感神経に分かれ、交感神経は活動時に優位となり、心拍数を増加させ、消化管運動を抑制します。副交感神経は休息時に優位となり、心拍数を減少させ、消化管運動を亢進させます。小脳は随意運動や平衡機能の調整に関わり、障害されると運動失調が生じます。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「神経核」と「神経節」という似た用語の入れ替えです。どちらも神経細胞の細胞体が集まった場所を表すため、言葉だけを見ると正しそうに感じます。しかし、中枢神経系では神経核、末梢神経系では神経節という対応を逆にすると誤りになります。また、小脳は運動の命令そのものではなく運動の調整に関わる点、体性神経は感覚神経と運動神経を含む点、自律神経は意志とは関係なく内臓機能を調節する点も、混同しやすいところです。交感神経と副交感神経は「活動」と「休息」のイメージで覚えると便利ですが、試験では具体的な臓器作用まで問われるため、心拍数と消化管運動のような代表例で正反対の働きを確認しておくことが大切です。

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