出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|建築物衛生行政概論第15問
問題
15 次に示すものは、建築物衛生法に基づく、ある特定建築物の飲料水水質検査結果である。このうち、水道法第4条で規定する水質基準を満たしていないものはどれか。
(1) 一般細菌(1mLの検水で形成される集落数)-50個
(2) 色度-3度
(3) pH値-6.3
(4) 塩化物イオン-100 mg/L
(5) 有機物(全有機炭素(TOC)の量)-5 mg/L
ビル管過去問|飲料水の水質基準を解説
この問題は、飲料水の水質基準値を正確に覚えているかを問う問題です。水道法第4条に基づく水質基準では、一般細菌、色度、pH値、塩化物イオン、有機物などについて基準値が定められています。正しい選択肢は(5)です。有機物、すなわち全有機炭素の量は3mg/L以下でなければならないため、5mg/Lは基準を満たしていません。

(1) 一般細菌(1mLの検水で形成される集落数)-50個
適切です。一般細菌は、1mLの検水で形成される集落数が100個以下であることが基準です。50個は100個以下なので、水質基準を満たしています。一般細菌は、水の衛生状態を判断する基本的な指標であり、数が多い場合は水の汚染や管理不良が疑われます。
(2) 色度-3度
適切です。色度の基準は5度以下です。色度は、水の着色の程度を示す項目で、鉄、マンガン、有機物などの影響で高くなることがあります。3度は5度以下なので、水質基準を満たしています。
(3) pH値-6.3
適切です。pH値の基準は5.8以上8.6以下です。pH値は、水が酸性かアルカリ性かを示す数値です。6.3は5.8以上8.6以下の範囲内にあるため、水質基準を満たしています。pH値が基準から外れると、配管の腐食や味への影響が問題となることがあります。
(4) 塩化物イオン-100 mg/L
適切です。塩化物イオンの基準は200mg/L以下です。塩化物イオンは、水の塩味や汚染の指標となる項目です。100mg/Lは200mg/L以下なので、水質基準を満たしています。
(5) 有機物(全有機炭素(TOC)の量)-5 mg/L
不適切です。有機物、すなわち全有機炭素の量の基準は3mg/L以下です。5mg/Lはこの基準を超えているため、水道法第4条で規定する水質基準を満たしていません。TOCは水中に含まれる有機物の量を示す指標であり、値が高い場合は有機性の汚れが多い可能性があります。
この問題で覚えるポイント
飲料水の水質基準では、一般細菌は1mL中100個以下、大腸菌は検出されないこと、色度は5度以下、濁度は2度以下、pH値は5.8以上8.6以下、塩化物イオンは200mg/L以下、有機物は全有機炭素の量として3mg/L以下と整理して覚えることが重要です。数値問題では、基準値を「以上」「以下」「検出されない」の形まで正確に押さえる必要があります。特にpH値は範囲で問われるため、下限と上限の両方を覚えておくことが大切です。飲料水の問題では、見慣れた項目ほど油断しやすいため、項目名と基準値をセットで確認する習慣をつけると得点につながります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、どの数値も一見すると極端に悪い値には見えない点です。一般細菌50個、色度3度、pH値6.3、塩化物イオン100mg/Lはいずれも基準内ですが、TOCの5mg/Lだけが基準の3mg/L以下を超えています。日常感覚では5という数値は小さく感じますが、水質基準では項目ごとに許容される数値が大きく異なります。そのため、「数値が小さいから大丈夫」と判断するのではなく、各項目の基準値と照合して判断することが必要です。特に有機物の基準値は、以前の知識や別項目の数値と混同しやすいため、全有機炭素は3mg/L以下と明確に覚えておくことが重要です。