【ビル管過去問】令和3年度 問題168|ゴキブリの生態|ローチスポット・潜伏場所・発育期間・行動特性を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|ねずみ、昆虫等の防除第168問

問題

ゴキブリの生態に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) ゴキブリの活動場所における排泄物による汚れのことを、ローチスポットという。

(2) 日本に生息するゴキブリの多くの種類は、屋外で生活している。

(3) ゴキブリには一定の潜み場所があり、日中はほとんどその場所に潜伏している。

(4) 日本に生息するゴキブリには、卵から成虫までに1年以上を要する種がいる。

(5) ゴキブリの食性は、発育段階によって変化する。

 

 

 

ビル管過去問|ゴキブリの生態|ローチスポット・潜伏場所・発育期間・行動特性を解説

この問題は、ゴキブリの基本的な生態について正しく理解しているかを問う問題です。ポイントは、屋内性の種と屋外性の種の区別、潜伏習性、発育期間、そして食性の特徴を整理して覚えているかどうかです。日本に生息するゴキブリの多くの種類は屋外で生活しているため、その事実自体は正しいのですが、本問では答えが(5)であり、試験上は食性は発育段階によって大きく変わるものではないと判断するのが適切です。したがって、最も不適当なのは(5)です。

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(1) ゴキブリの活動場所における排泄物による汚れのことを、ローチスポットという。

適切です。ローチスポットとは、ゴキブリが潜伏場所や移動経路の周辺に残す黒褐色のしみ状の汚れを指します。これは主に排泄物によるもので、ゴキブリの生息や活動の痕跡として重要です。防除の現場では、ローチスポットの有無を確認することで、どこに潜んでいるか、どのあたりを頻繁に移動しているかを推定できます。単なる汚れではなく、生息調査の手がかりになる点が重要です。

(2) 日本に生息するゴキブリの多くの種類は、屋外で生活している。

適切です。私たちが日常生活で問題にしやすいのは、チャバネゴキブリやクロゴキブリなど屋内に侵入・定着する種類ですが、日本に生息するゴキブリ全体で見ると、屋外で生活する種類のほうが多いです。落ち葉の下、樹木周辺、石の下など自然環境に生息する種も少なくありません。試験では、日常感覚で「ゴキブリは屋内害虫」という印象に引っ張られやすいですが、生物学的には屋外性の種も多数存在することを押さえておく必要があります。

(3) ゴキブリには一定の潜み場所があり、日中はほとんどその場所に潜伏している。

適切です。ゴキブリは夜行性の傾向が強く、日中は狭くて暗く、暖かく、湿気のある場所に潜んでいます。たとえば、厨房機器のすき間、流し台の裏、冷蔵庫や食器棚の周辺、配管まわりなどが代表的です。このような潜伏習性があるため、防除では単に見かけた個体だけを処理するのではなく、潜伏場所そのものを突き止めて対策することが重要です。潜伏場所の把握は、ベイト剤の配置や清掃計画にも直結します。

(4) 日本に生息するゴキブリには、卵から成虫までに1年以上を要する種がいる。

適切です。ゴキブリの発育期間は種類や温度条件によって大きく異なります。チャバネゴキブリのように比較的短期間で発育する種もありますが、屋外性の種や大型の種では、卵から成虫までに1年以上かかるものもあります。気温が低い時期には発育が遅くなり、環境条件によってはさらに長引くこともあります。試験では、ゴキブリの成長速度を一律に短いものと決めつけないことが大切です。

(5) ゴキブリの食性は、発育段階によって変化する。

不適切です。ゴキブリは基本的に雑食性であり、食品残さ、油脂類、でんぷん質、動植物性の有機物、時には紙や毛髪まで幅広く摂食します。幼虫と成虫で食べるものの大枠が大きく変わるわけではなく、発育段階によって食性が本質的に変化するという理解は適切ではありません。もちろん摂食量や好みの傾向に多少の差が出ることはありますが、試験で問われる基本知識としては、ゴキブリは発育段階を通じて雑食性であると押さえるのが正確です。このため、この記述が最も不適当です。

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この問題で覚えるポイント

ゴキブリは基本的に夜行性で、日中は暗く狭い場所に潜伏し、夜間に活動します。防除では、目に見える個体だけでなく、潜伏場所や移動経路を把握することが重要です。ローチスポットは排泄物による汚れであり、生息の有力な痕跡になります。ゴキブリの食性は基本的に雑食性で、発育段階によって本質的に変わるとは考えません。また、日本のゴキブリすべてが屋内害虫ではなく、多くの種類は屋外で生活しています。さらに、発育期間は種類や温度条件で差があり、短期間で成虫になる種もいれば、1年以上かかる種もあります。試験では、チャバネゴキブリなど身近な種類の印象だけで全体を判断しないことが大切です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、日常生活で見かけるゴキブリの印象を、そのまま全てのゴキブリに当てはめてしまう思考の罠にあります。多くの受験者は、ゴキブリは家の中にいて、何でも食べ、成長も早いというイメージを持っています。そのため、日本の多くの種類が屋外性であることを見落としやすくなります。また、「発育段階によって変化する」という表現はもっともらしく見えますが、これは昆虫一般のイメージに引っ張られて判断を誤らせる作りです。試験では、「少しそれらしく聞こえる一般論」と「その生物に固有の基本知識」を切り分けて考えることが重要です。今回は、ゴキブリの基本は雑食性であるという軸を持っていれば、惑わされずに判断できます。

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