【ビル管過去問】令和3年度 問題134|排水設備とグリース阻集器の保守管理|通気管点検・清掃方法・高圧洗浄を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|清掃第134問

問題

排水設備とグリース阻集器の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 通気管は、1年に1回程度、定期的に、系統ごとに異常がないか点検・確認をする。

(2) グリース阻集器のグリースは、7〜10日に1回の間隔で除去する。

(3) ロッド法による排水管の清掃には、最大30mの長さにつなぎ合わせたロッドが用いられる。

(4) スネークワイヤ法は、排水立て管の清掃に使用する場合では、長さ20m程度が限界である。

(5) 高圧洗浄による排水管の清掃では、0.5〜3MPaの圧力の水を噴射させて洗浄する。

 

 

 

ビル管過去問|排水設備とグリース阻集器の保守管理を解説

この問題は、排水設備とグリース阻集器の保守管理に関する基本事項を問う問題です。通気管の点検頻度、グリース阻集器の清掃管理、排水管清掃の各種工法の特徴、高圧洗浄の圧力範囲など、実務でも重要な知識がまとめて問われています。不適当なのは、高圧洗浄の圧力を低く示している記述です。高圧洗浄は、もっと高い圧力で行うのが一般的ですので、数値を正確に覚えることが大切です。

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(1) 通気管は、1年に1回程度、定期的に、系統ごとに異常がないか点検・確認をする。

適切です。通気管は、排水設備内の圧力変動を緩和し、トラップの封水を保護し、悪臭や排水不良を防ぐために重要な役割を果たします。通気管に詰まりや破損、鳥の巣や異物の混入などがあると、排水の流れが悪くなったり、封水が破られて臭気が室内に逆流したりします。そのため、定期的に系統ごとに異常の有無を点検することが必要です。1年に1回程度の点検という記述は、維持管理上の基本的な目安として妥当です。

(2) グリース阻集器のグリースは、7〜10日に1回の間隔で除去する。

適切です。グリース阻集器は、厨房排水などに含まれる油脂分を分離し、下流の排水管や公共下水道への悪影響を防ぐ設備です。内部にたまったグリースを放置すると、悪臭の発生、害虫の発生、排水管の閉塞、処理性能の低下につながります。そのため、グリースの除去は定期的に行う必要があります。7〜10日に1回程度という頻度は、一般的な維持管理の目安として妥当であり、実務上もよく知られた基準です。ただし、実際には厨房の使用状況や油脂負荷によって、さらに短い間隔で除去が必要になることもあります。

(3) ロッド法による排水管の清掃には、最大30mの長さにつなぎ合わせたロッドが用いられる。

適切です。ロッド法は、棒状のロッドを継ぎ足しながら管内に挿入し、詰まりや付着物を除去する清掃方法です。比較的単純な構造で、曲がりの少ない配管や、一定距離までの清掃に用いられます。ロッドは必要に応じて継ぎ足して使用しますが、長くしすぎると操作性が悪くなり、力も伝わりにくくなるため、実務上は最大30m程度が目安とされています。この記述は、ロッド法の特徴として適切です。

(4) スネークワイヤ法は、排水立て管の清掃に使用する場合では、長さ20m程度が限界である。

適切です。スネークワイヤ法は、柔軟性のあるワイヤを回転させながら管内に送り込み、付着物や閉塞物を崩して除去する方法です。曲がりのある配管にもある程度対応でき、排水立て管の清掃にも使用されます。ただし、ワイヤは長くなるほど操作が難しくなり、回転力や押し込み力が伝わりにくくなります。そのため、排水立て管で使用する場合の限界は20m程度とされ、この記述は妥当です。数値問題として狙われやすい部分なので、ロッド法との違いも含めて押さえておくと有効です。

(5) 高圧洗浄による排水管の清掃では、0.5〜3MPaの圧力の水を噴射させて洗浄する。

不適切です。高圧洗浄は、ノズルから高い圧力の水を噴射して、排水管内の付着物、油脂、スライム、沈積物などを除去する方法です。排水管の清掃で用いる高圧洗浄の圧力は、一般にもっと高く、0.5〜3MPaでは低すぎます。この数値では、高圧洗浄というより、十分な洗浄力を持たない可能性があります。試験では、このようにもっともらしいが数値が不正確な選択肢がよく出ます。高圧洗浄は高い水圧を利用する工法であり、圧力の桁や範囲を低く示した記述には注意が必要です。

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この問題で覚えるポイント

排水設備の保守管理では、通気管、排水管、阻集器など、それぞれの役割に応じた点検と清掃が必要です。通気管は排水系統の圧力調整を担い、封水保護と悪臭防止に直結するため、定期点検が重要です。通気不良が起こると、排水音の異常、流れの不良、トラップ封水の破封などが生じます。 グリース阻集器は、厨房排水中の油脂分を分離する設備であり、内部にたまったグリース、残さ、汚泥を適切に除去しなければ機能が維持できません。特にグリースの除去頻度は実務的な数値として問われやすく、7〜10日に1回程度という目安は重要です。阻集器は単なる排水ますではなく、排水管の閉塞防止と下流設備保護の役割を持つことを押さえる必要があります。 排水管清掃工法では、ロッド法、スネークワイヤ法、高圧洗浄法の違いを整理して覚えることが大切です。ロッド法は比較的直線的な配管に使いやすく、最大30m程度が目安です。スネークワイヤ法は柔軟性があり、立て管清掃にも使われますが、長さ20m程度が限界です。高圧洗浄法は、高い水圧で管内を洗浄する方法であり、低圧の洗浄と混同しないことが重要です。試験では、工法名は正しくても、長さや圧力などの数値だけをずらして誤りにする出題が多く見られます。 また、維持管理分野では、設備の名称だけでなく、点検頻度、除去周期、使用条件、限界長さなどの具体的な数値がそのまま正誤判断の材料になります。概念だけでなく、数値まで含めて覚えることが得点につながります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、見慣れた設備名や工法名に安心させたうえで、数値だけを微妙にずらして誤答を誘う点にあります。受験者は、通気管点検、グリース阻集器清掃、ロッド法、スネークワイヤ法、高圧洗浄法といった用語自体は知っていても、具体的な頻度や長さ、圧力まで正確に覚えていないことが多いため、そこを突かれやすいです。 特に注意したいのは、高圧洗浄という言葉から、何となく水を使う清掃法だと理解しているだけで、圧力の大きさを具体的に把握していない場合です。すると、0.5〜3MPaのような一見ありそうな数値でも違和感なく読めてしまいます。これは、用語のイメージで判断し、基準値の記憶が曖昧なときに引っかかる典型例です。 また、ロッド法とスネークワイヤ法は、どちらも排水管清掃に使う方法なので、適用範囲や長さの目安が頭の中で混同しやすいです。似た用途の工法同士は、名称だけでなく、どのような配管に向くか、どの程度の長さまで使えるかという比較で覚えておく必要があります。 さらに、維持管理の問題では、一部だけ正しい文章にも注意が必要です。たとえば、高圧洗浄で排水管を清掃するという説明自体は正しいため、全体を正しいと錯覚しやすいですが、試験では数値が誤っていれば全体として不適当になります。正しい内容が多く含まれているから正答とは限らない、という意識を持つことが重要です。

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