【ビル管過去問】令和3年度 問題106|給水排水管理の用語と単位|比熱・腐食速度・揚程・濃度単位を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|給水および排水の管理第106問

問題

給水及び排水の管理に関する用語と単位の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 水の比熱 ――――――― kJ/(kg・°C)

(2) 腐食速度 ――――――― mm/年

(3) 塩化物イオン ――――― mg/L

(4) 揚水ポンプの揚程 ――― m

(5) 水槽照度率 ―――――― lm/m2

 

 

 

ビル管過去問|給水排水管理の用語と単位を解説

この問題は、給水及び排水の管理で使われる基本的な用語と、その単位の正しい対応を問う問題です。試験では、単位そのものの暗記だけでなく、その量が何を表しているのかを理解しているかが問われます。照度率という用語と単位の組合せには注意が必要です。不適当なのは水槽照度率をlm/m2としたものです。lm/m2は照度の単位であり、照度率の単位ではありません。

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(1) 水の比熱 ――――――― kJ/(kg・°C)

適切です。比熱とは、物質1kgの温度を1°C上げるために必要な熱量を表す量です。したがって、単位は熱量を質量と温度差で割った形になり、kJ/(kg・°C)で表します。水は比熱が大きい物質として知られており、温まりにくく冷めにくい性質があります。この性質は、給湯や熱交換、貯湯槽の温度管理などを考えるうえで重要です。単位の形から、何をどれだけ変化させるためのエネルギーかを読み取れるようにしておくことが大切です。

(2) 腐食速度 ――――――― mm/年

適切です。腐食速度は、金属材料が腐食によってどの程度の速さで減肉していくかを表す量です。設備管理では、配管や水槽、機器内部の金属部分が時間の経過とともにどれだけ薄くなるかを把握する必要があります。そのため、長さの減少量を時間で割ったmm/年という単位が使われます。これは、1年間で何mm腐食が進むかを表しており、材料の寿命予測や更新計画にもつながる実務的な指標です。

(3) 塩化物イオン ――――― mg/L

適切です。塩化物イオンは、水中に溶けている成分の濃度として扱われるため、一般にmg/Lで表します。mg/Lは、水1L中に何mg含まれているかを示す濃度単位です。給水や排水の管理では、水質成分の多くがこの単位で示されます。塩化物イオンは水質評価だけでなく、金属腐食との関係でも重要です。濃度の単位としてmg/Lが自然に結び付くようにしておくと、他の水質項目にも応用しやすくなります。

(4) 揚水ポンプの揚程 ――― m

適切です。揚程とは、ポンプが水に与えるエネルギーを水柱の高さに換算して表したものです。そのため、単位にはmが用いられます。ここでいうmは配管の実際の長さではなく、水をどれだけの高さまで持ち上げられるか、あるいは圧力損失を含めてどれだけのエネルギーを与えられるかを示す指標です。ポンプの性能を考える際には、流量と並んで非常に重要な量です。高さで表していても、実際には圧力やエネルギーの概念と結びついている点を押さえておくと理解が深まります。

(5) 水槽照度率 ―――――― lm/m2

不適切です。lm/m2は照度の単位であり、これはルクスと同じ意味です。照度は、ある面にどれだけの光束が届いているかを表す量です。一方、照度率は一般に割合や比率として扱われる考え方であり、無次元量として表されます。つまり、単位をもたないか、百分率で示されるのが通常です。この選択肢は、照度と照度率を混同させる典型的なひっかけです。用語の末尾が似ていても、実際に表している量が異なるため、単位も変わることを意識しておく必要があります。

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この問題で覚えるポイント

給水及び排水の管理では、用語と単位をセットで覚えることが重要です。比熱は、物質1kgの温度を1°C変化させるのに必要な熱量で、kJ/(kg・°C)で表します。腐食速度は、金属の減肉の進行度合いを示し、mm/年で表します。水質成分の濃度はmg/Lやppmで示されることが多く、塩化物イオンも代表的な例です。ポンプの揚程は、圧力やエネルギーを水柱の高さに換算した量であり、単位はmです。

また、照度、光束、照度率の違いも整理しておく必要があります。光束は光の量で、単位はlmです。照度は単位面積当たりに届く光の量で、lm/m2、すなわちlxで表されます。これに対して照度率は、ある基準に対する割合を示す考え方であり、基本的には無次元量または%で扱われます。試験では、量の名前が似ているだけで単位が異なるものがよく問われます。何を測っている量なのかを考えながら覚えると、応用問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、見慣れた単位を見たときに、用語との対応を深く考えずに正しいと判断してしまう点にあります。特にlm/m2は照明分野でよく見る単位なので、語尾に「照度」が入っているだけで正しそうに感じやすいです。しかし、実際には問われているのは照度そのものではなく照度率であり、割合を表す量に面積当たりの光束の単位を付けるのは不自然です。

また、試験では、絶対量と比率、濃度と総量、長さとエネルギー換算量のように、似ているようで本質が異なる概念を混同させる問題がよく出ます。日頃から単位だけを丸暗記するのではなく、その量が何を意味しているのかを確認しながら学ぶことが、こうした問題での取りこぼしを防ぐコツです。

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