【ビル管過去問】令和3年度 問題72|防火ダンパの基礎知識|温度ヒューズと一般換気・厨房・排煙を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|空気環境の調整第72問

問題

防火ダンパに関する次の記述の(   )内に入る値の組合せとして、最も適当なものはどれか。

温度ヒューズ型の溶解温度は、一般換気用( ア )、厨房排気用( イ )、排煙用( ウ )である。

(1) ア:60°C  イ:120°C  ウ:280°C

(2) ア:60°C  イ:130°C  ウ:270°C

(3) ア:72°C  イ:120°C  ウ:270°C

(4) ア:72°C  イ:120°C  ウ:280°C

(5) ア:72°C  イ:130°C  ウ:270°C

 

 

 

ビル管過去問|防火ダンパの基礎知識|温度ヒューズと一般換気・厨房・排煙を解説

この問題は、防火ダンパに用いられる温度ヒューズの溶解温度について問う問題です。防火ダンパは、火災時にダクトを通じて炎や高温の煙が広がるのを防ぐ重要な設備であり、用途ごとに適切な作動温度が定められています。正しい組合せは、一般換気用が72°C、厨房排気用が120°C、排煙用が280°Cです。したがって、正しい選択肢は(4)です。数字だけを暗記するのではなく、なぜ用途ごとに温度設定が異なるのかを理解しておくことが、同じテーマの問題に対応するうえで大切です。

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(1) ア:60°C  イ:120°C  ウ:280°C

不適切です。厨房排気用120°C、排煙用280°Cは正しいですが、一般換気用が60°Cとなっている点が誤りです。一般換気用の防火ダンパに用いられる温度ヒューズの溶解温度は72°Cです。一般換気ダクトは通常の空調や換気に使われるため、火災時には比較的早い段階でダンパが閉鎖される必要がありますが、日常の空気温度の変動や設備運転時の熱で誤作動しない温度であることも必要です。そのため、一般換気用では72°Cが基準となっています。60°Cとしてしまうと、実際の基準値との混同を招きやすいため注意が必要です。

(2) ア:60°C  イ:130°C  ウ:270°C

不適切です。一般換気用、厨房排気用、排煙用のいずれの温度も誤っています。一般換気用は72°C、厨房排気用は120°C、排煙用は280°Cです。厨房排気用は、一般換気よりも高温の空気や油煙を扱うため、通常運転時の熱で不用意に閉鎖しないよう、一般換気用より高い温度に設定されます。一方で、排煙用は火災時に煙を外へ逃がす役割を持つため、かなり高温になるまで機能を維持する必要があり、280°Cという高い溶解温度が設定されています。130°Cや270°Cは、もっともらしく見えても基準値とは一致しません。

(3) ア:72°C  イ:120°C  ウ:270°C

不適切です。一般換気用72°C、厨房排気用120°Cは正しいですが、排煙用が270°Cとなっている点が誤りです。排煙用の温度ヒューズ型の溶解温度は280°Cです。排煙設備は火災時に煙を排出し、避難や消防活動を助けるための設備です。そのため、ある程度高温の煙が流れてもすぐには閉鎖せず、必要な排煙機能を維持できるように設計されています。270°Cと280°Cは数字が近いため迷いやすいですが、試験ではこのようなわずかな差が正誤を分けることがあります。基準値は正確に押さえておくことが重要です。

(4) ア:72°C  イ:120°C  ウ:280°C

適切です。一般換気用は72°C、厨房排気用は120°C、排煙用は280°Cであり、これは温度ヒューズ型防火ダンパの代表的な基準値の組合せです。一般換気用は通常環境での誤作動を避けつつ、火災時には早めに閉鎖できる温度として72°Cが用いられます。厨房排気用は、調理による高温空気や油分を含む排気を扱うため、一般換気用より高い120°Cが採用されます。排煙用は、火災時に煙を安全に排出し続ける必要があるため、非常に高い280°Cに設定されます。このように、用途ごとの運転条件と火災時の役割を理解すると、数字の意味も覚えやすくなります。

(5) ア:72°C  イ:130°C  ウ:270°C

不適切です。一般換気用72°Cは正しいですが、厨房排気用130°C、排煙用270°Cが誤りです。厨房排気用は120°C、排煙用は280°Cが正しい基準値です。厨房排気用は高温の空気を扱うため、一般換気用より高めの温度設定ですが、だからといって130°Cではありません。また、排煙用も高温に耐える必要があるとはいえ、基準値は280°Cです。試験では、実際の数値に近い誤った数字を並べて受験者の記憶のあいまいさを突いてくることが多いため、72、120、280という組合せを一まとまりで覚えることが大切です。

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この問題で覚えるポイント

防火ダンパは、火災時にダクトを通じた延焼や煙の拡散を防ぐために設けられる設備です。温度ヒューズ型では、一定温度に達するとヒューズが溶けてダンパが作動します。ここで重要なのは、用途によって求められる役割が異なるため、溶解温度も異なることです。一般換気用は72°Cで、通常の換気設備として使われるため、火災時には比較的早く閉鎖する必要があります。厨房排気用は120°Cで、調理時の高温排気や油煙に日常的にさらされるため、一般換気用より高い設定です。排煙用は280°Cで、火災時に煙を外へ排出し続ける役割があるため、かなり高温になるまで機能を維持する必要があります。試験では、この3つの数値を単独で覚えるのではなく、一般換気は早めに閉じる、厨房は日常的に熱い、排煙は火災時にしばらく働く、という役割と一緒に整理しておくと正誤判断に直結します。防火ダンパと排煙ダンパの役割の違い、一般換気系統と排煙系統で要求される動作条件の違いもあわせて理解しておくと、関連問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、数値そのものを細かく入れ替えて、うろ覚えの受験者を迷わせる点にあります。特に60°Cと72°C、120°Cと130°C、270°Cと280°Cのように、実際の基準値に近い数字を混ぜることで、なんとなく覚えているだけでは誤答しやすくなっています。また、排煙用は高温になるまで閉じないという考え方を知らないと、一般換気用や厨房排気用と同じ感覚で判断してしまいがちです。さらに、厨房排気用は高温だから数値も高そうだ、排煙用も高温だからだいたいこのくらいだろう、という日常感覚だけで選ぶと、細かな基準値の違いを見落とします。この種の問題では、数字だけをばらばらに覚えるのではなく、用途ごとの役割と温度設定の理由を結び付けて理解することが、再現性のある対策になります。

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