【ビル管過去問】令和3年度 問題22|健康に影響する環境要因|物理的要因と化学的要因の違いを解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|建築物の環境衛生第22問

問題

健康に影響を与える環境要因のうち、物理的要因として最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) オゾン

(2) 湿度

(3) 気圧

(4) 温度

(5) 音

ビル管過去問|健康に影響する環境要因|物理的要因と化学的要因の違いを解説

この問題は、健康に影響する環境要因を物理的要因と化学的要因に分類できるかを問う問題です。正しい答えは(1)オゾンです。オゾンは空気中に存在する化学物質であり、化学的要因に分類されます。一方、湿度、気圧、温度、音は、いずれも環境の物理的な状態や刺激に関するものであり、物理的要因です。環境衛生では、何が物理的要因で、何が化学的要因かを整理して覚えることが重要です。

下に移動する

(1) オゾン

不適切です。オゾンは酸素原子3個からなる気体で、空気中の化学物質として人体に影響を与えるため、化学的要因に分類されます。高濃度のオゾンを吸入すると、目やのどの刺激、せき、呼吸機能の低下などを起こすことがあります。このように、物質そのものの性質によって健康影響を及ぼすものは物理的要因ではなく、化学的要因として理解します。

(2) 湿度

適切です。湿度は空気中にどの程度水分が含まれているかを示す環境条件であり、物理的要因に分類されます。湿度が高すぎると発汗が妨げられて熱が逃げにくくなり、逆に低すぎると皮膚や気道の乾燥を招きます。これは化学物質による作用ではなく、空気の状態そのものが人体に影響するため、物理的要因です。

(3) 気圧

適切です。気圧は空気が物体に及ぼす圧力であり、環境の物理的状態を表すものです。高地や潜水などでは気圧の変化によって体内のガスの挙動や酸素の取り込み方に影響が生じ、体調不良や障害の原因になることがあります。このように、圧力という物理的条件が健康に影響するため、気圧は物理的要因です。

(4) 温度

適切です。温度は暑さや寒さを表す代表的な環境要因であり、物理的要因に分類されます。高温環境では熱中症、低温環境では低体温症などの健康障害が起こり得ます。温度は空気や周囲の熱的条件に関するものであり、特定の化学物質による影響ではないため、物理的要因として扱います。

(5) 音

適切です。音は空気の振動によって伝わる物理的な刺激であり、物理的要因です。強い騒音に長時間さらされると、聴力低下、睡眠障害、ストレスの増加などが起こることがあります。音は物質の化学作用ではなく、波動や振動による影響であるため、物理的要因に分類されます。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

環境要因は、物理的要因、化学的要因、生物的要因などに整理して覚えることが大切です。物理的要因とは、温度、湿度、気流、放射熱、気圧、振動、騒音、光線のように、環境の状態やエネルギーによって健康に影響を与えるものです。化学的要因とは、オゾン、一酸化炭素、二酸化硫黄、窒素酸化物、ホルムアルデヒドなどの化学物質そのものによる影響を指します。試験では、空気の状態を示すものは物理的要因、物質名で表されるものは化学的要因という基本原則を押さえると判断しやすくなります。ただし、空気に関係するものでも、湿度や温度は物理的要因であり、オゾンや有害ガスは化学的要因であるという違いを明確にしておくことが重要です。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、どれも空気環境に関係しているため、同じ種類の要因に見えてしまう点にあります。特にオゾンは大気中に存在するため、湿度や気圧、温度と同じような環境条件だと誤認しやすいです。しかし、判定の基準は空気中にあるかどうかではなく、環境の状態なのか、化学物質そのものなのかという点です。日常感覚では空気に関するものをひとまとめに捉えがちですが、試験では作用の仕方で分類する必要があります。この思考の切り替えができるかどうかが正答の鍵です。

次の問題へ