【ビル管過去問】令和3年度 問題11|建築物衛生法 事業登録制度|登録業種・表示ルール・制度目的を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|建築物衛生行政概論第11問

問題

建築物衛生法に基づく事業の登録に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 事業登録制度は、建築物の環境衛生上の維持管理を行う事業者の資質の向上を図っていくため、設けられた制度である。

(2) 登録を受けていない者は、登録業者もしくはこれに類似する表示をすることは禁止されている。

(3) 本社で登録を行えば、支社の営業所においても登録業者である旨を表示することができる。

(4) 都道府県は、条例により独自に登録基準を定めることはできない。

(5) 平成14年4月に建築物空気調和用ダクト清掃業と建築物排水管清掃業が追加され、現在8業種となっている。

ビル管過去問|建築物衛生法 事業登録制度|登録業種・表示ルール・制度目的を解説

この問題は、建築物衛生法における事業登録制度の目的、表示ルール、登録単位、登録基準、登録業種数を総合的に確認する問題です。正解は(3)です。事業登録は会社全体ではなく営業所ごとに受ける制度であり、本社が登録を受けていても、登録を受けていない支社や営業所まで登録業者表示ができるわけではありません。他の選択肢は、制度の目的、無登録業者の表示禁止、基準設定の仕組み、8業種への拡大という基本事項を正しく述べています。

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(1) 事業登録制度は、建築物の環境衛生上の維持管理を行う事業者の資質の向上を図っていくため、設けられた制度である。

適切です。その理由は、建築物衛生法に基づく事業登録制度は、一定の物的要件、人的要件、作業方法等の基準を満たした事業者について、都道府県知事が登録できる仕組みであり、その趣旨は建築物の衛生的環境の確保を担う事業者の資質向上にあります。単に名称を与える制度ではなく、適切な維持管理を行える体制を備えた事業者を社会的に明確にすることで、建築物の衛生水準を底上げする役割を持っています。

(2) 登録を受けていない者は、登録業者もしくはこれに類似する表示をすることは禁止されている。

適切です。その理由は、登録を受けた事業者は登録を受けた営業所について登録業者である旨を表示できる一方、登録を受けていない事業者は登録業者又はこれに類似する表示を行うことができないとされています。ここで大切なのは、無登録だから業務自体が直ちに禁止されるわけではないが、あたかも公的登録を受けたかのように見せる表示は禁止されるという点です。試験では「業務禁止」と「表示禁止」を混同しないことが重要です。

(3) 本社で登録を行えば、支社の営業所においても登録業者である旨を表示することができる。

不適切です。その理由は、事業登録は会社単位ではなく営業所単位で行われるからです。登録は営業所単位で、その所在地を管轄する都道府県知事が行うとされています。したがって、本社だけが登録を受けている場合、登録を受けていない支社や営業所は登録業者表示をすることができません。この選択肢は、法人全体で一括して登録されるように見せていますが、実際には営業所ごとに個別の要件審査を受ける必要があります。これが本問の誤りであり、正答です。

(4) 都道府県は、条例により独自に登録基準を定めることはできない。

適切です。その理由は、登録基準は建築物衛生法および厚生労働省令に基づいて全国一律に定められており、都道府県が条例で独自の基準を上乗せして別制度のように運用する趣旨ではありません。都道府県知事はその基準に適合しているかどうかを審査して登録する立場であり、基準そのものを地域ごとに自由に変更する立場ではありません。受験上は、「登録する主体は都道府県知事」「基準を定める根拠は法令」という役割分担を押さえると整理しやすいです。

(5) 平成14年4月に建築物空気調和用ダクト清掃業と建築物排水管清掃業が追加され、現在8業種となっている。

適切です。その理由は、平成14年4月施行の改正で新たに建築物空気調和用ダクト清掃業と建築物排水管清掃業の2業種が追加されたことが示されています。その結果、登録対象業種は8業種となりました。現在の8業種は、建築物清掃業、建築物空気環境測定業、建築物空気調和用ダクト清掃業、建築物飲料水水質検査業、建築物飲料水貯水槽清掃業、建築物排水管清掃業、建築物ねずみ昆虫等防除業、建築物環境衛生総合管理業です。業種数と追加時期は頻出なので、あわせて押さえておくと得点につながります。

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この問題で覚えるポイント

建築物衛生法の事業登録制度は、建築物の衛生的環境の維持管理を担う事業者の資質向上を目的とする制度です。登録を受けると登録業者表示ができますが、登録を受けていない者は登録業者またはこれに類似する表示ができません。ただし、無登録であることと、その業務自体が一律に禁止されることは別なので、この二つは区別して覚える必要があります。 登録は法人全体ではなく営業所ごとです。したがって、本社が登録済みでも、支社や別営業所が自動的に登録扱いになるわけではありません。所在地を管轄する都道府県知事が、各営業所ごとに基準適合を確認して登録します。この「会社単位ではなく営業所単位」という点は、表示の可否と直結する重要論点です。 登録業種は現在8業種です。平成14年4月に建築物空気調和用ダクト清掃業と建築物排水管清掃業が追加され、8業種体制になりました。試験では、業種数そのものだけでなく、どの業種が後から追加されたのかまで問われることがあります。あわせて、登録基準は厚生労働省令に基づく全国共通の基準であり、都道府県が条例で独自に基準を作る仕組みではないことも整理しておくと、制度全体が理解しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題の典型的な罠は、「会社が一つなら登録も一つでよい」と日常感覚で考えてしまうことです。しかし実際の登録単位は営業所ごとです。企業全体の信用と、法令上の登録単位を混同すると誤答しやすくなります。とくに本社、支社、営業所という言葉が出たときは、どの単位で許可や登録が及ぶのかを冷静に切り分けることが大切です。 もう一つの罠は、「無登録業者はその事業を行えないはずだ」と思い込むことです。実際には、問題になるのは登録業者であるかのような表示であって、制度の中心は表示規制と資質確保です。このように、一部だけ強く聞こえる表現に引っ張られて、制度の射程を広く取りすぎるのは試験でよくある失点パターンです。 さらに、業種数や追加時期のような数字・沿革論点も狙われやすいです。8業種という数字だけを丸暗記していると、どの業種が追加されたのか、いつ追加されたのかが曖昧になり、少し表現を変えられた問題で迷います。数字は単体で覚えるのではなく、改正の流れとセットで覚えると、ひっかけに強くなります。

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