【ビル管過去問】令和4年度 問題106|給排水管理 用語と単位 比体積・BOD容積負荷・腐食速度を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|給水および排水の管理第106問

問題

給水及び排水の管理に関する用語と単位の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 水の比体積 ――――――― kg/m3

(2) 給湯器の加熱能力 ―――― kW

(3) BOD容積負荷 ―――――― kg/(m3・日)

(4) 腐食速度 ―――――――― mm/年

(5) 病院の単位給水量 ―――― L/(床・日)

ビル管過去問|給排水管理 用語と単位 比体積・BOD容積負荷・腐食速度を解説

この問題は、給排水管理で使われる基本用語と、その単位の正しい対応を問う問題です。ビル管試験では、設備や水質管理の意味を知っているだけでなく、それをどの単位で表すかまで正確に押さえているかがよく問われます。特に今回は、水の比体積と密度の違いを理解しているかが重要です。最も不適当なのは(1)です。水の比体積はkg/m3ではなくm3/kgで表します。他の選択肢は、給湯器の加熱能力、BOD容積負荷、腐食速度、病院の単位給水量としていずれも適切な単位です。

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(1) 水の比体積 ――――――― kg/m3

不適切です。比体積とは、単位質量当たりの体積を表す量です。つまり、1kgの物質が何m3の体積を占めるかを示すため、単位はm3/kgになります。これに対してkg/m3は、単位体積当たりの質量を表す密度の単位です。たとえば水は、おおよそ1m3当たり1000kgなので、密度は約1000kg/m3です。一方、比体積はその逆数で、約0.001m3/kgとなります。この問題では、比体積と密度という互いに逆の関係にある量を正しく区別できるかが問われています。

(2) 給湯器の加熱能力 ―――― kW

適切です。給湯器の加熱能力は、どれだけの熱を単位時間当たりに与えられるかを示す性能です。これは仕事率やエネルギーの移動速度に相当するため、単位にはkWが用いられます。1Wは1秒間に1Jのエネルギーを扱う能力を意味し、kWはその1000倍です。給湯設備では、必要な湯量や給水温度と設定温度との差から必要能力を考えるため、kWという単位は設備選定や性能把握で基本となります。

(3) BOD容積負荷 ―――――― kg/(m3・日)

適切です。BOD容積負荷とは、排水処理設備の単位容積当たりに、1日でどれだけの有機物負荷が入ってくるかを表す指標です。BODは生物化学的酸素要求量であり、水中の有機物の多さを示す代表的な値です。そのため、BOD容積負荷の単位は、BOD量のkgを処理槽容積m3と時間日で割ったkg/(m3・日)になります。この単位は、活性汚泥法などの処理施設で、槽が過大か過小かを判断するうえで重要です。

(4) 腐食速度 ―――――――― mm/年

適切です。腐食速度は、金属材料が腐食によってどのくらいの速さで減肉するかを示す量であり、一般に厚さの減少量を年単位で表してmm/年が使われます。たとえば配管や貯水槽などで腐食が進むと、肉厚が薄くなり、漏水や破損の原因になります。その進行の程度を実務的に把握しやすい単位がmm/年です。給排水設備では、材料の選定や更新時期の判断にもつながる重要な考え方です。

(5) 病院の単位給水量 ―――― L/(床・日)

適切です。病院では、建物用途に応じた給水量の目安を考える際に、1床当たり1日当たりの使用水量として表すことがあります。そのため単位はL/(床・日)となります。病院は入院患者数や医療行為の内容により水使用量が大きくなるため、宿泊施設や事務所とは異なる指標で計画する必要があります。単位給水量は、受水槽容量や給水設備計画の基礎となる実務的な数値です。

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この問題で覚えるポイント

給排水管理では、用語の意味と単位を一体で覚えることが重要です。比体積は単位質量当たりの体積なのでm3/kg、密度は単位体積当たりの質量なのでkg/m3です。この2つは逆数の関係にあり、試験では非常に狙われやすいポイントです。加熱能力は単位時間当たりのエネルギー量なのでkWで表します。BOD容積負荷は、処理槽1m3当たり1日に流入するBOD量で、kg/(m3・日)を用います。腐食速度は配管やタンクの減肉の進行を表し、mm/年で整理します。病院の単位給水量は、用途別の給水計画に関する指標であり、L/(床・日)のように施設用途に応じた単位で表されます。試験では、量そのものの意味を理解していないと単位だけで判断できなくなるため、何を分子に置き、何を分母に置く量なのかを意識して覚えることが大切です。

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ひっかけポイント

この問題の最大のひっかけは、比体積と密度の混同です。どちらも水や流体の性質を表す基本量であり、しかも互いに逆数の関係にあるため、意味が曖昧なままだと単位を取り違えやすくなります。特にkg/m3は水の性質として見慣れた単位なので、無意識に正しそうだと感じてしまう受験者が多いです。また、他の選択肢は実務でよく使う単位が並んでいるため、全体としてもっとも見慣れないものを見抜けるかが問われています。今後も、用語と単位の問題では、単に数字や記号を暗記するのではなく、その量が何を何で割ったものかまで言葉で説明できるようにしておくと、同じパターンの問題に強くなります。

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