出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|空気環境の調整第76問
問題
空気調和設備に用いられる配管の種類とそれに使用する温度又は圧力との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) 冷却水配管 ―――― 20〜40°C
(2) 高温水配管 ―――― 80〜90°C
(3) 冷水配管 ――――― 5〜10°C
(4) 低圧蒸気配管 ――― 0.01〜0.05MPa
(5) 高圧蒸気配管 ――― 0.1〜1MPa
ビル管過去問|空調配管の種類 冷水配管・冷却水配管・蒸気配管の温度圧力を解説を解説
この問題は、空気調和設備で使われる代表的な配管について、それぞれがどの温度帯や圧力帯で使われるかを問う問題です。空調設備では、冷水、冷却水、高温水、蒸気はそれぞれ役割が異なるため、使われる温度や圧力の目安も違います。正答は(2)で、高温水配管を80〜90°Cとした記述が不適当です。高温水配管は一般にもっと高い温度域で使われるものを指し、80〜90°C程度は温水配管として扱われることが多いです。他の選択肢は、空調設備の実務や基礎知識としておおむね適切な組合せです。配管の名称だけでなく、何のためにその流体を送っているのかを結びつけて覚えることが大切です。
(1) 冷却水配管 ―――― 20〜40°C
適切です。冷却水配管は、主に冷凍機の凝縮器と冷却塔の間を循環する水を流す配管です。冷却水は、冷媒や機器から受け取った熱を外へ逃がす役割を持ちます。そのため、冷水のように低温ではなく、常温よりやや高い温度帯で運転されるのが一般的です。おおむね20〜40°C程度の範囲で扱われることが多く、この記述は実務上の目安として妥当です。冷却水と冷水は名前が似ていますが、冷却水は熱を捨てる側、冷水は室内を冷やす側という違いがあります。ここを整理しておくと混乱しにくくなります。
(2) 高温水配管 ―――― 80〜90°C
不適切です。高温水配管という名称は、一般に温水配管よりも高い温度の水を扱う配管を指します。80〜90°C程度は暖房用の温水として見かけることはありますが、通常は高温水というより温水の範囲として理解されることが多いです。高温水配管というなら、もっと高い温度域の水を扱う系統を想定するのが基本です。そのため、この組合せは用語の使い分けとして不適当です。この問題では、単に数値を覚えるだけでなく、高温水と温水を区別して理解しているかが問われています。
(3) 冷水配管 ――――― 5〜10°C
適切です。冷水配管は、冷凍機などでつくられた低温の水を空調機やファンコイルユニットへ送る配管です。室内の空気を冷やすために使われるため、水温はかなり低く設定されます。一般に冷水温度は5〜10°C程度で運転されることが多く、この記述は適切です。冷水は空気調和機内の冷却コイルなどに送られ、室内空気の顕熱や潜熱を取り除く役割を果たします。ビル管では、冷水配管は冷房側の代表的な配管としてよく問われるため、温度帯を確実に押さえておきたいところです。
(4) 低圧蒸気配管 ――― 0.01〜0.05MPa
適切です。低圧蒸気配管は、加湿や暖房などに用いられる蒸気を比較的低い圧力で送る配管です。空調設備では、高圧の蒸気をそのまま使うのではなく、用途に応じて圧力を下げた蒸気を利用することがあります。0.01〜0.05MPa程度は低圧蒸気の代表的な範囲として理解されており、この記述は妥当です。蒸気は水よりも多くの熱を運べるため、配管の圧力条件とあわせて覚えることが重要です。
(5) 高圧蒸気配管 ――― 0.1〜1MPa
適切です。高圧蒸気配管は、低圧蒸気より高い圧力の蒸気を送る配管です。蒸気は圧力が高くなるほど温度も高くなり、より大きな熱エネルギーを運べます。空調や熱源設備の分野では、0.1〜1MPa程度の範囲が高圧蒸気として扱われることがあり、この組合せは適切です。試験では、低圧蒸気と高圧蒸気の数値の境目を厳密に暗記するというより、低圧より明らかに高い圧力帯であることを理解しておくことが大切です。
この問題で覚えるポイント
空調配管は、何を運ぶ配管かによって温度や圧力の目安が異なります。冷水配管は室内を冷やすための水を送るので、5〜10°C程度の低温で使われます。冷却水配管は冷凍機や冷却塔で熱を外へ捨てるための水を流すので、20〜40°C程度の常温よりやや高い範囲になります。温水配管は暖房などに用いられ、一般に80〜90°C程度が代表的です。一方で高温水配管は、それより高い温度域の水を扱う配管を指します。蒸気配管は圧力で分類され、低圧蒸気はおおむね0.01〜0.05MPa、高圧蒸気は0.1〜1MPa程度が目安です。試験では、冷水と冷却水の違い、温水と高温水の違い、低圧蒸気と高圧蒸気の違いを整理して覚えることが正誤判断に直結します。名前が似ていても役割が違えば温度や圧力も変わる、という原則で理解すると応用が利きます。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、名称が似ている配管をあえて並べて、受験者に感覚で選ばせようとしている点です。特に引っかかりやすいのは、高温水と温水の混同です。80〜90°Cという数値だけを見ると、十分に高温だと感じてしまい、高温水配管でもよさそうに見えます。しかし、設備分野では用語の使い分けがあり、温水よりさらに高い温度域を扱うものを高温水と呼ぶのが基本です。また、冷水と冷却水も字面がよく似ているため、低い温度を流すものだと早合点すると誤りやすいです。さらに、蒸気配管は温度ではなく圧力で整理する必要があるため、水配管と同じ感覚で見ると混乱します。試験では、日常感覚での高い低いではなく、設備用語としてどう分類されるかを意識して判断することが大切です。
