【ビル管過去問】令和4年度 問題70|空気調和機の構成機器 AHU・FCU・パッケージ型空調機を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|空気環境の調整第70問

問題

空気調和機とその構成機器の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) エアハンドリングユニット ――― 加湿器

(2) ファンコイルユニット ――――― 凝縮器

(3) パッケージ型空調機 ―――――― 圧縮機

(4) エアハンドリングユニット ――― エアフィルタ

(5) ファンコイルユニット ――――― 熱交換器

ビル管過去問|空気調和機の構成機器 AHU・FCU・パッケージ型空調機を解説

この問題は、空気調和機の種類ごとに、どのような機器で構成されているかを問う問題です。空調設備では、名称が似ていても役割や内部構成が異なるため、機器の特徴を整理して覚えることが大切です。正しい選択肢は、エアハンドリングユニットに加湿器を備えるもの、パッケージ型空調機に圧縮機を備えるもの、エアハンドリングユニットにエアフィルタを備えるもの、ファンコイルユニットに熱交換器を備えるものです。不適当なのは、ファンコイルユニットに凝縮器があるとした記述です。ファンコイルユニットは冷温水を用いて室内の空気を処理する機器であり、冷凍サイクルを構成する凝縮器は通常備えていません。

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(1) エアハンドリングユニット ――― 加湿器

適切です。エアハンドリングユニットは、中央方式の空調設備で用いられる代表的な空気調和機です。外気と還気を取り入れ、ろ過、加熱、冷却、加湿などを行って、ダクトを通じて各室へ調和空気を送ります。このため、エアハンドリングユニットにはエアフィルタ、冷温水コイル、送風機、加湿器などが組み込まれることがあります。特に冬期の乾燥対策や室内湿度の維持が必要な建物では、加湿器を備える構成は一般的です。

(2) ファンコイルユニット ――――― 凝縮器

不適切です。ファンコイルユニットは、室内機の内部にファンと熱交換器を持ち、そこへ冷水または温水を流して室内空気の冷暖房を行う機器です。ここで使われるのは冷凍機で作られた冷水や、ボイラなどで作られた温水であり、ファンコイルユニット自体が冷媒を圧縮して冷凍サイクルを完結させるわけではありません。凝縮器は、冷媒を高温高圧の気体から液体へ変える冷凍サイクルの構成機器ですので、通常のファンコイルユニットには含まれません。ファンコイルユニットとパッケージ型空調機を混同すると誤りやすいので注意が必要です。

(3) パッケージ型空調機 ―――――― 圧縮機

適切です。パッケージ型空調機は、冷凍サイクルを一体化して構成した空調機です。冷媒を圧縮する圧縮機、熱を放出する凝縮器、冷媒を膨張させる膨張機構、熱を奪う蒸発器などを備え、単独で冷暖房機能を果たします。そのため、圧縮機を構成機器として含むのは正しい理解です。ルームエアコンや業務用パッケージエアコンをイメージすると理解しやすいです。

(4) エアハンドリングユニット ――― エアフィルタ

適切です。エアハンドリングユニットは、取り入れた空気中の粉じんや汚れを除去してから室内へ送る必要があるため、エアフィルタを備えるのが基本です。空気質を維持するためにも重要な部分であり、建築物衛生の観点からも見逃せない機器です。フィルタがなければ、ダクト内や室内へ粉じんが持ち込まれ、空気環境の悪化や機器汚染の原因になります。そのため、エアハンドリングユニットとエアフィルタの組合せは自然であり、適切です。

(5) ファンコイルユニット ――――― 熱交換器

適切です。ファンコイルユニットの中心となるのは、まさに熱交換器です。内部のコイルに冷水や温水を流し、ファンで室内空気を通過させることで、空気との間で熱交換を行います。これにより、室内の冷房や暖房が可能になります。ファンコイルユニットという名称自体が、ファンとコイル、すなわち熱交換器を備えた機器であることを示しています。したがって、この組合せは正しいです。

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この問題で覚えるポイント

空気調和機は、空気を処理する方式と、内部に冷凍サイクルを持つかどうかで整理すると理解しやすいです。エアハンドリングユニットは中央式空調の代表であり、外気処理、ろ過、加熱、冷却、加湿などを行う大型機器です。主な構成は、送風機、エアフィルタ、冷温水コイル、加湿器などです。一方でファンコイルユニットは、室内に設置される末端機器であり、ファンと熱交換器を持ち、冷水や温水を利用して室内空気を処理します。ここでは冷凍サイクルは持たず、圧縮機、凝縮器、蒸発器といった機器は通常含まれません。これに対してパッケージ型空調機は、冷凍サイクルを内蔵した一体型の空調機であり、圧縮機、凝縮器、蒸発器などを備えています。試験では、AHUは空気処理中心、FCUは冷温水による室内処理、パッケージ型空調機は冷凍サイクル内蔵、という違いを押さえることが正誤判断に直結します。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、どの空調機にも熱交換器やファンがありそうだという曖昧な印象を利用して、冷凍機器の構成と空調末端機器の構成を混同させる点にあります。特に、冷房に関係する機器だから凝縮器もありそうだ、と日常感覚で考えると誤りやすいです。しかし、ファンコイルユニットはあくまで冷水や温水を受け取って熱交換する機器であり、自ら冷媒を循環させているわけではありません。つまり、冷房を行う機器であることと、凝縮器を持つことは同じではありません。試験ではこのように、機器の用途が似ていることを利用して内部構成まで同じだと思わせるパターンが繰り返し出ますので、名称ではなく、何を熱源として動く機器なのかまで意識して整理しておくことが大切です。

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