【ビル管過去問】令和4年度 問題56|ホルムアルデヒドの性質 健康影響・発がん性・刺激臭を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|空気環境の調整第56問

問題

空気汚染物質の特性を表すア〜エの記述のうち、ホルムアルデヒドの特性を表すものの組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。 ア  常温で無色の刺激臭を有する気体である。 イ  ヒトに対して発がん性がある。 ウ  一酸化窒素と結合し、二酸化窒素と酸素を生成する。 エ  非水溶性である。

(1) アとイ

(2) アとウ

(3) アとエ

(4) イとウ

(5) イとエ

ビル管過去問|ホルムアルデヒドの性質 健康影響・発がん性・刺激臭を解説

この問題は、ホルムアルデヒドの基本的な性質と健康影響を正しく理解しているかを問う問題です。ホルムアルデヒドは、常温で無色かつ刺激臭のある気体であり、ヒトに対する発がん性も指摘されているため、アとイの組合せが正解です。一方で、ウはオゾンに関する性質に近く、エはホルムアルデヒドが水に溶けやすいことに反するため誤りです。物質ごとの性質を一つずつ切り分けて整理できるかが重要です。

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(1) アとイ

適切です。ホルムアルデヒドは、常温で無色の刺激臭を有する気体です。建材、接着剤、家具、内装材などから放散され、室内空気汚染物質として重要視されています。においによる刺激だけでなく、目、鼻、のどの粘膜を刺激し、濃度が高いと体調不良の原因にもなります。また、ホルムアルデヒドは国際的にも発がん性がある物質として扱われています。そのため、アとイの組合せはホルムアルデヒドの特徴を正しく表しています。

(2) アとウ

不適切です。アは適切ですが、ウが不適切です。ウの「一酸化窒素と結合し、二酸化窒素と酸素を生成する」という記述は、ホルムアルデヒドの性質ではありません。ホルムアルデヒドはアルデヒド類に属する有機化合物であり、このような反応で特徴づけられる物質ではありません。試験では、一つだけ正しい記述が含まれている選択肢を混ぜて受験者を迷わせることがありますが、組合せ問題では両方とも正しくなければ正答にはなりません。

(3) アとエ

不適切です。アは適切ですが、エが不適切です。ホルムアルデヒドは非水溶性ではなく、水に溶けやすい性質をもっています。実際に、ホルムアルデヒドを水に溶かしたものがホルマリンであり、消毒や標本保存などで知られています。この知識があれば、エはすぐに誤りだと判断できます。水に溶けにくい気体だと誤解してしまうと、性質の整理があいまいになりやすいので注意が必要です。

(4) イとウ

不適切です。イは適切ですが、ウが不適切です。ホルムアルデヒドに発がん性があるという点は正しい理解です。しかし、ウの内容はホルムアルデヒドの代表的性質ではありません。組合せ問題では、健康影響に関する正しい知識を知っていても、化学的性質の部分で誤ると全体として不正解になります。この問題では、健康影響だけでなく、物質としての基本的な特徴まで押さえているかが試されています。

(5) イとエ

不適切です。イは適切ですが、エが不適切です。ホルムアルデヒドは水に溶けやすい物質であり、非水溶性ではありません。したがって、イが正しいからといってこの組合せを選んではいけません。発がん性のある物質という印象だけで判断すると、他の基本性質の確認が甘くなります。室内空気汚染物質の問題では、刺激性、溶解性、発生源、健康影響をセットで覚えることが大切です。

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この問題で覚えるポイント

ホルムアルデヒドは、常温で無色の刺激臭を有する気体です。室内では建材、接着剤、家具、内装材などが主な発生源となり、シックハウス症候群と関連づけて出題されやすい物質です。水に溶けやすいという性質も重要で、ホルムアルデヒド水溶液がホルマリンです。このため、非水溶性という記述は誤りだと判断できます。 健康影響としては、目、鼻、のどの刺激、粘膜刺激、頭痛、不快感などがあり、高濃度ではより強い症状を引き起こします。さらに、ヒトに対する発がん性がある物質として扱われている点も重要です。試験では、刺激臭があること、水に溶けやすいこと、発がん性があることを結びつけて覚えると、正誤判断に強くなります。 似た室内空気汚染物質との違いも整理しておくと有効です。一酸化炭素は不完全燃焼で発生し、血液中のヘモグロビンと結びついて酸素運搬を妨げます。二酸化炭素は主に人の呼気に由来し、換気の指標として扱われます。ホルムアルデヒドはこれらとは異なり、建材などから放散される化学物質で、刺激性と発がん性が問われやすいのが特徴です。発生源と健康影響を対応させて覚えることが得点につながります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、正しい知識を一つだけ含む選択肢に引き寄せられやすい点にあります。たとえば、発がん性があることを知っていると、イを含む選択肢がどれも正しそうに見えてしまいます。しかし、組合せ問題では片方が正しくても、もう片方が誤っていれば不正解です。この基本を忘れると失点しやすくなります。 また、化学物質の性質をあいまいに覚えていると、「刺激臭がある気体」という情報だけで判断し、水への溶けやすさまで確認しないまま誤答しやすくなります。ホルムアルデヒドはホルマリンの元になるという知識があると、非水溶性という記述は明確に誤りだと見抜けます。物質名だけでなく、水溶性や発生源まで含めて立体的に覚えることが大切です。 さらに、他の大気汚染物質や酸化性物質の性質と混同させるのも典型的な罠です。試験では、別の物質の特徴をそれらしく混ぜてくることがあります。見慣れない反応や性質が出てきたときほど、ホルムアルデヒドそのものの基本事項に立ち返って判断することが重要です。

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